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リアクション
武尊はのろのろと蛇行させながらバイクを走らせている。
蟻はそのすぐ後ろを追っている。
武尊のバイクが岩陰を通りすぎたとき、機関銃の乱射が蟻の群れに向けられた。
光学迷彩を使用して姿を隠していた又吉が「君は、昔流行った不良猫みたいだな」と武尊に言わしめた外見を現す。
『轟雷閃』を用いて雷属性を付与した機関銃による『スプレーショット』で巨大蟻の群を滅多打ちする又吉。
蟻の硬い外殻にもダメージはあるが、関節などの柔らかい部位に弾を受け、アリ達はその場に倒れこむ。
「後はまかせたぜっ!」
又吉の言葉を受けて、倒れた蟻たちをショットガンで一匹ずつ打ち抜く武尊。
「「巨大蟻だかパラミアントだか知らねぇけど、キッチリ借りは返したぜ!!」
「ウォーーーーーーーーーーーーー!」
大鋸は蟻に囲まれていた。血煙爪を振り回して蟻を蹴散らしている。
蟻の硬い外殻で血煙爪は刃こぼれをしていた。関節や目を傷つけられた蟻は、死に物狂いで大鋸に酸を吐き出す。
酸は大鋸の肌を焼く。満身創痍の大鋸だが、戦う手を緩めない。
隆光は、バーストダッシュを使って蟻の背後に回りこみ、スプレーショットを打つ。
「大鋸、大丈夫か」
倒れこんでいた蟻が突然起き上がり、大鋸に牙を向けた。
隆光は体を巨大蟻に体当たりさせる。一見優男の隆光だが、やるときはやるのだ。
突然、ブラインドナイブスが蟻に向けられる。
隠れ身を使って近づいてきたフェリークスが二人を襲う蟻の首を撥ねる。
「ありがとな」
隆光は再び、銃を構えた。
涼は、傷つき群れから離脱した蟻に一匹一匹止めを刺している。イーオンたちが防衛している場所とは反対側から集落を目指す蟻の群れがいる。
バーストダッシュを使い移動する涼。ツインスラッシュを使用し巨大蟻の背後から攻撃するが、バランスを崩し、倒れてしまう。蟻酸が涼を狙う。転がりながら避ける。
「だめだ!」
目の前に巨大蟻の口臭を感じ、涼は逃げ場を失う。
「バサッ!」
大鋸の顔が涼の目に映る。
「立てるか?」
手を伸ばす大鋸。
地響きが聞こえる。
一瞬の間、屍を残し大鋸たちの周囲から蟻の姿が消えている。
「巣にもどったのだろうか」
イーオンが集落の端を見やる。
その方角には、巨大蟻の巣を退治しに向かった仲間がいる。
3.蟻の巣退治
そのころ別働隊は蟻の巣を見つけ出していた。
こちらのメンバーは百合園女学園の生徒が中心となっている。
蟻の巣は冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)が見つけていた。小夜子は事前に逃げ出した集落の住人に接触していた。
「もうあの家には戻りたくない・・・」
ジャイアントアントに襲われ、辛くも生き延びた住人たちは、集落が孤児院として再生されることを喜んでいる。住宅の使用も承諾してくれた。
住人から蟻の動きを聞いた小夜子は、だいたいの目星をつけ、事前に探りを入れていた。
巣の入り口は、大岩に長く入った亀裂にあった。
巨大蟻は、鋼鉄の体で大岩の亀裂を押し広げて、出入りをしている。
神楽坂 有栖(かぐらざか・ありす)はパートナーのミルフィ・ガレット(みるふぃ・がれっと)とともに蟻退治に来ている。どこからどう見ても可憐な少女の有栖だが、真剣な気持ちだ。
「私だって、、立派に戦えますっ、、!みんなが安心して住める場所を作るんです、、!!」
今にも蟻の巣に乗り込んでいきそうな有栖がミルフィは心配でならない。
「お嬢様っ、くれぐれもご無理はなさらないで下さいまし、、!」
「大丈夫よっ、ミルフィ」
「有栖ちゃん、一緒にがんばるです。蟻さんを殺すのはかわいそうだけど、みんなを守るためにやっつけるです!」
両手に力を入れているのは、はやり百合園のヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)だ。
「女王アリまでやっつけないと危ないから巣をこうげきして殲滅です」
「私もそう思うわ」
有栖とヴァーナー、愛らしい容姿の二人だが、意外とスキルは充実している。お嬢様だからって戦闘に弱いとは限らないのだ。
ヴァーナーのパートナー、セツカ・グラフトン(せつか・ぐらふとん)とクレシダ・ビトツェフ(くれしだ・びとつぇふ)もともに来ている。ぼーとしているようでシッカリもののセツカはともかく、犬のバフバフにのっている産まれたばかりのアリス、クレシダが蟻退治ができるかは不明だが、みな意気揚々としている。
「ジャイアントアントだァ? ただのでけぇ蟻だろンなもん、このオレの手にかかりゃ10秒でノックアウトだぜ!さっさと片付けようぜっ!」
息巻く黒一点は、吉永 竜司(よしなが・りゅうじ)だ。185センチ100キロの厳つい容姿は小夜子たち百合園の生徒から頭ひとつ大きく、岩のように見える。
「暇だからよぉ、お嬢様のお守りでもしてやっかっ!」
列車強盗に参加した竜司は、保護された孤児たちが気になって様子を見に来ていた。少女たちが自分たちだけで蟻の巣を退治すると聞いて、悪態をつきながらも付いてきた。見かけによらず優しいのかもしれない。
竜司が巣の周りを見る。
「足跡が新しいぜ、今出てったばかりらしい」
「イーオンさんたちのところかしら」
有栖が心配そうに呟く。
「又吉さんが作戦があるって言ってたです」
ヴァーナーの言葉に、
「あちらは任せて、女王蟻を退治しましょう」
小夜子が巣の中を覗き込んだ。
そのとき、集落の方角から砂埃が上がり、金属音のような悲鳴が聞こえてくる。
銃撃の音が周囲にこだましている。
「なんだか騒がしいです」
クレシダの一言でみなが静まり返る。大岩が動いている。
「出てくるんですわ」
有栖が身構えた。
大岩から離れて身を隠す一同。
有栖は、携帯に繋いだ光条兵器の「砲盾」を出現させ、光条キャノンで飛び出してきた巨大蟻を遠距離砲撃する。
入り口で倒れる蟻。その屍を乗り越えて次の蟻が現れる。
再度、砲盾を打つ。しかし砲盾の合間をぬって次々に蟻が現れる。
一匹の蟻が、捨て身の行動に出た。
有栖に向かって突進してくる。
「お嬢様っ!」
ミルフィが叫ぶ。
「大丈夫、任せて!」
ヒロイックアサルトの剣をふるう。魔力の衝撃波と共に鋭い斬撃を繰り出し、蟻の関節を切り裂く有栖。
「お嬢様っ、くれぐれもご無理はなさらないで下さいまし、、!」
ミルフィは先ほどから同じ言葉を繰り返している。
ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)は、パートナーを後衛にして、自分が前衛で攻撃を受けている。
「まけないですよ!」
チェインスマイトを使い、続けざまに武器を繰り出しては目の前の蟻をランダムに攻撃するヴァーナー。轟雷閃が蟻の関節を打ち砕く。
関節部分を斬りつけられて、暴れ出すジャイアントアント。
「クレシダちゃん、ななめ前のやつおねがいです!」
犬のバフバフに乗ってヴァーナーの後ろにいたクレシダは、
「おっきなアリ、たおすのね」
キャッキャッとはしゃぎながらシャープシューターで目や触覚を狙って銃撃している。
セツカは、ヴァーナーの斜め後ろにいる。動けなくなって口から酸を撒き散らしている蟻を、氷術で凍らせている。
「動かないで欲しいですわ」
いつも冷静なセツカは、蟻を一箇所に集めて、サンダーブラストで止めをさしている。
「さっと倒れて欲しいですわね」
三人はそれぞれにSPをチャージしながら戦っている。
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