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リアクション
6.ケルベロスにタネ子を……さん。
「ひゃっほーい!」
透乃は滑り台から降りるように茎を滑った。
前には陽子が、後ろには芽美が。三人並んだ状態で、うなだれが始まる天頂部分から首の根元へ向かって滑りおりている。
かなりの傾斜のため、少し手を離しただけで、スピードが増す。
「あ、あ、あ、あ、あ……」
勢いがつきすぎて、タネ子の頭と陽子の開脚部分が……がふんっ。と、ぶつかる。
その後ろから透乃、芽美が立て続けにが滑り降りてきて。
「あ、あ、あ、透乃ちゃん、止まって、止まってください〜〜!」
どすん!
そしてもう一つどすん!
その衝撃で、タネ子の頭は下へと落ちていったが。
「〜〜〜〜〜」
陽子は痛みに悶絶した。
股間を強打したのだ。
その様子でやっと状況を理解し、透乃と芽美は平謝りする。
「だ、大丈夫?」
芽美は陽子の痛みを感じとって、渋い顔をした。
「い、いたい? 痛い? ごめんね。ちょっとスピード緩められなくて」
本気で痛みを堪えている陽子に、さすがの透乃も慌てふためいた。
「えっとえっとえっと………撫でようか? そこ」
触手にも出会えなかったことだし。
その言葉に顔をドカンと赤くした陽子は、恥ずかしさを隠すように、ぽかぽかと透乃を叩いた。
スクリーンに、カメラ目線で手を振っているルイのどアップが映し出される。
「本当に見えてるんでありますかね? 前に話を聞いた限りでは、こっちの姿が見えていたと……」
「石になっているな。不思議なものなのだよ」
リアがまじまじと石像を覗き込んでいる。
タネ子の悲鳴を防ぐために手を放したら、茎から滑り落ちてしまった。
あんな怖い思いは二度と御免だと思った面々は、石化処理班と化し、回収作業に勤しんでいた。
「こっちにもあったぜ、ダディ」
「体力仕事はキツイですわ」
紗月と十二星華プロファイルは息をふぅふぅ吐きながら、皆を運んでいた。
「まだまだたくさんあるみたいだ」
並べられている何体もの石像が、画面に映し出された。
「あ、私がいるですぅ」
「私もです!」
驚いたように、明日香とノルニルが叫んだ。
「私も……」
美央も小さく呟いた。
「……さーてと。どうしましょうかね〜」
画面の中で、ルイがなんだか悪魔じみた微笑を浮かべた。
「ケルベロス君にお願いすれば簡単なんですけど〜やっちゃいましょうかね〜やっちゃおっかな〜」
自分のズボンのファスナーを上げ下げする。
「え……、え? えぇ? えぇえええぇえええええ!???」
途端、発狂の嵐。
「ふざけんな!それだけはすんなって言ってないけど言うに決まってんだろ!」
「スマキにするぞー!」
「ケルベロスの口ん中につっこんでやる!!」
……あっちの世界でぎゃぎゃあわめき立てているなんて、もちろんルイは知らない。
「一回は試してみたかったんですよ。あ、紗月さんもやらないですか?」
「えっ!? いや、俺は、ちょっと……」
「そうですか」
ひどく残念そうに、しょんぼりした顔を見せるルイ。
なんだか可哀想になった紗月は自分のファスナーに手をこっそりかけてみたが……
「やややややっぱり無理!」
首を何度も横に振った。
「…にしても、本当に見えてるんでしょうかねぇ? まぁ、始めましょうか。誰にしましょかねー」
じっじじっじ……
「誰がこの栄光を勝ち取るでしょうかー」
じじじっじじっじじ……
「ぱかぱーん! 決定ー!!! この子にきーめー…ぴぎゃっつ!!!!」
「………?」
ルイが身をかがめて小刻みに震えている。
紗月やリア、十二星華プロファイルが近寄り、心配そうに背中をさすっている。
「…あれは……挟んだな…」
「挟んだね……」
皆はルイに同情の目を向けた。
下に落ちたタネ子ヘッドに、樹とコタローが駆け寄っていった。
……ちょっとつまみ食いするか。
樹はコタローにこっそり耳打ちすると、持っていく前に一口だけ頂くことにした。
幸いなことに口がちょっとだけ開いていて──
「ばにああいう〜ばにああいう〜♪」
樹が手を突っ込み、中から実を取り出すのを今か今かと待ち構えるコタロー。
「あれ? なんか変なものに当たってる……」
不思議に思いながら樹が引っ張り出してみると──
タンタンの生首だった。
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「っっう!」
樹とコタローは、驚きのあまり気を失ってしまった。
「あ、あのー、ワタシの身体の所まで連れてってもらえませんか?」
「………」
白目を剥いた二人に、タンタンの声は聞こえなかった。
「はーい、おつかれー」
雅が、首のないタンタンの身体をずるずる引きずってやって来た。
倒れている樹とコタローを見て。
「起きてこの身体が目の前にあったら、また気絶するかな?」
ふふふ、と。雅は楽しそうに笑った。
「あったか〜い、まるで母親の体内で眠っているよう……」
タネ子に食われた悠が、天に召されようとしている。
「おらー! しっかりしろー!」
丸は必死に腕を伸ばし悠の足を捕まえようとするが、中々上手くいかない。
時々痙攣する悠の足が、なんだか切ない。
「まったくなんであんな簡単に食われてしまうんですかねぇ」
真理奈の言葉に、丸は笑って答えた。
「悠だからじゃないか?」
「……あぁ、なるほど」
すぐさま納得する真理奈だった。
「だけど、どうやって落とそうかねぇ」
真由歌が言った。
ノウマンが少しだけ首を動かす。
「悠は犠牲となったのだ」
「いや、それは分かるんだけどね。さすがに助けないわけには……」
ノウマンの肩に乗っていた真由歌が、はっとした。
イモムシ方式で徐々に近づいていっているヴァーナーの姿を見つけた。
銃よりも魔法よりも、タネ子採取は地道プレイが一番確実らしい。
ぽこんと首根っこを叩くと、タネ子の頭が落ちた。
しかしその反動で、ヴァーナーの身体が放り出された!
「ノウマン! あの子を助けて」
「……了解」
目にも止まらぬ素早さで、ヴァーナーをキャッチする。
「…あ、ありがとうです…こわかったです、びっくりしたです…」
下におろしてもらうと、ヴァーナーはパワーブレスでパワーアップして、悠をひっぱりだした。
「だっ、だいじょうぶですか?」
どろどろの液体に漬かった状態の悠は、力なく片手を挙げた。
小夜子は目を光らせた。
タネ子の根元の脇に、ほんのわずかだが蠢く触手があった。触手の子供といっても過言ではない。触手というか、糸ミミズ。
手の平サイズの範囲しかなかったが、懸命に生きていた。
顔を近づける。
「………」
もっと近づける。
「………」
ぐりぐり顔を擦り付ける。
「……………触手の『し』の字の機能も無いですわ!!!!」
小夜子は地団駄を踏んだ。
「おーい、危ないぞー!」
「え?」
ずどんっ! と。
目の前すれすれの位置に、タネ子が落ちてきた。
思わず腰を抜かしてしまう小夜子。
イーオンが笑いながら近づいてくる。
「大丈夫か? そんな所にいたらつぶされるのだよ」
引っ張り起こそうと手を差し出したが。
「イオ! もう、またっ! 早く回収して戻りましょう」
「はいはい」
「嫉妬嫉妬嫉妬ー♪」
「………」
フィーネのからかいに堪忍袋の尾が切れたアルゲオは、怒り狂いながら追いかけた。
殺気のこもった目に、フィーネも本気になって逃げまくったのは言うまでも無い。
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