リアクション
第10章 忘れちゃならない締めの打ち上げ花火
「打ち上げ花火を上げるぞ。用意はいいか」
「いいですよ」
絃弥に頷き耳栓をして義経が花火に火をつける。
ヒューゥウウン・・・ドォオーーン!
夜空を美しい花火が美しく照らす。
「まず1発目は成功だな」
「そうですね、協力して作ってもらったやつですし」
「あ、やっぱりキャラクターものは難しいみたいだな」
打ち上げられた唐傘お化けの花火が、傘と持ち手の部分が分離しているように見えた。
「樹兄さん花火ってこういうもの?」
「え?うんそうだな」
不思議に思いながらも和原は、キレイな花火を見れればいいかと思った。
「花火だよーわらしん」
「うんキレイだねー、座敷わらしちゃん。ほらまた上がったよ!」
座敷わらしとクマラも団扇を扇ぎ涼みながら花火を楽しむ。
「次は雨降り小僧だ。火をつけるぞ」
花火に火をつけて絃弥はすぐさま離れる。
「この距離だと音が凄いですね」
あまりの音の凄さに義経は耳を両手で押さえる。
「あっ、陣くんの天敵が見えた」
「うっさいっつーの!」
雨降り小僧の花火を指差すリーズに陣が怒鳴る。
空を青色に飾ったかと思うと、アヤカシのようにスーッと消えてしまった。
「キレイですね雪女の透玻様」
「あぁそうだな・・・」
たまにはこういうのも悪くないと空を透玻は見上げる。
だんだんと空が明るくなり、集まった妖怪たちは広場から去り、姿を消していった。
妖怪が去った後、生徒たちはそれぞれ広場を片付け、各学園へ戻っていく。
「それなりに満足した。来年もまた来れるといいな・・・」
「折角なので・・・、このまま一緒に帰りましょうか?」
「―・・・って、このまま一緒に帰るだと!?まぁ、たまにはいいか・・・」
璃央と透玻は変装を解かずに家に帰っていった。
アキラはしばらく広場に残って余韻を楽しみ、気づいたらまた夜になってしまっていた。
妖怪以外の者が踏み込み、仲間ではないと彼らに知れたら最後、化かされて遊ばれてしまう。
夏の丑三つ時に妖怪だけが集まり、人々を惑わすような怪しくも美しい祭り。
年に1度の夏祭りはこれにて幕を閉じた。
おはようございます。
妖怪だけのお祭り、いかがでしたか?
出店に出した妖怪の食べ物は、パッと思いついたのを書いています。
何か変化があったほうがいいかなとそうしたのですけど、だからといって何で身体の色が変わるの!?とか、細かいことは気にしないということで。
祭りだからコレはないとね!というのをいろいろご用意していただいて、妖怪たちも満足していることと思います。
一部の方に称号をお送りさせていただきました。
それではまた次回、別のシナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。
【2010.8.28:修正しました】
誤字修正箇所はリアクション1ページ目、第1章になります。