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切なくて、胸が。 ~去りゆく夏に

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切なくて、胸が。 ~去りゆく夏に
切なくて、胸が。 ~去りゆく夏に 切なくて、胸が。 ~去りゆく夏に 切なくて、胸が。 ~去りゆく夏に

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EPILOGUE

「じゃあこれで」
 片手を振って立ち去ろうとする環菜に、エリザベートがはにかんだような笑みを見せて呼びかけた。
「ヨーヨーとは別にもう一つだけ、御神楽校長にあげたいお土産があるんですぅ」
「なに? もらってばかりで悪いわね」
「はいこれぇ」
 とエリザベートが手渡したのは、イルミンスール魔法学校の女子制服一式だった。
「……やっぱり、憶えてたのね」
「我が校へのご来場、心からお待ちしてますぅ〜」
 エリザベートはニヤリと笑った。
「ああ、楽しみだこと……」
 ご丁寧にも名札まで用意されている。『特待生:御神楽環菜♪』なんて書かれているのは誰の遊び心だろうか。
「これを着た御神楽校長はぁ、さぞや可愛い姿でしょうねぇ〜」
「くっ……まあ、約束は約束ですからね。ちゃんと着て行ってあげるわよ」
 口惜しげな顔つきながら、どことなく、環菜の口調に楽しげなものがうかがえるのは、もしかしたら環菜自身、この『コスプレ』を楽しもうという気持ちがあったからかもしれない。

 しかしその約束が、果たされることはなかった。