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クロネコ通りでショッピング

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クロネコ通りでショッピング
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リアクション

 
 
 
 クロネコ通りの買い物は、品物と代金は引き替えで。
 けれどお茶する時だけは、先払いがお約束。
 ――どうして?
 だってそれはね――。



 

 おしゃべり姉妹の喫茶店
 
 
 クロネコ通りの話を聞いた時には、骨董品を売るような店が多いのかと思ったのだけれど、実際に来てみるとそうでもない。普通の街にあるような店も軒を並べている。
 あまり持ち合わせがないから基本はウインドウショッピング。だけど、見ているだけでも十分面白い。
「色々なお店があるのですねー」
 ふらふらとあっちの店、こっちの店と巡り歩いていた咲夜 由宇(さくや・ゆう)は、ふと喫茶店の壁にかかっているスプーンが気になった。喫茶店に近づいてよくよく眺めてみると、スプーンは純銀に細かく猫の細工がしてあるというもの。
「わぁ! このスプーンとってもかわいいのですぅ〜!」
 見れば見るほど欲しくなって、由宇は忙しそうな喫茶店の中に入っていった。
「すみません。壁に飾ってあるスプーンなんですけどぉ」
「ああ良かった。どこの注文かと思ってたの。冬山登頂パフェ、おまちどうさま」
 ブルーのワンピースを着たウェイトレスにいきなり巨大なパフェを渡されて、由宇は慌てて首を振った。
「そうじゃなくて、あの壁に飾ってあるスプーンを譲っていただきたいのですぅ」
「まあそうなの。ちょっとララ、そこの寸胴鍋が欲しいっていう人がいるんだけど」
「あらダメよナナ、寸胴鍋でパフェ作ったりしたら、本当に遭難者が出てしまうわ」
 カウンターの中から、ピンクのエプロンをした女性が叫び返す。
「と、そういう訳でダメなの。ごめんなさいね」
 申し訳なさそうに言われ、由宇は違いますと慌てて訂正した。
「欲しいのはあのスプーンですー。どうしても欲しいのですー。一目惚れしてしまったのですよぅ」
「あらでも私、女性には興味がないのよ。ごめんなさいね」
 全く話が通じない。けれど忙しく店内を動き回るナナの後ろについて、由宇は懸命に説明した。
 そしてようやく、ナナも分かってくれたらしい。
「あのスプーンのこと? だったら早く言ってくれればいいのに。そんなに気に入ったのなら、あなたに持っていてもらった方があのスプーンも喜ぶと思うわ」
 やっと通じたけれど、由宇の今持っているお金全部を払っても、とてもスプーンの代金には及ばない。
「足りない分はアルバイトします。お茶煎れ、接客、お掃除に調理、どんなことでもメイド魂で頑張るですよ〜。だからお願いですぅ〜!」
「そう? じゃあ手伝ってもらおうかしら。人手が足りなくて困っていたところなの。スプーンは先に渡しておくから、あなたが帰るまでの時間、ずっと働いてもらえる?」
「はい、ありがとうございます。頑張りますー!」
「ならこのエプロンをつけて。フロアーをお願いできるかしら?」
「任せてくださいですぅ。あ、いらっしゃいませー!」
 丁度入ってきた秋月 葵(あきづき・あおい)イングリット・ローゼンベルグ(いんぐりっと・ろーぜんべるぐ)を由宇はとびきりの笑顔で迎えた。
「こんにちは〜。なんか美味しそうな匂いがするね」
「イングリットね、お腹ペコペコにゃー。ここでご飯にするにゃー」
「そういえばお昼まだだったね〜。じゃあ、あたしもここで食事しちゃおう☆」
 窓際の席に座ると、葵はメニューを開く。
「えっと……じゃああたしはサンドイッチとニルギリのミルクティーで。グリちゃんは決まった?」
「んーとね……」
 イングリットはメニューをじっくりと見つめ、そして注文を待っている由宇の前にメニューを大きく開き、指で端から端までなぞって見せた。
「ココからココまで全部くださいにゃぁ」
「全部ですかぁ?」
 さすがに驚いた由宇を見かねて、葵がそっとイングリットをつつく。
「ちょっとグリちゃん! そんなに頼んで食べれるの?」
「へーきにゃ♪ 足りなかったらまた後で注文するにゃー」
「注文とお金は引き替えになりますけどぉ……ちょっと待ってて下さいねぇ」
 クロネコ通りの喫茶店はどこも前払いが基本だ。必死に総額を計算した由宇に、葵が代金を払う。
「注文なんだった?」
 戻った由宇にララが尋ねてくる。
「サンドイッチとニルギリのミルクティー、それとメニューここからここまで全部、だそうですー」
「まあ! それは急いで作らないと。ナナ、あなたも手伝ってちょうだい」
 ララは必死に料理を作り出した。
「はい、オムライスとクリームソーダ、あとはメニューここからここまでだったかしら」
「あの、最初のオーダーはサンドイッチとニルギリのミルクティーですぅ」
「あらそう、ごめんなさい。ねぇナナ、この間お店で見つけたアクセサリーなんだけど、やっぱり買っちゃおうかと思うのよね」
「また? ララは見る物全部ほしがるんだから」
 謝ってはいるものの、姉妹はおしゃべりに夢中になって、次に出てきたのはピロシキとコーヒーだった。
「これも違いますぅ」
「いいからいいから運んじゃいなさい。もう片方の注文は適当に作っちゃえばいいわね。どうせ全部なんだから、間違っててもばれないわ」
「そんなぁ〜困りますです」
 由宇は抵抗してみたが、その頃には2人は店の模様替えの話に夢中になっていて聞いてくれない。仕方なく、葵の前にピロシキとコーヒーを置いて逃げ帰ってきた。
「あれ、あたしが注文したのは……って、お店の人、忙しそうだね」
 間違っているから変えて欲しいとは言い辛くて、葵はピロシキをかじった。
 イングリットは次々に運ばれてくる注文を、どんどん食べている。注文が間違っているのかどうかなんて、きっと気にしていないのだろう。何が来ても無頓着に口に運ぶ。
 食べる、次が来る、また食べる、また次が……。
 イングリットの食べっぷりを見ている葵の方が食欲がなくなってくる。
「どしたの? 美味しいよ。食べないのならイングリットが食べてあげるにゃー」
「うん、じゃあお願い」
 葵はピロシキの残りをイングリットの方に押しやると、その食べっぷりを見守った。
「……グリちゃんって沢山食べてるのに、プロポーション良いよね……」
「葵も沢山食べればプロポーション良くなるにゃっ」
「ほんと? でもさすがにそんなに食べれないよー」
 見ているだけでも胸焼けがしてくるのだから、食べられるはずもない。
「にゃー、デザートが来たにゃー。いっただき…………にゃ?」
「あ、グリちゃん!」
 嬉しそうにデザートを食べようとしたイングリットの姿がかき消えた。元の世界に戻ったのだろう。せっかくデザートを食べていたのに可哀想に、と思っている葵の前にどん、と巨大パフェが置かれる。
「お待たせしましたー。冬山登頂パフェですぅ」
「えっ……ええっ?」
 まだまだ注文した品はやってくる。1人取り残された葵が目を丸くしているうちに、やってきたデザートでテーブルの上はみるみる埋まっていくのだった。
 
 
 
 時がゆったり流れる場所で
 
 
 
 クロネコ通りの噂を聞いて、すぐに姫神 司(ひめがみ・つかさ)は乗り気になった。
「ふむ。クロネコさんか……都市伝説ならぬ、森伝説と言ったところだろうか。面白そうだな。よし、グレッグ。そのクロネコさんとやらを探しに行くぞ! クロネコ通りを見てみたい」
「つ、司……私、あまり猫は得意ではないのですが」
 グレッグ・マーセラス(ぐれっぐ・まーせらす)の抵抗など何処吹く風と、司はグレッグを連れてイルミンスールの森へとやってきた。
「さて、どこにいるのだろう。グレッグ、しっかり探すんだぞ」
「はぁ……」
 猫と名の付くものを発見したくないグレッグは、視線を宙に泳がせる。出来れば見つけたくない、いや、絶対に目にしたくない。けれど……見たくないものほどよく見つけてしまう、という法則がこの世にはあるのだと思う。
「ひっ」
 ぽてぽてと走って行くクロネコさんを見てしまい、グレッグは小さな悲鳴を上げて視線を逸らした。が、その声はしっかりと司の耳に届き。
「いたか! よし追うぞ! 呪文は『トリック・オア・トリート』だったか?」
 クロネコさんを追って走り出した司をグレッグは慌てて追いかけ、その袖を軽く掴んだ。
「それはハロウィンですよ司。『トラップ・トリック・トリップ』です…………あ」
 呪文を唱えてしまった。そう気づいた時にはもうグレッグは司に茂みに引っ張りこまれ、クロネコ通りへと移動していた。
「森伝説ではなく、本当にあったんだな。店がいっぱいだ」
 司は満足げに町並みを見回すと、上機嫌で店先を見物しつつどんどん通りを歩いて行く。グレッグは深い深い後悔に囚われたが、来てしまった以上、自分の意思では帰れない。とぼとぼと司の後について行った。
 すべての店を覗いていく勢いで歩き回っていた司だが、何時間も経つとさすがに疲れてくる。
「喉が渇いてきたな。少し休みたいところだが」
「私は休みたいというより帰りた……」
「お、こだわりのティールームか。こだわりのある場所なら美味しいお茶が飲めるだろう。グレッグ入るぞ」
「あ……」
 司の口が入るぞと言った頃には司の身体はもう入っている。イエス以外の答えを返せるはずもなく、グレッグは司について店に入った。と、店内にゆったりと座って窓の外を見ている客が1人。
 司はろくりんピックのスタッフをしていた為、その体型は良く見かけていた。思わぬ所で会ったものだと、首を傾げながら話しかける。
「ブルーバーグか。そなた、こんな所で何をしているのだ?」
 窓から茶木を眺めていたキャンディス・ブルーバーグ(きゃんでぃす・ぶるーばーぐ)は、司の声に振り返った。が、こほんと咳払いしてしらを切る。
「人違いネ〜、ミーはエメナ・マ’マァクです」
「ふむ?」
 司はじろじろとキャンディスを観察した。青マスクに赤のショートヘアのカツラ、スーツを着てはいるけれど、どこからどう見ても、キャンディス・ブルーバーグその人に見える。
「同じ系列のゆる族ですが、ミーはそんな有名人じゃないワヨ」
 バレバレでもそう言い張るキャンディスに、これも何か理由があるのだろうと司は思う。ろくりんピックではマスコットとして奮闘したこともある。きっと『ろくりんくん』としての苦労もあったのだろう。
「まぁそういうのならそういう事にしておいてやっても良いが……」
「ああそうそう。キャンディスさんから、イルミンへ行くならとこれを預かってました」
 話を逸らそうというように、キャンディスは立てかけてあった箒を差し出した。
「あ、それは!」
 グレッグが手を伸ばして箒を受け取る。箒は借り逃げされた時のまま、取り付けた金具から自分の携帯がぶらさがっている。奪われる前と違うのは、箒の柄に『ろくりんくん』のサインが入っていることだ。
「ありがとうございます。お役に立ったのなら良かったのですが……大事にしますね」
 しっかりと箒を握るグレッグに、今日で一番嬉しそうだな、と突っ込みを入れておいてから、司はキャンディスの隣の席についた。
「いらっしゃいませ。何になさいますか?」
 外の茶木の手入れを一旦終えて店内に戻ってきたマスターが、手をふきふきやってくる。
「そうだな。では美味しいウーロン茶を頼む」
「はい、かしこまりました。少々お待ち下さいね。とびきり良い茶木を植えることといたしましょう」
 マスターは嬉しそうに頷くと、キャンディスに告げた。
「お客様の茶葉は、ただいま摘んで参りました。これがどれほど美味しい紅茶になるかと思うと心が躍ります」
「ほう、キャン……エメナは以前、茶を頼んでいたのか」
「エメナ……? 確かお客様のお名前はジャ……」
 怪訝そうに首を傾げるマスターを、キャンディスはカウンターへと押しやる。
「それは楽しみネ〜。早く飲みたいものですヨ」
「では、もう少々お待ち下さいませ」
 促されるままマスターはカウンターへと戻り、摘んできた茶葉の選定に入った。急がず慌てずのんびりと。けれど正確に丁寧に心をこめて。
 そんな様子を眺めていると、キャンディスの気持ちまでゆったりと落ち着いてくる。ろくりんピックの名残の騒がしさも、この店にまでは届かない。とろりと穏やかな時間の流れ。
 きっとまた今日もお茶を飲むことは出来ないのだろう。けれどぼーっとマスターの動きを眺めるキャンディスの心もまた、穏やかなのだった。
 
 
 客が来ては帰り。また新たな客が来て。
 そんな繰り返しの中、賑やかにティールームに入ってきた一団がいた。
「前に頼んでたヤツ!」
「前に頼んでたヤツ!」
 入ってくるなり、ラヴィニア・ウェイトリー(らびにあ・うぇいとりー)クロ・ト・シロ(くろと・しろ)は異口同音で口を開く。
「ええっと私は……」
 メニューはどこかと探すラムズ・シュリュズベリィ(らむず・しゅりゅずべりぃ)を指さして、ラヴィニアは
「ラムズも前に頼んでたヤツね」
 と注文した。
「はい、少々お待ち下さい」
 マスターの返事はいつも変わらない。マスターにとっての『少々』は、他の多くの人の『少々』とかなり隔たっているに違いない。
「ボク、ここに来るの3度目なんだよね。いい加減飲みたいよ」
 一体いつになったら飲めるのか、というラヴィニアにラムズがおっとりと笑う。
「それは大変ですね」
「そう言うラムズはここに来るの5度目のはずだよ。クロなんて呆れたことに9度目」
「そろそろ育った? 牛乳マダーwwww」
 クロが催促すると、マスターは目を細めた。
「順調に育っておりますよ。本当に可愛い乳牛ですので、よろしければ声をかけてやって下さい」
「かけるかよww ばっかみてーwwwwww」
 マスターの言葉を笑い飛ばすと、クロはラヴィニアの方に身を乗り出した。
「そういや贋物掴まされたんですっけ?wwww 転売目的で魔道書買い占めたラヴィニアさんwwwww」
「転売じゃないよ、卸売りしようと思ってたの」
 クロネコ通りで贋物を買って大損してからは、ラヴィニアはこのティールームで大人しくするようになった。実に高い授業料だった。
「そう言うクロだって、ムカシヤでラムズの私物買ったでしょ?」
 ラヴィニアがそう反論するのをクロは笑い飛ばす。
「ばっかww おまwww パーになる前のラムズの私物とか貴重なんだぞwwww」
「でもソレを買うって……正直どうなの?」
「『臍の緒』が出てきた魔女には言われたくねぇwww 子持ち乙wwwww」
「…………」
 黙り込んだラヴィニアを見かねて、ラムズが口添えする。
「きっとお母さん大好きっ子だったんですよ」
「マザコンじゃねーかwwwwww」
「子持ち説より、そっちであることを切実に願うよ……ボクは」
 はふ、とラヴィニアは息を吐いた。
「ところで……他に行くところはなかったんですか?」
 話題を変えようとラムズが尋ねる。
「もう行ったに決まってんだろwww バーローwwwww」
「……クソ猫と同意見なのは癪だけど、その通りだよ」
「そうなんですか……」
 注文したものが出てこないので、3人はとりとめもない話を駄弁り続けた。
 お茶のないお茶のひととき――。
 
 
 
「なぁ、どこに入るかねぇ?」
 クロネコ通りに来てからずっと、久途 侘助(くず・わびすけ)ぱあっちにふらふらこっちにふらふら。糸の切れた凧のようだと、芥 未実(あくた・みみ)は侘助の背を見ながらこっそり笑う。
 もしかしたらずっとこうして通りを歩いているんじゃないかと思ったけれど、やっと1軒の店の前で足を止めた。
「こだわりのティールームか。未実、のんびりお茶にしないか?」
「あぁいいねぇ。どんなお茶が飲めるのか楽しみだよ」
 ティールームに入ると、外の賑やかさが嘘のように静かな空間があった。
「いらっしゃいませ」
 マスターらしき男性が丁寧に頭を下げる。
 テーブルにも壁にもメニューらしきものが見あたらないので、侘助はマスターに尋ねた。
「この店は緑茶は置いてあるのか?」
「それはもちろん、お客様のご要望にあわせてなんなりとご用意させていただきます。巷ではそろそろ茶の木の植え付けに不向きな気候となって参りましたが、当店の庭は特別仕立て。どの時期におきましても、良い木が育ちます故ご安心下さい」
「そうか、じゃあ……って、栽培から始まるのか? うーん、なんという本格志向……恐れ入った」
「お褒めに与り光栄です」
 マスターは侘助に丁重に礼を述べた。
「未実、頼んでみるか?」
「そうだねぇ。緑茶を飲める日を楽しみに待つのも良いかもしれないねぇ」
 気が長くなりそうだ、と未実は笑った。
「なら、緑茶を2つ頼む」
「かしこまりました。少々お待ち下さいませ」
 注文を受けたマスターはカウンターではなく、中庭に通じる扉を開けて出ていった。
 マスターの姿が店内から消えても、客は何も載っていないテーブルを挟んで、思い思いに過ごしている。来店した客も心得たもので、マスターがいなくても気にせずにテーブルにつき、のんびりと待っている。
 そうして待つ時間さえ楽しむのが、この店での流儀なのだろう。
 庭で植え付け作業をしているマスターを、侘助はくつろうだ気分で眺める。
「次にクロネコ通りに来た時に、また寄らせて貰おう。それまでにいい緑茶が出来ているといいな」
 そう言ってから、それはどのくらい先のことなのだろうと侘助は考えた。
「……緑茶が飲めるようになった頃、俺はどうしてるんだろうな」
 パラミタは激動の時代を迎えている。この先どうなっていくのか、まだ見えない。
「緑茶が飲めるようになってる頃? 平和になってるといいねぇ」
 その為に多くの人が尽力しているのだから、としんみりしかけた未実は、ふと含み笑いをした。
「侘助は相変わらず、恋人といちゃいちゃしてるんだろうね」
「いちゃいちゃは認めるが、未実……そのにんまりはやめろー!」
 恥ずかしさに堪えかねて侘助がわめくと、未実の笑みは一層深まっる。
「あぁ、なんて楽しみなんだろうね」
 お茶が出てくるのには時間がかかるけれど、お茶を飲んでいる間だけがくつろぎではない。いつかこの店で飲める緑茶を楽しみに、侘助と未実はティールームでの時間を十分に楽しむのだった。