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開催、コミュニティフェスティバル

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開催、コミュニティフェスティバル

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14.百合園女学院サッカー&フットサル部

 
 
「さあ、百合園女学院サッカー&フットサル部主催、キックビンゴ一三時の部、そろそろ始まるよー」
 マイクを持った芦原 郁乃(あはら・いくの)が、観客たちにむかって叫んだ。
「あたるかなあ」
 ビンゴシートを持って、わくわくしながらルカルカ・ルーがダリル・ガイザックに聞いた。
「どちらかといえば、俺は蹴る側に回りたいがな。何かいい物があたるといいな」
 一応自分の分のシートを持って、ダリル・ガイザックが答えた。
「はーい、まだ参加間にあいますよー」
 ブースの前では、荀 灌(じゅん・かん)がビンゴシートを配りながら呼び込みをしている。
「一枚もらえるかな?」
 食事を終えた九条イチルが、荀灌に声をかけた。
「はーい。何枚ですか?」
 荀灌が、枚数を聞き返す。
「一応、三枚かな?」
 九条イチルが、後ろを振り返りながら、ちょっと苦笑した。
「食べ過ぎだよ」
 ふうふう言いながらお腹をかかえているハイエル・アルカンジェリを支えるようにして、ファティマ・ツァイセルが言った。
「何の。宣言通り、全種制覇したんや。こんくらい、なんでもあらへん」
「とりあえず、座って休みながらビンゴするよ」
 九条イチルが、二人をうながして、観客席に着いた。
「さあ、注目の一蹴り。キャプテン、お願いします。いっけー!!」(V)
 芦原郁乃の司会で、サッカー部のキャプテンが最初のキックを行う。
「おーっと、さすがです。ど真ん中の『1』をみごと蹴り破りました。キャプテンなんだか自慢げです。でもまだまだ最初です。調子に乗って外さないようにお願いしますよ。では、さらに注目の二蹴り目、お願いします!」
 軽快な芦原郁乃の司会に乗って、キックビンゴは順調に進んでいった。
 
 
15.秋葉原四十八星華ファンクラブ

 
 
「ははははははは!! あたしこそ黒の歌姫ロックブーケ! あたしの歌と、お色気でお客を釘づけにしてやるわ〜!」
 ほとんど申し訳程度の布面積しかない水着状態の黒いコスチュームを着たバーバラキア・ロックブーケ(ばーばらきあ・ろっくぶーけ)が、半ばやけになって胸を強調して叫んだ。続いて、怪しい歌を歌い出す。
「待て、その怪しい洗脳ソングをやめろ。パラミタのおっきいお友達は、この私が守る!」
 そこへ、教導団の制服姿の御茶ノ水 千代(おちゃのみず・ちよ)が、ステージへと駆けあがって登場した。
「こ、これは……」
 魔法少女をより理解できるかと、秋葉原四十八星華ファンクラブのステージを見学に来た緋桜ケイであったが、呆然と立ちすくむしかなかった。いろんな意味で、衝撃的なステージだ。
「うーむ、とてもコミュニティの運営について聞ける状態ではないですね……」
 たまさか緋桜ケイにくっついてくる形でここにやってきたゴットリープ・フリンガーも、ちょっと困惑する。
「このままじゃ勝てないわ。やるしかないわね……変身!」(V)
 わざとらしくやられた振りをして舞台そでにいったん隠れた御茶ノ水千代が、いそいそとアイドルコスチュームに着替えて再登場した。
「愛と勇気と平和を愛するアイドル、秋葉原四十八星華! ちゃ〜み〜。華麗に登場! 子供たちを惑わせる、黒の歌姫! 今日こそ改心させてあげるわ! 私の歌で!!」
「パワーだけはあるようですじゃのー。いけー、ちゃーみー!」
 なぜか、天津幻舟が、のりのりで応援する。
「私の求めているパワーと、パワーが違う気が……。そんなに興奮すると、血圧が上がりますよ」
 見かねて、ゴットリープ・フリンガーが天津幻舟に言う。
「うわああああ、その歌わあ。やられたあ。改心しました」
 ものすごい棒読みで、バーバラキア・ロックブーケが、あらかじめ御茶ノ水千代に手渡された台本通りの台詞を言う。
「さあ、会場のあなたも、秋葉原四十八星華と共に一緒に歌で世界を救いましょう!」
 どや顔で、御茶ノ水千代が叫んだ。
 天津幻舟以外がその歌を一緒に歌ったのかは、大音響の音楽と御茶ノ水千代の歌声でついに分からないままだった。
 
 
16.銃撃戦闘研究会ふたたび

 
 
「そこまで。ハイエル・アルカンジェリの勝利」
 白滝奏音が手を挙げた。
「よっしゃあ!」
 ハイエル・アルカンジェリが勝利の雄叫びをあげる。
「ば、馬鹿な……。なぜ今日に限って負け越す……」
 がっくりと地面に両手をついて、ミリオン・アインカノックが呆然とつぶやいた。
「はい、これをどうぞ」
 ヴェルディー作曲 レクイエム(う゛ぇるでぃさっきょく・れくいえむ)が、新たに王座に就いたハイエル・アルカンジェリに、その印として赤いマントと小さな王冠をつけてあげる。
「へえ、ハイエルもなかなかにやるもんだね。これで、また一歩前に進めるね」(V)
 九条イチルが、ちょっと感心する。
「さあて、勢いだけでどこまでいけるかだね。お祭りだから、相手も少しは手加減しているだろうし」
 ファティマ・ツァイセルが、冷静に分析した。
「よし、ではそろそろ、俺も戦うしかなさそうだねえ。本気を出させてもらうとするかな」(V)
 しばらくミリオン・アインカノックに任せていた天司御空が、ゆっくりと重い腰をあげた。
「さあ、かかってきなさい」