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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション

 エヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)ロートラウト・エッカート(ろーとらうと・えっかーと)メティス・ボルト(めてぃす・ぼると)も季保の仲間を確保する。
 エヴァルトは
「ティールセッター!」の掛け声とともにクリスタル状の物体を掲げてパワードスーツ姿に変身し、
「パラミティール・ネクサー!」
 改造槍の『パラテッカ』を繰り出す。
「本来なら、魔法や超能力は好まないのだが…活躍の為ならなんのその、だ。我が友の為に催されたパーティーを守るため、俺は戦う!」
 ロートラウトはパラミタバゲットで部下たちを撃退しようとする。

 圧倒的な不利の前にやけを起こしたのか、季保は隠し持っていたブレードを抜くと、山葉 涼司を狙って駆け寄る。生徒達が季保を確保しようとするが、まるで軽業のように空中を舞い、涼司めがけて突き進む季保。
「山葉 涼司、覚悟!」
「私が相手よ」
 涼司の側を守っていたリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)が涼司と季保の間に立つ。リカインと涼司はここしばらくの間、関係が悪化していたが、リカインは
「涼司君、やっちゃってもいい?」
「まかせる。…お前が何をしようとしているのか、何を企んでいるのか、俺は悟っているつもりだ」
「…あら、それは見当違いかもよ」
 悪辣なフリをするリカインだった。
 そしてリカインは盾でシーリングランスをおこない、パワーブレス+ドラゴンアーツ+ヒロイックアサルト、でシールドバッシュを繰り出す。
「く!」
 その一撃で季保の身体はふっとんだ。
「どうかしら? 私のシールドバッシュは」
「ちっ」
 と、季保は舌打ちすると、何かを思いついたらしく、地を蹴り上げるとまるで雑伎団のように空中を舞い、真言の背後をとり、喉元にブレードを突きつけた。
「このじじいの命がどうなってもいいのか!」
「くっ…」
「お爺さま!」
 真珠が必死の形相で季保につかみかかろうとするが、季保はその真珠を足蹴にしてしまう。
「きゃあ!」
「まこと! わしの大事な孫になにをするんじゃ!!」
 そう叫ぶと、喉元に突きつけられているブレードを持った季保の手をつかみ、真言は一本背負いをした。
「きゃあ!」
 季保は地面に叩きつけられてしまう。真言は真珠のもとへと駆け寄ると、その身体を抱え上げた。
「大丈夫か、真珠!」
「私は大丈夫です、お爺さまこそ」
「…もう許さない! 私をコケにする奴らは全員許さない!」
 季保は痛む背中を押さえながら、立ち上がるとチャイナドレスのスリットから足に装着していた爆破スウィッチを全て押した。
 会場のあちこちで爆破が起こる。そして阿鼻叫喚。…となるはずだった。しかし、会場の端で爆破が一つだけ、起こっただけだった。
「…な、何故、爆破しない!?」

「1個だけ、間に合わなかったか」
 会場のなかを走り回っていた天城 一輝(あまぎ・いっき)は、息を切らせながら呟いた。
「はんだ付けセット」のニッパを使い処理してまわっていたのだ。スキル「破壊工作」「博識」「情報攪乱」を爆弾処理に使った。ウェイトレスの格好をして会場に潜り込んでいたコレット・パームラズ(これっと・ぱーむらず)は銃型HCで季保の動きを一輝に知らせていた。
 先ほど見つけた爆弾は急だったため、処理しきれず、急ぎ駆けつけたコレットから受け取った毛布を全て被せ、自分の身を乗せて処理をしたのだ。
「手榴弾程度なら、浮き上がる程度の衝撃はあるが無事らしい…とはいっても、衝撃はきついぜ」
 ゴホゴホ、とむせこむ一輝。
「自分の身を挺するなんて、無謀すぎるよね」
 コレットは顔をしかめる。
 そこに季保たちの部下が報復とばかりに一輝を狙ってきた。
 ユリウス プッロ(ゆりうす・ぷっろ)はあらかじめ、テーブルクロスをマントのように被せて隠しておいたフェザースピアとタワーシールドを使い、フェザースピアを投げて一輝を季保たちの部下から救った。

 振り袖姿の赫夜も、季保の部下たちと戦っている。想像していた以上に数が多く、パーティ会場外からも部下たちが駆けつけてきたようだった。
「赫夜さん、危ないよ! そんなことは僕に任せて」
 理がそういうが、赫夜は聞かない。
「理さん、大丈夫だ」
「仕方ない、僕もお手伝いしよう」
「私も赫夜と戦うよ!」
 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)が周の背中を蹴って、空中から颯爽と現れた。
「いって! ひでえなあ、美羽!」
 周の抗議は無視して、美羽は笑顔で赫夜に駆け寄る。
「久しぶり! 赫夜!」
「美羽さん!! 元気だったか!?」
 赫夜は真言に借り受けていた藤野家に伝わる剣、八重垣の剣を振るいながら、美羽と語り合う。ある意味、とてもおかしな光景ではあった。二人の少女が軽々と剣を振るいながら、談笑しつつ、季保の部下たちをなぎ払っているのだから。
「物凄く元気!【西シャンバラ・ロイヤルガード】に任命されたんだよ!」
「それは大した出世だ!」
「それがさ、東シャンバラのロイヤルガードに、あのにっくきシャムシエル・サビク(しゃむしえる・さびく)が所属しているんだよね。むかつく!」
「そうか、あのシャムシェルが…」
「ねえ、赫夜のコイバナ聞かせてよ!」
「そ、それは」
「恥ずかしがる必要ないよ〜」
「もうちょっとだけ、待ってくれ。今日中にはきちんと答えが出せるから」