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十人十色に百花繚乱、恋の形は千差万別

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十人十色に百花繚乱、恋の形は千差万別
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第二十一篇:レン・オズワルド×フリューネ・ロスヴァイセ
「そうか。それは大活躍だったな」
 カウンターにショットグラスを滑らせ、フリューネに酒を渡すと、レン・オズワルド(れん・おずわるど)は微笑んだ。
 空峡の蜜楽酒家。いつもは反目し合っている空賊たちもこの店では酒と料理と音楽を楽しむ。ここでは争いは御法度なのだ。
 レンはそこの雇われマスターとして、いつもフリューネの帰りを待っている。
 彼とて戦いの心得は十分にある。だから、一緒に戦うことは勿論出来る。
 しかし彼女が戻る場所を守ってやるのも大切な仕事だ――少なくとも、彼自身はそう考えていた。
「それじゃ、今日はどこから話そうか?」
 いつも通り、空賊を退治して帰ってきた彼女がその報告、即ち冒険譚をレンにする。
 今夜も楽しい夜になりそうだった。