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フラッグ争奪! 勝つのは西か、東か!?

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フラッグ争奪! 勝つのは西か、東か!?

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ぶつかる火花

 空飛ぶ箒シュヴァルベに乗っているゴットリープ・フリンガー(ごっとりーぷ・ふりんがー)とヴァルキリーである天津 幻舟(あまつ・げんしゅう)は自らの背に魔法翼を展開して空中に滞空している。
 その二人が見る先には小型飛空艇オイレに乗っている洋とみとがいる。

「みと、準備は良いか?」
「はい……」

 洋のサイコキネシスで動きを鈍くさせたところを、みとのパッフェルカスタムのエアーガンでゴットリープと幻舟に撃ちこまれていくが、ゴットリープと幻舟のイナンナの加護とスウェーで弾は当たらない。

「うー、なかなか当たらないですね」
「弾幕を張る時と精密に狙う時の感覚は違うからな。頑張って身体で覚えろよ」
「はい!」

 みとの銃撃は続く。


 そんな中、洋たちとゴットリープたちの空中戦闘を空飛ぶ箒ファルケに乗った、袖口に赤いラインの入った白いフードワンピースを着たアニス・パラス(あにす・ぱらす)が見ている。

『うわー。和輝、すっごい銃撃戦だよ。ウテナさんの為にも記録記録〜♪』

 洋たちとゴットリープたちの空中戦闘状況を事細かに精神感応を使って地上にいる佐野 和輝(さの・かずき)伝えるアニス。

『細かく言ってくれるのは助かるが、ちゃんと周囲に気は張っておけよ』
『分かってるよー』

 和輝との会話を楽しみながら記録を続けていると、殺気看破でみとの撃った流れ弾が飛んできたのに気付くアニス。

「うわぁ、にっげろ〜♪」

 楽しげにその場から逃げていくアニス。
 アニスにも当たらなかった銃弾は山の壁に当たり、雪を赤く染めて役目を終えたのだった。

「ふぅ、あぶなかった〜」
『だから気を張っとけと言っていただろう?』
『ごめんごめん、次は気を付けるよぉ』
『そうしてくれ。じゃ、もっと中心部へ行くぞ』
『わかったー』

 和輝とアニスは中心部へ向けて移動していく。


 所戻って現在戦闘中の空中戦。
 相変わらずみとの銃撃を避け続けているゴットリープと幻舟。

「相手のサイコキネシスからのエアガン襲撃はキツイね……」
「そうじゃな。じゃが、今度はこちらから攻めさせてもらおうかの!」

 幻舟はブレイドガードで弾を弾くとバーストダッシュで急加速し、スタンクラッシュで洋とみとを同時に攻撃した。
 バランスを崩したオイレにゴットリープのタービュランスが当たり、オイレは墜落していく。

 周囲に増援が無いかホークアイで確かめるゴットリープ。

「うん。まわりに敵はいないみたいだね」
「ではもう少し奥の方へ進むとするかの」

 戦場から移動していくゴットリープと幻舟。



◇          ◇          ◇




 煙を上げているオイレから脱出した洋とみとの元へ救助部隊のマーゼンたちがやってくる。

「あたし、向こうに敵がいないか見てくるね!」
「オレも飛鳥ちゃんと一緒に行ってくるわ」
「飛鳥君、羅儀君。雪庇を踏み抜いて落下する危険もあるため例え敵を発見しても慎重に進む事。急いては事を為損じるという言葉もありますから」
「分かった! ありがとね」

 ポータラカスキーブーツでスムーズに移動していく飛鳥。遅れながらも置いて行かれないようついて行く羅儀。
 周囲に積もっている雪で壁を築き、<氷術>をかけて氷の防壁を作っていくマーゼンたち。
 アムと洋、みとを中心に銃器を構える白竜と女王の楯で構えるマーゼンが襲撃に備えている。
 無言で治療を始めるアム。

「離脱者に手当てなどしても意味はなかろう」
「洋様、そのようなことを言わず手当てを受けて下さい。小さな傷でも戦場では命取りになりますよ」
「ふん。まぁ一理あるな」

 あらかた治療を終えたマーゼンたちのところへ飛鳥と羅儀が戻ってくる。

「敵はいなかったみたいだね」
「こっちも誰もいなかったぜ」
「そうか。では移動を始めるぞ」

 マーゼンたちは防衛ラインの再構築の為に移動を始めた。

「屈辱だがこれを付けるか」
「そうですね。間違われてまた襲われるなんて嫌ですし」

 洋とみとは訓練が始まる時に渡されていた『離脱者』と赤く書かれたプレートを首に下げた。

「さて、私らはこれで離脱者となった訳だ。加勢も出来ぬのだ、時間を有効活用しようじゃないか。みと、私に魔法のことを教えてくれ。なんだったら講義場所はベッドの中でも歓迎だが」
「そうですねえ。ベッドの中の特別講義もいいのですが、そんなこと言っているとリア充くたばれと皆さんに狙われますよ。味方からも」