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チャイルド☆パニック

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チャイルド☆パニック

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『地雷を避けて向こう側へ行ってね!』

 伸び放題の草やツタが絡んだ木々が生えている部屋に入って来た三つ葉たち。

「この部屋まで使うなんて……バカユナ」

 ミオは誰にも聞こえないようにユナに向かって呟いた。

「あまりここに生えてる樹とか触んない方が良いでしょう。ウルシにヌルデ、イチジクとかも生えてますし、触らない方が身の為ですよ」
「ウルシにヌルデは確かウルシ科で、肌がかぶれるんですよね。でもイチジクも危険なんですか?」
「枝や葉を触るとかぶれるタイプではないのですが、葉を折った際に出てくる白い液体がかぶれの元になるんです」
「へぇー、うち肌弱いから気をつけないと……髪が当たるだけで赤くなるし……」

 ちょっとした風雅の豆知識を全員頭に入れ、超感覚を持っているルナとリリスをリーダーにこの課題を突破することになる。

「あの駄猫と一緒に指示出しなんて……」
「あんだよ、嫌ってんなら別に指示出しなんてしなくていいんだぜ? あたしひとりでも出来んだしよ」
「……誰がしないと言いました? 早合点も良いところです。あ、りーと様に白百合様、前方に注意して下さい!」

 冷やかにルナを見て、リリスはりーとと白百合に危険を知らせた。

 互いにいがみ合いながらも危険が無いように三つ葉たちを導いて行くルナとリリス。

「おい! そこは行くな!!」
「は?」

 ルナの制止は遅く、やきょんを乗せたガーゴイルは地雷を踏んでしまう。

―――ボゴンッ!!

 砕けるガーゴイル。やきょんはガーゴイルを蹴ってすぐに離れた場所へ着地した。

「あら、ルナは先ほどひとりでもできると言いませんでしたか?」

 くすりと笑うリリスに食ってかかるルナ。

「はぁ!? なら、若干ウルシにかぶれてるリリスちゃんはどうなんだよ?」
「こ、これは不可抗力というもので……それを言うならルナだってあちこち傷だらけではありませんかっ」

 お互いにどこをどう失敗したかと言い合うルナとリリス。


「いい加減にしなさい!」


 突然のミオの大声に言い合っていた二人は口喧嘩を止めてミオを見る。三つ葉たちも驚いてミオを見ている。

「聴こえてるでしょう! ユナ、こんなことして怪我人が出たらどうするの!」
「あ、あのミオさん……?」

 天井に向かって叫んでいるミオに恐る恐る声をかける蒼牙。

「こんなの楽しいイベントなわけないでしょ! これ以上イベントを続けるようならただじゃおかないわよ!」

 くるりとミオは三つ葉たちの方に振り返った。

「ごめんなさい。特にやきょんさんは……あたしの妹のせいで未遂でしたが怪我をさせてしまうところでした」

 深く頭を下げるミオ。

「あの、説明してくれませんか。キミはこの企画について深く係わっているみたいなので」
「そうね。でも、まずはあの子を叱らなければあたしの気がすまないから。全部話すのはもうちょっと待って」

 ミオは部屋の隅にあるパネルを開けて何やら操作すると、ドアを開けた。

「ここからはあたしが案内するわ。付いてきて」

 ミオを先頭に三つ葉たちはモニタールームへ向かう。
 それからは危険な課題はなく、まっすぐモニタールームへ行くことができたのだった。