リアクション
終章 そして、花火が一発
「アーデルハイトー!!」
嬉々とした顔で、数種の海草を手に現れたのは、今まさにリースたちが探しに行こうと話し合っていたゲブーだった。
名を呼ばれたアーデルハイトがあからさまにいやな顔をする。
「俺様が厳選したこの海草で、そのちっぱいを大きくして見せるぜー!」
「おまえ、授業のハーブはどうしたのじゃ?」
とっさに庇うように立ったザカコの陰から、アーデルハイトが念のために問う。
「んなもんよりもこの海草の効果をそのちっぱいで実験する方が大事だろ!」
「…ということは、採ってきてはおらんのだな?」
「いいから照れずにそのちっぱいを…」
そう言って一歩近付いたゲブーの足が、宙に浮く。
「あらかじめ言っておいたはずだがのう…これは遊びではなく、授業じゃと」
杖を掲げ、アーデルハイトは低い声で言う。
「遊びじゃねえよ! 俺様は真剣に嫁のおっぱいを大きくしてやろうと」
「おまえの真剣なぞ知らぬわ。課題のハーブを取ってこず、尚且つバーベキューの準備にも顔をださなんだ。…覚悟は、できておろうの?」
信頼しているザカコや、子孫の友人であるルカルカ、カルキノスがいるからか、どこか強気なアーデルハイト。
ゲブーはどんどん宙に浮いていく自分の身に危険を感じたが、もう遅い。
「おしおきじゃ!!」
怒声と共に放たれた炎が、ゲブーの目の前で爆発し――
「あべしっ」
パラミタ内海の夕暮れの空に、かなり不恰好な花火が一発、あがった。
GM星積 椿です。
この度は、私の初シナリオ「海の香草」にお付き合いくださいましてありがとうございました。
アクションをいただいた時は嬉しさとプレッシャーで挙動不審になってしまいましたが(笑)無事に終わらせることが出来、ほっとしております。
素敵なアクションばかりで、書いている当人は非常に楽しく執筆させていただきました。
皆様にも、楽しんでいただけたならば幸いです。
それでは、また次回のシナリオでお目にかかれることを願いつつ。
ありがとうございました!