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胡蝶の華『夢紡』

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胡蝶の華『夢紡』

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8、そして新たな物語が始まる

「ふぅ〜。普段は芸能関係でプロデュースする側やけど、ここしばらくは『夏雫』のおかげでステージに上がる側に立たせてもらったわ。ま、これもええ経験やな♪ 今度はウチのアイドル達にも舞いをやらせてみるのも面白いかもしれへんね♪」
「凄いな……日下部は芸能会社の社長か?」
 葦原明倫館近くの飲食店で。若葉達は小さな打ち上げを開いていた。
「お疲れさまでした! すっごく素敵でした!」
「ありがとう、陽菜都さん」
「まさかあたしが少女を演じるなんて思わなかったから最後はすっごく緊張したよ〜。でも無事に終わって良かった!」
 陽菜都とゆかり、マリエッタの隣では理知と翔が会話を交わす。
「翔くん、舞いって凄く綺麗だね! 和風な感じなのかなって思ったから最初はびっくりしたよ」
「楽しめたなら良かった。しかし、『夢紡』は『夏雫』と随分違う趣向だったな」
「そうだな。俺もてっきり辻永と同じく和風な雰囲気かと思ってたぜ」
「私もです……。脚本を見た時はちゃんと舞えるか不安でしたが、上手くいって良かったです……」
「中々に面白かったぞ。礼を言おう、若葉」
「ありがとう。でもこれはみんなのお陰よ。だから今日は舞い人だけじゃなくて、ネタを提供してくれたみんなも招待したの。胡蝶の華『夢紡』は大成功だわ」
「フィーネさんと私まで打ち上げに呼んでもらってありがとう。舞い人のみんなもお疲れ様!」
「素敵な物語がたくさん見れて、幸せです」
 笑顔が咲く。たくさん、たくさん。終夏と社、悲哀とルカルカも微笑んでグラスを手にとる。
「耀助さん、舞にご興味があったなんて……知りませんでした。胡蝶の華『夢紡』は如何でしたか?」
「もっちろん、楽しめたぜ! 悲哀ちゃんの舞い姿に見惚れてたよ」
「悲哀、こんな軽い口調で言ってるけど耀助ホントに見惚れてたから!」
「えっ……!?」
「私もやっしーの舞い姿に惚れ直しちゃった」
「ほ、ほんまに!?」
 こっそり耳打ちする終夏に飛び上がる勢いで社が立ち上がると、若葉は苦笑した。そしてグラスを手にとると、それを掲げる。
「みんな、今日は本当にお疲れ様。みんなと舞いが出来たことを誇りに思う。これからも私は新たな舞いを創り続けるわ。また機会があったら、みんなと舞いたいな。……じゃあ、胡蝶の華『夢紡』の成功を祝って、乾杯!」
 グラスがちりん、ちりんと擦れて心地よい音が響く。
 ――ありがとう。みんな。
 若葉は少し目を潤ませながら、くいっとジュースを飲みほした。




 舞い人は、例えるなら蝶。
 色とりどりの蝶が集まって、1つの物語を紡ぐ。
 その物語は人々に夢を見せる為に語り継がれ、いつしか大きな大輪の花となる。

 舞いの世界に新たな歴史を刻んだ舞い人、そして物語の導き手達。
 彼らの名は、きっと後世まで語り継がれることだろう。



担当マスターより

▼担当マスター

久遠奏唄

▼マスターコメント

久遠奏唄です。胡蝶の華『夢紡』のリアクションをお届け致します。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

梅雨の宴『夏雫』、悲劇の歴『磔天女』、そして胡蝶の華『夢紡』
以上、舞いシリーズは3部で完結となります。
長くに渡りお付き合いくださり、ありがとうございました。

最後なので「とにかく見せ場を! 格好良いところを! 可愛いところを!」という思いで執筆致しました。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
次回のシナリオでも、またお目にかかれますように。この度は胡蝶の華『夢紡』にご参加頂き、ありがとうございました。