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東西統一記念ロイヤルガード合コン

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東西統一記念ロイヤルガード合コン
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■□■3■□■ リンネ

そのころ、リンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)の前には。
立川 るる(たちかわ・るる)がいた。
「はい、リンネちゃんの分の西ロイヤルガード権!」
るるに、西ロイヤルガードのマントを渡されて、リンネは顔を輝かせる。
「えっ、るるちゃん、これって?
もしかして、東ロイガの人とカップルになれるように……」
「うん!」
るるは力強くうなずき、続けた。
「リンネちゃん、ちゃん誘いなよ!」
「え?」
衝撃のあまり白くなるリンネだが、るるは気づいてない。
(うんうん。
リンネちゃん、こういうことは疎そうだから、
るるが後押ししてあげなきゃ。
それに、るるが大学デビューしたとき、
リンネちゃんと王ちゃんがつきあってれば、リンネちゃんが大学に遊びに来てくれるかも!)
そんな一部、ちょっと不純っぽい動機も混ざってはいたものの、
るるが王 大鋸(わん・だーじゅ)をプッシュする気持ちは本物だった。
「だってまず、人間性がピカイチでしょ?
見た目はモヒカンでちょっと怖いけど、面倒見がいいし。
孤児院の子ども達のこともすっごくかわいがってるみたいだよ。
そのために大学で福祉のお勉強して、将来の目標に向かってがんばってるし。
ホラ、リンネちゃんも【魔法の復権を目指す!】でしょ?
切磋琢磨してお互い高め合っていける関係だよー」
「あ、あのね、るるちゃん、リンネちゃんには……」
「大丈夫大丈夫!
るるにどーんと任せといて!
それに、リンネちゃんが西ロイヤルガードになれば、
超ババ先生の意志を尊重することにもなるしね」
「だからね、リンネちゃんには……」
「気にしなくていいよ! るるとリンネちゃん、親友だもん!」
と、そこに、大鋸と、音井 博季(おとい・ひろき)が現れた。

「えっ、博季くん!」
リンネが驚いて声を上げる。博季は、西ロイヤルガードのマントを羽織っていたのだ。
「あっ、おーい、王ちゃーん!」
るるは空気を読まずに手を振る。
「王ちゃーん、リンネちゃんが王ちゃんとつきあいたいって……!?」
「ごめん、るるちゃん!
これ、あげる!」
リンネは、るるに西ロイヤルガードのマントを押し付けると、炎の魔法を唱えた。
「ファイア・イクスプロージョン!」
「きゃあああああああああああああ!?」
「な、なんだァー!?」
るると、巻き込まれた大鋸は、思いっきりぶっ飛ばされる。
そして、リンネは博季に駆け寄る。
「あ、あとで結果だけメールして教えて!」
「どうして俺様までー!?」
るると大鋸はお星様になった。

★☆★

「博季くん……西ロイヤルガードになってくれたんだ」
「少し、お話させてください」
リンネと博季は、2人で見つめあう。
「聞き飽きたかも知れませんけど……。僕、リンネさんのこと大好きです」
「うん」
「僕が、リンネさんの事が好きって気持ちを伝えて、
リンネさんは喜んで受けてくださって……。凄く嬉しかった」
「うん……!」
「でもこれから、リンネさんのお傍に、もっとお傍に居たいんです。誰よりも一番近くに」
博季は、紅潮したリンネの顔を見つめ、両手を取った。
「リンネさんのこと、世界で一番幸せにして見せます。誰よりも貴女のことを愛します。
……例え何があっても、貴女のこと、裏切りません」
博季は続ける。
「何度も貴女に伝えたいです。
世界で一番大好きです──いえ、愛してます。リンネさん」
「ありがとう、博季くん!
……大好きだよ!」
リンネは、飛びつくように博季に抱きついた。
博季とリンネは、しばらくそのまま抱き合っていたが。
「ここ、冷えませんか?」
「そうだねー。じゃあ、ヴァイシャリーの街に行こうか?」
リンネが上目づかいに博季を見つめる。
こうして、2人は、夜のヴァイシャリーの街に消えた。