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第2試合

 
 
『第2試合に参りたいと思います。
 イーブンサイド、葛葉杏、橘早苗、レイヴンTYPE―C
 オッドサイド、グラルダ・アマティー、シィシャ・グリムへイル、アカシャ・アカシュ
 舞台は緑豊かな草原です。
 ゆっくりとフィールドに現れたレイヴンTYPE−Cが、丘の上に機体を固定します。そこから、遠方にマントをたなびかせて威風堂々と立つアカシャ・アカシュにむけてミサイルを一斉発射しました。
 白い煙を轢きながら、六基のミサイルが飛んでいきます。だが、アカシャ・アカシュ動じない。おおっと、華麗にマントを振るとミサイルを払いのけた。あらぬ方向へと弾かれたミサイルが空中で爆発します。
 その爆炎を背後に残して、アカシャ・アカシュが飛び出した。一気にレイヴンTYPE−Cにむかいます。
 レイヴンTYPE−Cの両腕から、ガトリングガンの弾幕が容赦なくアカシャ・アカシュに降り注ぎます。アカシャ・アカシュ、前方に構えたシールドで銃弾の雨を凌ぎつつ、さらに加速した。
 カナンの聖剣から発せられた攻撃が、レイヴンTYPE−Cを襲う。
 耐えました!
 なんとか、レイヴンTYPE−Cのビームシールドがアカシャ・アカシュの攻撃をはねのけます。
 けれども、アカシャ・アカシュの突撃は止まらない。レイヴンTYPE−Cもクレイモアを抜いて身構える。
 今、双方の剣が正面からぶつかり合った。
 おおっと、パワーが違うか。レイヴンTYPE−C、斬り負けました。機体の半分ほどを大剣に持っていかれて転倒します。
 勝負ありました、アカシャ・アカシュの勝利です』
 
 
第3試合

 
 
『さあ、第3試合は、イーブンサイド、エリシア・ボック、御神楽陽太のフィーニクス
 オッドサイド、氷室カイ、サー・ベディヴィアの月詠
 舞台は、空峡浮遊岩塊群となります。
 青いシルエットの月詠、岩塊の一つに立ち、マントをはためかせながら敵を待ち構えます。
 今、雲海の上を真紅のフィーニクスが雲を蹴たててやってきました。雲海に足をつけるようにして今変形します。同時にツインビームライフルで先制攻撃です。
 素早く跳躍して避けた月詠の乗っていた岩塊が木っ端微塵に吹き飛びます。けれども、素早い動きの月詠、すでに他の岩塊の上だ。ツインビームサーベルを抜刀し、軽々と岩塊を移動していきます。それを追うようにして、フィーニクスがツインレーザーライフルの乱れ撃ちだ。心なしか楽しそうなのは気のせいでしょうか。
 おっと、月詠の姿が見えない。岩塊が吹き飛ぶ破片に紛れて、迷彩マントで姿を隠したようです。
 フィーニクスあわてて周囲を索敵するが、浮遊物が多くて敵を特定できない。
 おおっと、フィーニクスの主翼が吹き飛んだ。いつの間にか接近していた月詠からレーザーバルカンの攻撃を受けたようです。
 姿を現した月詠、ダブルビームサーベルでフィーニクスに斬りかかる。それに対して、フィーニクスが思い切りよくツインビームライフルを投げつけた。月詠が飛んできたライフルを斬り払う間に、フィーニクスもツインビームサーベルを抜刀する。
 これは珍しい、ダブルビームサーベル同士の激しい斬り合いだ。左右の剣を同等に使いこなすエリシア・ボックパイロットがやや有利か? 
 巧妙に時間差攻撃で、月詠の装甲の薄い部分を狙う。いや、月詠の全身が輝きだした。エナジーバーストです。展開したバリアで致命的であった攻撃をかろうじて弾き返します。フィーニクス、やや後退した。ダブルビームサーベルを機体前方でクロスさせた月詠が一気に突っ込む。フィーニクス避けられない。そのまま胴部を真っ二つにされる。
 青き彗星となった月詠の通りすぎた背後でフィーニクスが爆散する。
 勝負ありました、月詠の勝利です』
 
    ★    ★    ★
 
「あーあ。負けちゃったけど、おにーちゃんもおねーちゃんも頑張ってたよね」
「ええ、そうですね。褒めてあげましょうね」
 メインスクリーンで試合を見守っていたノーン・クリスタリアに、御神楽環菜が言った。
 そこへ、シミュレータを出て来たノーン・クリスタリアと御神楽陽太が帰ってくる。
「ふう、致し方ありませんわね」
「精一杯戦えたので満足でしょう?」
「まあ……、そうしておきますわ」
 そう御神楽陽太に答えると、エリシア・ボックがノーン・クリスタリアたちを見つけて大きく手を振った。