リアクション
準決勝戦組み合わせ グレイゴーストII vs メイクリヒカイト‐Bst キング・王・ゲブー喪悲漢 vs バルムング 『さあ、いよいよ今大会も大詰めが近づいてきました。いよいよ、5回戦、準決勝の開始です。 第一世代機最強の機動性を持つと噂される玉霞をベースとし、多彩な攻撃パターンでここまで勝ち進んできたグレイゴーストIIが勝つのか。 はたまた、第二世代機の雄であり、今大会最高速度8を誇るメイクリヒカイト‐Bstがまたもや電光石火を見せてくれるのか。 続く対戦では、もはや色物は色物ではない。悪運と狡猾さでのし上がってきましたキング・王・ゲブー喪悲漢か。 はたまた、可変型機で唯一ここまで生き残りました、スフィーダタイプの真の力を示すことができるのか、バルムング。 どちらの戦いも目が離せません』 第1試合 『準決勝、第1試合を始めます。 イーブンサイド、ローザマリア・クライツァールパイロット、フィーグムンド・フォルネウスサブパイロット。二人の乗る愛機はグレイゴーストIIです! オッドサイド、フェルクレールト・フリューゲルパイロット、十七夜リオサブパイロット。二人の乗る愛機はメイクリヒカイト‐Bstです。 舞台は、海京となります。 さあ、準備はいいでしょうか!』 試合開始の合図と共に、海中の輸送艇から発進したグレイゴーストIIが空中へと飛び出してきた。 それに対して、天沼矛から発進したメイクリヒカイト‐Bstが、ベイパーコーンを発生させつつ、超音速で敵ポイントへとむかう。 「きたわね。霧隠れ、発動よ!」 ローザマリア・クライツァールの号令一下、グレイゴーストIIが海面近くでグルグルと回転を始めた。それに吸い上げられるかのように水柱が立ち、海面を覆う霧となってグレイゴーストIIの姿を隠してしまう。 『――敵機ロスト。でも、あの中にいるはず。いちおう、海中も警戒して』 『――了解』 俯角をとって、フェルクレールト・フリューゲルがレーザーバルカンを弾幕として散らしながら霧周辺に撃ち込んだ。 ビームが返礼として霧の中から飛んでくる。 『――ターゲットロック!』 ビームサーベルを抜いたメイクリヒカイト‐Bstが、グレイゴーストIIの想定位置に突っ込んでいった。だが、予想に反して霧の中からグレイゴーストIIが飛び出してくる。 素早くメイクリヒカイト‐Bstが軌道を変更した。逃がしはしない。 そのとき、突然グレイゴーストIIの前に魔方陣が現れた。それを通過したグレイゴーストIIの機体が、瞬間的に機体一つ分横にずれる。 『――そんな!』 唖然としながらも、十七夜リオが回避運動をとり、フェルクレールト・フリューゲルが斬り下ろしたビームサーベルを素早く切り返した。その切っ先が、グレイゴーストIIの脚部装甲をかすめる。装甲を切り飛ばされて、グレイゴーストIIの右足の内部機構がむきだしとなった。 だが、追撃しようとしたメイクリヒカイト‐Bstの機体が、突如空中分解を起こして爆発した。すれ違い様に、グレイゴーストIIからファイナルイコンソードの一撃をもらっていたのだ。 ★ ★ ★ 『勝者、グレイゴーストIIです!』 ★ ★ ★ 「あっちゃぁ〜、情けないな、こりゃ……」 「無念」 後一歩で決勝というところだったので悔しさもひとしおであったが、手加減はしていないので仕方ない。 「まあ、いい訓練になったというところだね」 十七夜リオが言うと、フェルクレールト・フリューゲルが静かにうなずいた。 ★ ★ ★ 「今のはよいデータがとれました」 試合を観戦していたエシク・ジョーザ・ボルチェが、ローザマリア・クライツァールに告げた。 「対イザナミ、イザナギ用に、しっかりとデータを取ってちょうだい。他のイコンに後れを取るわけにはいかないのよ」 ローザマリア・クライツァールは、そうエシク・ジョーザ・ボルチェに再度申しつけた。 |
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