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第3試合

 
 
『では、第3試合に移りましょう。
 イーブンサイドは、プラヴァー高機動パック仕様です。
 オッドサイドは、グラルダ・アマティー(ぐらるだ・あまてぃー)パイロットとシィシャ・グリムへイル(しぃしゃ・ぐりむへいる)サブパイロットの乗るアカシャ・アカシュです!』
 シャレード・ムーンの言葉と共に、ステージの大地が左右に開いて、中からアカシャ・アカシュがせり上がってきた。フロアに大型のシールドと盾を突き立て、両腕を組んで仁王立ちのスタイルである。
敵性勢力を確認
相手してあげるわ
 コックピットの中に、警戒音が響き渡る。イコンと同様のポーズでパイロットシートの上に立っていたシィシャ・グリムへイルとグラルダ・アマティーが素早くシートについた。
 腕組みを解いて盾と剣を取ったアカシャ・アカシュにソニックブームが叩きつけられる。真紅のマントが大きく翻った。
 遥か上空に白い飛行機雲が見える。それがクンと方向を変えた。
「来るよ!」
 グラルダ・アマティーが、アカシャ・アカシュに剣を構えさせた。
「敵補足。予想攻撃軸送ります」
「来させないよ!」
 グラルダ・アマティーが、カナンの聖剣を振った。直前に、プラヴァーがガクンと高度を下げる。空を切った斬撃が、プラヴァーの残した飛行機雲をむなしく斬り裂いた。その間に、急降下したプラヴァーが、地上すれすれで水平飛行に移って突っ込んでくる。
 盾で身構えるアカシャ・アカシュを、プラヴァーのMVソードが横に薙いだ。激しい火花が散り、アカシャ・アカシュが衝撃で数歩後退る。盾には、大きく傷が穿たれていた。
 機体のサイズ差から、アカシャ・アカシュを転倒させるまでには至らなかったものの、素早く切り抜けていったプラヴァーが再び高度をとる。
痛いわね何すんのよ!
立てなおします
 悪態をつくグラルダ・アマティーに、シィシャ・グリムへイルが告げた。バランサーを調整し、次の接敵に備える。
「早けりゃいいってもんじゃないよ」
 再び地上すれすれを突っ込んでくるプラヴァーに、グラルダ・アマティーがアカシャ・アカシュを身構えさせた。むしろ、こちらからも突っ込んでいく。
「タイミング計ります。どうぞ」
「プレゼントだよ!」
 突っ込んでくるプラヴァーに、アカシャ・アカシュが盾を投げつけた。あっさりと、プラヴァーがMVソードで弾き退ける。
「遅い!」
 プラヴァーのMVソードが返る前に、さらに一歩突っ込んだアカシャ・アカシュがカナンの大剣を真正面から叩き下ろした。ぐしゃりと潰されつつ真っ二つにされたプラヴァーの機体が、左右に分かれてアカシャ・アカシュの後方へと吹っ飛んでいく。直後に、二つの爆発が、アカシャ・アカシュの機体を背後から照らした。
「敵性勢力消滅を確認」
「ふふ、まっ、当然ね」
 シィシャ・グリムへイルの報告に、グラルダ・アマティーが軽く襟足をかきあげながら言った。
 
    ★    ★    ★
 
『勝者、アカシャ・アカシュです!』