リアクション
13)緋桜 ケイ(ひおう・けい) ★☆★ 「次はわらわが答えるとしよう」 ソファでぐったりしているケイの隣で、 カナタが質問に答え始める。 「緋山 政敏さんの質問です。 地球の方々にも皆さんのお勧めのスポットとか 以前行ったけど、今どうなってるのかなーとか気になる場所をご紹介頂けませんでしょうか」 「お勧めスポットか…… イルミンスール魔法学校を学び舎に持つ者としては、やはり大図書室をアピールしたいところよ」 「まあ、どんなところなの?」 「学内にある大図書室は、一つの巨大な迷宮となっておる。 しかしながら、わらわたちも未だにその全貌を把握し切れておらぬ。 『灯台元暮らし』、『近くて見えぬは睫』とは少し違うかもしれぬが、 今やコントラクターたちはパラミタを飛び越え、 ニルヴァーナにまで冒険の足を延ばしておるのにもかかわらず、 わらわらたちのすぐ足元にもまだ巨大な謎を秘めた未知の領域が広がっておるのだ。 まさにロマンよ。 わらわも在学して三年目になるが、 アーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)に匹敵する魔女と噂される司書にすら出会ったことがないのだ。 いつか全てを踏破してみせたいものよ」 「カナタさんも、その司書さんに匹敵する実力が得られるといいわね」 「ふふ、のぞむところだ」 カナタ自身も長い年月を経てきた魔女であり、アーデルハイトへの対抗意識も持っている。 司書の魔女への興味があるのも必然であった。 ★☆★ 「ああ、おかげで助かったよ」 トッドさんの追及を免れたことについて、控室でカナタに礼を言うケイだが。 「ところで、あの縞パンと裸ワイシャツ、おぬし、そういうのが好みだったのか?」 「その話はもういいだろ!?」 |
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