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逆襲のカノン

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逆襲のカノン

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第9章 さらば国頭

「ぶるるるるるるるるるる」
 不気味なうなり声をあげながら、エッツェル・アザトース(えっつぇる・あざとーす)は海底をさまよっていた。
 異形の姿となった彼にとって、深海はある意味、癒しの地でさえあった。
 陽のささぬ、永遠の静けさ。
 エッツェルは、そんな海底が好きだった。
 だが。
 ある日、エッツェルは、海底をさまよっていて、何かにつまずいた。
 何か。
 よくみると、ひどく大きな建造物だ。
 海京アンダーグラウンドと呼ばれる秘密の実験施設のことなど、エッツェルは知らなかった。
 エッツェルはただ、自分をつまずかせた、その建造物が憎かった。
 壊したかった。
 だから、そうすることにした。

 どごーん
 すさまじい大音響が、海京アンダーグラウンド全体を揺るがせた。
「な、何だ!?」
 キイ・チークは、よろける身体を、何とか起こして、モニタに目をやった。
 外壁、崩壊。
 浸水。
「くっ、第2ブロックを閉鎖しろ」
 キイは、何とか浸水から内部を守ろうと、指示を出した。
 どごーん
 だが、すさまじい破壊音は、その後もたて続けに起きていた。
 音が起きるたびに、施設が揺れる。
「おお、おおいなる主よ、最後まで、あなたのために闘います!」
 キイは、祭壇に祈りを捧げた。
 浴室には、水原ゆかり(みずはら・ゆかり)マリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)が伸びている。
 キイは、ある種の壮絶な闘いを終えた直後だった。
 ゆかりも、マリエッタも、キイを骨抜きにしようと躍起だった。
 だが、キイもがんばった。
 あらかじめ、自分が開発した精力剤を服用したのがうまく効いた。
 実験用に開発した精力剤だった。
 キイは、2人と力いっぱい組み合い、そして、ついに、2人をノックダウンさせたのだ。
 ある意味、満足であった。
 ゆかりも、マリエッタも、疲弊しているが、満足はしているはずだった。
 そのまま、眠りにつきたいくらいである。
 だが、現実がそうさせなかった。
 海京アンダーグラウンドは、海の藻屑と消えつつある。
 ゆかりたちと揉みあっているうちに、捕われの生徒の多くが脱出し、施設の中を走りまわっていた。
 いくら暴れまわっても、海水の下敷きになるだけだというのに、滑稽なものだ。
 キイは、笑いたくなった。
 おおいなる主に比べれば、人間など、愚かなものだ。
 キイは、決戦の準備を始めた。

「わああ、浸水だー」
 天貴彩華(あまむち・あやか)は、廊下を飲み込む水流に身を揉まれる快感に、歓声をあげた。
 気持ちいい。
 それしか、彩華は考えていないようだ。
「じきに、施設は瓦解するね。狂気の研究者とともに、僕たちも海底で最期を迎えることになる」
 榊朝斗(さかき・あさと)は、何とか気力をふるいたたせようとしていた。
 潜水艦が破壊されたときから、覚悟していなければならないことだ。
 だが、狂気に蝕まれる研究者たちは、ひるむことなく、生徒たちの抹殺を続けようとしていた。
 まるで、自分たちの実験の後始末をするかのようだ。
 最後まで、仲間を守ろう。
 朝斗は、その想いで闘うことにした。
(カノンは、まだ闘うつもりだ。彼女の決着を、見届けたい)
 強化人間 海人(きょうかにんげん・かいと)が、朝斗たちの前に現れた。
 車椅子を押してもらって移動してきたその姿に、朝斗たちは驚く。
「わぁ、海人さん! いままで、どこで、何をしてたんですか?」
 彩華が無邪気な口調で尋ねた。
「ちょっと。いまは、そんなことをいってる場合じゃないわ」
 天貴彩羽(あまむち・あやは)がたしなめた。
「……う……あ……」
 海人は、車椅子に乗ったまま、虚ろな瞳を宙に向けて、うわごとのような呻きを続けるのみだった。
「海人さん、優しい」
 彩華の言葉に、彩羽は驚いた。
 彩華と海人は、通じあっているのかもしれない。
 でも、なぜ?
 彩華は、はじめて海人に会ったときから、感じていたのだ。
 海人が、自分と同じように、実験の犠牲になって生まれた存在であることを。
 だからこそ、深い連帯感で結ばれるのである。

「はははははは! ここももうオシマイか!! それじゃ、精神操作の技術は又吉が少し盗んでくれたし、オレは警備係なんてやめて、欲望のまま動くとしよう!! 要するに、お前たちの敵であり続けるってわけだ!!」
 国頭武尊(くにがみ・たける)が、洪笑をあげながら生徒たちに襲いかかっていく。
 女生徒という女生徒に襲いかかり、そのパンツを奪うためだ。
「きゃあああああああ」
 まさかこんなところでパンツ狩りにあうとは思わなかった女生徒たちの悲鳴が、廊下にこだまする。
「ぐへへへへへ、ぐへ」
 国頭は、腰を不気味に前後させて笑った。

「フハハハハハハ!! 海京アンダーグラウンド支部が崩壊しても、我が秘密結社オリュンポスの屋台骨には影響ない!! ここはひとつ、我らが開発した兵器のテストをするとしよう!!」
 ドクター・ハデス(どくたー・はです)もまた、戦闘員たちを派手に動きまわらせながら、出会う者全てに攻撃を仕掛けてまわった。
「改造人間サクヤよ!! ここで実験された成果をみせるがよい!!」
「兄さん、私が何されたかわかってるんですか? もう、お嫁にいけなくなるかもしれないんですから」
 高天原咲耶(たかまがはら・さくや)はため息をつきながらも、兄の命を聞き、破壊工作に専念した。
 パニック状態の生徒たちにとっては、ハデスたちも脅威だった。

「檻の中でいったとおりです!! 国頭さん、あなたを殺します!!」
 設楽カノン(したら・かのん)は、暴れる国頭に襲いかかっていった。
「げっ、カノン。生きていたのか。だが、オレの邪魔をするなら、容赦はしないぞ」
 国頭は、カノンに組みついた。
 その柔らかい身体を、情け容赦なく締め上げようとする。
「うーん、離れろー!!」
 カノンは、サイコキネシスで国頭をはね飛ばした。
「ハハハハハハハハハハ!! オリュンポスの兵たちよ、カノンを捕獲して脳改造するのだ!!」
 ハデスの命で、戦闘員たちがカノンに襲いかかる。
 カノンがはね飛ばしてもはね飛ばしても、戦闘員たちは襲いかかってきた。
「フフフ。カノン!! 最後に、お前だけは、私に仕えさせたいものだ!!」
 キイ・チークも現れ、不思議な鎖を振り回して、カノンに襲いかかってくる。
 超能力封じの鎖だった。
 鎖が身体に巻きつくと、カノンは調子を崩して、よろめいた。
 鎖を振り払おうとするカノンに、キイが抱きついてくる。
「フフフ。首輪の跡がみえるぞ。興奮させてくれるな」
 キイは、ニヤニヤ笑いながら、カノンの首筋に舌を這わせた。
「や、やめろ!!」
 カノンは嫌悪感に身をふるわせるが、鎖の力の前に、膝を屈する。
「カノン! 一人じゃないんだ!! もうわかっただろう?」
 叫びとともに、日比谷皐月(ひびや・さつき)が、助太刀に現れた。
 海人とともに施設に到着した皐月は、研究者たちを相手に暴れまわっていたのである。
「とおっ!!」
 皐月の手刀が、カノンに絡まる鎖を破壊した。
「ありがとう。うん、仲間。もう、わかる!!」
 カノンはうなずくと、キイをサイコキネシスで持ち上げて、思いきり床に叩きつけた。
「ぐ、ぐはっ」
 キイは、血を吐いた。
「こんなものじゃ、足りないですよね。あなたたちがしてきたことを考えると」
 カノンは、怒りのにじむ口調でいった。
「全ては、我がおおいなる主のため!! 後悔などはしていない!! むしろ、お前たちは感謝しなければならない!! おおいなる主のために、その身を捧げるチャンスを得たのだから!!」
「私は、自分のことだけ考えるのをやめました。最終的に、自分はどうなってもいいけど、でも、みんなを傷つけるのは許せない!! みんなを守るために闘います!! 人と人との愛を、私は尊重したいんです!!」
 叫ぶカノンを、キイは嘲笑った。
「カノン! パンツァーにたらしこまれたか?」
「死んで下さい!!」
 カノンは、キイの頭を、壁にめりこませた。

「カノン、甘いな。甘ちゃんだよ。死ね!! 身体も甘いか?」
 国頭は、猛スピードで動きまわって、カノンを圧倒した。
「どうだい。このスピードには勝てないだろう? よし、秘孔をついてやるぜ!! ほあたぁっ」
 国頭は、カノンの背後にさっとまわりこむと、ニヤッと笑って……思いきり「ゆびかんちょう」を決めた!!
「きゃ、きゃああああああああ!! あ、あなたという人は!!」
 びくんと身体をのけぞらせたカノンは、顔を真っ赤にして、国頭をにらみつけた。
 ぐわしっ
 国頭の頭部が、カノンの掌につかまれた。
「な、なに!?」
「最後です!!」
 カノンは、もがく国頭の頭部をつかむ掌に、念を集中させた。
 増幅されたサイコキネシスの力が、国頭の頭部を内部から破壊するかと思えた。
 そのとき。
(そこまでだ。この者は、預からせてもらおう)
 カノンの脳裏に、何者かの声が響く。
 カノンは、直感的に悟った。
 パンツァー・イタチューンだ!!
(どうしてかばうんですか? この人は……)
(この者には、この者の使命があるのだ。カノンよ。愛と欲望とのバランスについて考えよ)
 響いてくる声は、厳かな口調でいった。
「あなたが、そういうなら。でも、今回だけです!!」
 カノンは、国頭を解放した。
「はあ。助かったか?」
 国頭は、きょとんとしていた。
「甘いです!! 生命は奪いませんが、海中に投棄します!!」
 カノンは、サイコキネシスで、国頭の身体を施設の外壁に打ちつけさせた。
 ごわーん
 外壁が崩壊し、国頭の身体が、海水のただ中に放り込まれていく。
「お、おわー!! これは、要するに殺すってことだろがー!! ごぼごぼ」
 国頭は、むせながら叫んでいた。
 
「ハハハハハハハハハ!! 生徒諸君、多勢に無勢だな」
 ハデスは、勝ち誇っていた。
 もしかしたら、ここ、海京アンダーグラウンドの最後の闘いで、胸のすく勝利を収められるかもしれない。
 勝利の経験が少ないハデスにとっては、実に素晴らしいことだった。
「くっ!! 妄想野郎め!!」
 皐月は、戦闘員の大群を相手に、苦戦していた。
「兄さん!! いっきにやりましょう!!」
 咲耶も、何となく強気になって、皐月に迫っていった。
 そのとき。
「ほーら、コカンパンチャー、改造の成果を示すときやで!!」
 ハデスと同じようなノリで、瀬山裕輝(せやま・ひろき)が叫んだ。
 ぶうううううううう
「ああ、もう、ウチ、何が何やらわからへんわ」
 改造によって片腕にドリルをつけられた瀬山慧奈(せやま・けいな)が、よたよたしながら咲耶に向かっていった。
「よし、ドリルだけやないで!! 慧奈、ロケットパンチやー!!」
 裕輝の操作で、慧奈の片腕のドリルが切り離され、咲耶に向かって飛んでいった!!
「ドリルプレッシャーパンチや!! 科学の勝利や!!」
 裕輝は興奮して叫んだ。
「ああ、ウチの腕がぁ、腕がぁ」
 慧奈は嘆く。
 どどーん
 ぐりぐりぐり
 ドリルのパンチは、咲耶奈の太ももと太ももの付け根の間に炸裂した。
「あ、あああああああああ!! 兄さん、もうダメです!!」
 絶叫とともに、咲耶は倒れた。
 咲耶の太ももが、痙攣していた。
 そして。
 ききっ
 突如としてパラミタシマリスの大群が現れ、ハデスたちに襲いかかった。
「むう、リスの分際で、オリュンポスに入社したいというのか?」
 ハデスは、どうすればそう解釈できるのかわからないことをいった。
「やれやれ。オチがこれではね。捕まっている生徒はもう全員助かってるし。最後の締めか」
 五百蔵東雲(いよろい・しののめ)が、ハデスの前に現れていった。
 パラミタシマリスは、東雲の放った密偵であった。
「む! 不敬な!!」
 ハデスは、東雲を睨みつけた。
「いっとくけど、後ろにいる三郎さんは、あなたみたいな相手でも、手加減しないと思うよ」
 東雲に言葉に驚いたハデスは、背後を振り返った。
 そこには、上杉三郎景虎(うえすぎ・さぶろうかげとら)がいた。
「げ、げあ」
 戦闘が苦手なハデスは、身をひいた。
「斬らねば、戦闘員はいなくならず、他の生徒に被害が、及ぶ、か。では、斬ろう!! はあ!!」
 上杉の瞬速の斬りが、ハデスの額を割った。
「ぐわあああああああ」
 発明品のアーマーのおかげで致命傷はまぬがれたものの、ハデスはよろめいた。
「待て。家族がいる。殺すのは勘弁してやろう」
 皐月は、悶絶して倒れている咲耶を指していると、ハデスの身体を抱えあげた。
「な、何をする……まさか、島流しか?」
 ハデスは呻いた。
「そう、島流し!!」
 皐月は、ハデスの身体を、外壁に開けられた穴に押しこんだ。
 かくて、ハデスは海中に投棄されたのである。
 秘密結社オリュンポス、崩壊のピンチだ!!
「やったー、正義の勝利だ!! とおっ」
 皐月は、両腕を振りまわし、ポーズを決めて叫ぶと、どこかにジャンプしてみせた。

「よーし、僕たちも!!」
 十七夜リオ(かなき・りお)も、興奮してまくしたてた。
 迫りくる研究者たちの残党に対して、フェルクレールト・フリューゲル(ふぇるくれーると・ふりゅーげる)とともに立ちはだかる。
「リオ、その傷は?」
 フェルクレールトは、リオの頬の血の染みに気がついた。
「ああ、これまでの闘いで、傷いっちゃったみたいだね。平気、平気」
 リオは笑った。
 だが。
 フェルクレールトの顔つきが変わった。
「許せない。リオを傷つけた。お前たち、絶対許せない!!」
「フェル? サクシードの力が覚醒するの? いったい、何が……」
 リオは、驚愕に目を見開いた。
「うらー、薬漬けにしてやる!!」
 研究者たちが、注射器を構えて、いっせいに襲いかかってきたとき。
「覚醒!!」
 フェルクレールトは叫んだ。
 次の瞬間、大爆発が巻き起こった。

「くそっ、かくなるうえは……主に、最後の祈祷を」
 混乱を深める海京アンダーグラウンドの中で、キイ・チークは、最後の力を振りしぼって、自室へと戻っていった。
 自室に入ったキイを、小鳥遊美羽(たかなし・みわ)が追ってきた。
「カノン! ほら、鬼畜さんがここにいるよ!!」
 美羽は、カノンを呼んだ。
「まだ生きていたんですか? どうして、そんなに強くなれるんです? 何か信念があるんですか?」
 キイの自室に入ったカノンは、キイを睨んでいった。
「信念なら、あるさ。いや、信仰といっていいか」
 キイは、自室の奥の、祭壇に向かっていった。
(あれ?)
 美羽は、祭壇をみて、不思議な紋様があるのに気づいた。
(あの紋様は……?)
 美羽は、その紋様を心に刻みこんだ。
「美羽! カノンに超ミニスカ蒼空学園制服を着てもらったよ」
 コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)が叫んだ。
 コハクに提供してもらった制服を身につけたカノンを目にして、キイは呻いた。
「む。美しい。美しいぞ、カノン!!」
 美羽は、そんなキイに迫った。
「どうするつもりだ?」
 キイは唾を吐いていった。
「カノン!! 一緒にやろう!!」
 美羽は、カノンと一緒に走った。
「うん、仲間と一緒に!! 私は、人の愛を嘲笑う、こういう施設が大嫌いです!!」
 カノンもまたうなずいて、美羽とともに走った。
「必殺キーーーーーーック!!」
「超能力ターーーーーーーックル!!」
 美羽とカノン。
 2人の攻撃が、同時にキイに決まった。
 どどどどどどどど
 その瞬間、施設が完全に瓦解した。
 流れ込む海水に、生徒たちは巻き込まれる。
 最後の記憶の中で、キイの身体が水圧に押しつぶされるのを、美羽は目にした。

「おお、これこそ、海洋深層水だ!! あわび育成にうってつけだぞ!!」
 荒れ狂う海流に飲み込まれながら、マネキ・ング(まねき・んぐ)は大喜びしていた。
「オゥ!! これこそ、未知との遭遇!! こんなに大量に海水があったら、一生あわびを育成して暮らせるね!!」
 マイキー・ウォーリー(まいきー・うぉーりー)も大喜びだ。
 海底。
 そこにこそ、愛の源泉があるとマイキーは感じていた。
 全ての生命は、海から生まれる。
 女性もまた、泉が湧く存在だ。
 海と女性とが重なり、海と母性とが結びつけられるのは当然だと、マイキーは思った。
「師匠! これって、施設の水管理システムの全権を手に入れたのと、同じことですよね」
 メビウス・クグサクスクルス(めびうす・くぐさくすくるす)も、興奮して叫んでいた。
「まったく、ここまできて、死ぬかもしれないっていうのに、のんきなものだな。まあ、いい。どうなろうと、運命共同体でいようか」
 セリス・ファーランド(せりす・ふぁーらんど)は、パートナーたちのはしゃぎぶりに苦悩しながらも、死の恐怖にうちふるえるよりは、このように明るくいった方がいいかもしれない、と思った。
 海底の謎を解けたかどうかは疑問だが、海洋深層水を手に入れるという、パートナーたちの目的は達成されたのだ。
 この、海水に飲み込まれて滅びていく状態を、「手に入れた」といえるのかどうかは疑問だ、そういう風に考えることにした。
 自分たちは、死ぬのか?
 セリスにも、わからなかった。
 だが。
 もし生きていたら、また、冒険に行きたい。
 そして、あわびを腹一杯食べてみたい。
 そう、セリスは切実に願ったのである。
 どばあっ
 大量の海水に押しつぶされるようなかたちになり、セリスたちは、意識を失った。
「さあ、魂はどこへいく?」