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リアクション
未来のタイムマシン体験・1
未来から来た静香とラズィーヤの娘、
小ラズィーヤ・ヴァイシャリー(しょうらずぃーや・う゛ぁいしゃりー)が主催する、
未来の世界や自分の姿が見れるタイムマシン体験。
風祭 優斗(かざまつり・ゆうと)は、
ミルザム・ツァンダ(みるざむ・つぁんだ)を誘って、
理科室へとやってきた。
「僕が一番興味があるのが、この出し物なんです」
優斗が、ミルザムに微笑した。
「優斗さんは、どんな未来が見たいんですか?」
ミルザムの問いに、優斗は真摯に答える。
「ミルザムさんが幸福な未来を迎えられるのかどうか。
そして、その事に僕がお役に立てるのかどうか……。
そのことに関心があります」
「優斗さん……」
「未来、見てみませんか?」
「そうですね」
ミルザムは、穏やかにうなずいた。
大きなシリンダーのようなものに、
優斗とミルザムは入った。
(ミルザムさんの幸福に僕が貢献できれいれば嬉しいですが、
僕の貢献が不要でもミルザムさんが自力で幸福になれているのなら、
……それはそれで喜ばしいことですよね)
「では、行くぞ」
小ラズィーヤが、タイムマシンのスイッチを入れる。
★☆★
日本……東京の街で。
多くの人の前で、東京都知事のミルザムが演説している。
人々は、熱心にミルザムの言葉に耳を傾けている。
優斗は、ミルザムが演説しているのを、
人々からも、ミルザムからも、離れた陰で、見守っていた。
ミルザムに、優斗は、温かいまなざしをそそいでいた。
★☆★
「よかったですね、ミルザムさん」
優斗は微笑んだ。
地球とパラミタのために、これからもミルザムは頑張っていくようだ。
優斗が、どの程度、ミルザムに貢献しているか。
それは、正確にはわからなかった。
「ここで見た未来は可能性のひとつでしかない。
そのことは忘れるなよ」
小ラズィーヤが言った。
「ええ。
たしかに、未来は自分で切り開いていくものです」
優斗はうなずく。
「ミルザムさん。
一緒にパラミタや地球のためにがんばりましょうね」
「はい、もちろんです」
優斗の言葉に、ミルザムは力強く頷いた。
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