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リアクション
第4章
「ここからはわたくし達の出番ですわっ! 美食家に出せる料理か判断してさしあげますわ」
「蒼空の【美味しい物を食べたい部】が、最初に味見をするから安心して!」
ロザリィヌ・フォン・メルローゼ(ろざりぃぬ・ふぉんめるろーぜ)とラティア・バーナード(らてぃあ・ばーなーど)が待ってましたとばかりにマイ・フォークとマイ・スプーンを持って登場する。
琥珀亭の中で料理が出来あがるのを待っていたようだ。
大量に作られた料理を片っ端からつまんでいく。
「これは美味しいですわっ!」
ロザリィヌはお好み焼き、キノコ炒め、煮込みハンバーグを一気食い。
「当然や! 不味いわけあらへん」
「それは良かった」
作り手の社と弥十郎は笑顔で返事をする。
「美味しい、美味しい……ふごっ!!」
ラティアは和風キノコパスタを口にした途端、固まる。
「そ、ソースは最高なのに……何故麺が……」
「えっ!?」
「サトゥの指示通りやったつもりなのだが……」
驚いてサトゥルヌスとアルカナはパスタを口へ運ぶ。
「……」
「…………口の中で美味しいソースと麺が超新星爆発を起こした感じがする」
どうやら麺が危険物になっていたらしい。
「まだまだ入りますわよ」
お吸い物、焼き松茸、鍋料理とロザリィヌは次々とフォークを伸ばす。
ラティアもなんとか復活し、茶わん蒸しへと手を伸ばす。
「うん! この黄色の美味しいー! 最高ー!」
ぺろりと平らげると今度は紫色をした茶わん蒸しを食す。
「うんうん、これ……も……ふぐぅっ……ちょ、と、トイレ……」
その茶わん蒸しらしからぬ色の通り、ちゃんとした茶わん蒸しにはなっていなかったようでラティアはトイレへと駆け込み、暫く出てこられなかった。
「次ーっ、ですわー!」
一方、ロザリィヌは留まるところを知らずに食べ続けている。
「今のうちに食べ貯めですわ。これも、おいし……い……」
玲奈とシーリルの作った鍋で箸が止まる。
ついには椅子から落ち、青ざめていた。
「まだ……入り……まして……よ……」
それでも食べ続けようとする根性はあっぱれだった。
他にもやばそうな料理もあるが、これで一通りの試食は済んだ。
「じゃあ、これを準備したテーブルに運んぶだけだね」
「ねぇ、ホイップさん。ホイップさんの手料理が食べたいですっ!」
目をキラキラと輝かせソアがホイップへ言う。
「えっ? 私の?」
「はい!」
手伝ってもらった皆にお礼も兼ねて、ホイップは調理を開始したのだった。
先ずは、米を研ぎキノコをふんだんに入れ、日本酒、昆布、醤油を調節しながら投入しジャタ松茸とその他諸々キノコごはん。
続いて、鍋に水とトマトのホール缶、ニンニク、セロリ、猪肉、ローリエ、ジャタ松茸を突っ込み火にかける。
香り付けにと赤ワインを入れる。
更に煮込んで、猪肉のトマト煮込みが完成した。
「うん、大丈夫。美味しく出来てる」
ホイップ自身が味見をして確認をした。
「それじゃあ、料理を運んで――」
「ちょっと待った! 給仕をするんだったらこれに着替えないと!」
小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)がホイップをトイレへと連れ込む。
「可愛いでしょ? 私が前にウェイトレスのバイトをしていたところのもらったんだ〜」
「うん、凄く可愛い……でも、これ短すぎない?」
スカート丈が異様に短い。
少し屈んだだけでも中が見えてしまうだろう。
「問答無用! うりゃっ」
「えぇ〜!!」
無理矢理、着替えさせられトイレから出てくる。
「うぅ……は、恥ずかしいよ」
「似合ってるよ!」
「ええ、可愛いです」
美羽とベアトリーチェが褒めると少し恥ずかしさが抜けたようだ。
他の人にはテーブルについてもらって、美羽とホイップの2人で給仕をなった。
琥珀亭にはタイミングよく、薬屋のおじさん、美食家のドロウ、今日は休日の琥珀亭のマスターがやってきたのだった。
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