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図書館“を”静かに

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図書館“を”静かに

リアクション

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統率無く襲いかかってきたピクシー達は皆の敵ではなく、量こそいたが討伐はそれほど時間がかからなかった。ピクシー達の阻害が無くなった片付けは、その膨大な量から来る問題以外は順調に進み―――日が落ち、月が上り、あわや次の朝日が見えるか、という時間までかかったものの―――無事に完了した。
その後、犯人……鏖殺寺院の諜報員は教導団に引渡され連行されていった……何故か顔は腫れ上がり、本怖い、本怖いと繰り返し呟いていたようだが。



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事件から数日後。
「はい、返却期限は二週間後です」
司書が図書カードと共に、カシス・リリットと蒼天の書マビノギオンへ本を渡す。
「ありがとうございます」
「確かに……あんな紛い物の本よりは有益そうだ」
渡しているのは、黒い魔本もどきの代理品……開かずの書庫の蔵書程ではないが、貴重な研究資料になるであろう魔導書だ。本来なら煩雑な手続きが必要なのだが、何処かの蒼空学園が許可をして、あの魔本もどきのブービートラップの代理品―――コピー、写本禁止の、純粋な内容知識のみだが―――として貸し出しされることになったのである。
「これで貸出希望者は全員かしら?うーん、っと」
「どうぞ」
伸びをした司書の横で、モーベット・ヴァイナスが紅茶を淹れる。
「どうもありがとう御座います。協力してくれただけでなく、素敵なお茶まで」
司書はそれを受け取り一口。何の茶葉かまでは判らないが、芳醇で疲れが取れるような味と香りである。
「いつも頑張って頂いてる人には、それ相応の対価をお渡しするべきですから」
「モーちゃんは律儀だねぇ」
付き添いで再び訪れた清泉 北都は、借りていきたいであろう本を数冊抱えている。
「そういえば、さー」
こちらは妹の付き添いでやって来た甲斐 英虎。彼は本を借りず、近くのソファでくつろいでいた。
「犯人は結局何を狙ってきたんだー?禁書の類とか?」
「何だっていいんじゃない?」
おいおい、と返してきた兄の言葉を遮った甲斐 ユキノは、どこかご機嫌だ。
「そんなに楽しみにするなんて……一体何を借りたんだ?」
「内緒♪」
微笑む彼女の鞄に仕舞われたのは『バレンタイン・デーのチョコレート読本』……それも今年のバレンタインに合わせて発刊された新装版だ。『新刊の優先貸出』を選んだ彼女が一番欲しかった本である。
「何が狙いだったかは私も知りたいな。学園構内に直接仕掛けてきたんだから、それ相応の物なんでしょ?」
こちらも貸出希望―――『初心者にも出来る簡単レシピ』を借りようとしている―――芦原 郁乃の問いに、司書は本の貸出処理をしながらも内緒ですよ、と小声で伝える。
「?」
皆が聞き耳を立てようと近づいてきたのを見計らい、そっと一言。
「『開かずの書庫』全蔵書リスト。禁書、魔導本、発禁技術の本満載のね」
「うわぁ」
 予想していたものより強烈だったのか、郁乃は少し後ずさり。マビノギオンも同意する。
「……へ、下手な禁書より踏み込んでいいものではないですね」
「何らかの力を秘めた蔵書の強奪、そうでなくともソレ自体を売り飛ばしたら金になる上に、情報を得た不特定多数に狙われるでしょう……鏖殺寺院に渡っていたら」
そう言うのは、英虎の隣のソファで誰かを待ってる素振りのルカルカ・ルー。
「涼司に直接知らせておいたから、図書館近辺や内部の警備も厚くなるでしょ。防げてよかったわ」
皆が安堵する中、何処か見慣れた長めの金髪が皆の視線に揺らめいた。
「あら、皆」
「雅羅さん」
「改めてこの間はどうもね、助かったわ」
 そう言う雅羅・サンダース三世も、あの事件の疲労が少し残っているようだった。左足首には過度に心配した誰かが巻いた包帯が見える。
「ところで今日は?」
「本を借りにね」
そう言うと彼女は、図書カードと共に『本年度版 開運を招く風水』と『アナタの不幸は確率論ではない』の二冊をカウンターへ提示する。司書が手早く手続きをすると、にこやかな笑顔で一礼した。
「ご利用、ありがとうございました」



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担当マスターより

▼担当マスター

本庄 雷

▼マスターコメント

初めまして、本庄です……。

えー、先ずは

リアクション遅延、本ッッッ当に申し訳ありませんでした!

ひとえに自分の準備不足と力量不足に起因するものです。本当に申し訳ありません。

こんな口ではとても言えるものではないのですが、もし宜しければ今後共宜しくお願いします。
今回の反省点を生かし、しっかり〆切を守りつつ皆々様が楽しめる展開を書けるよう精進いたします……。

▼マスター個別コメント