リアクション
エピローグ 大山鳴動して虫一匹
「な、なに? なにがあったの!?」
セレンフィリティが目をこすってあたりを見回す。突然の突風でびっくりしてしまったが、セレアナや生駒やジョージ、それにエリザベート達に危害が加えられた訳ではないようだ。
しかし―――
「いない……あの大ムカデがいないじゃない!!」
「いや、いなくなった訳ではない」
叫ぶセレンフィリティに、冷静な声が返ってきた。その声に、ミーミルがうれしげな声を上げた。
「アルツールさん!」
「ミーミル……無事でよかった」
それまで氷のように硬かったアルツールの顔が、ふわりと緩む。
「戻ってる……私たち、元の大きさに戻ってるですぅ!」
「本当じゃ! おお、草が花の背丈が低うなっておるぞ!」
エリザベートとアーデルハイトが声を上げた。
「私たちで風を起こして、霧を追い払ったんだよ」
「そうそう。頑張ったんですから!」
詩穂と未憂、リン、プリムが、笑顔で皆を迎えた。
「ふぅ……。霧もなくなったし、無事に元の身体に戻ったのは結構だけど、あと少しであのムカデにとどめがさせたのに、残念だわ」
皆と校長たちが互いの無事を喜び合う中、セレンフィリティは物足りなさそうにため息をついた。
「ふむ、ではもう少しこいつとやりあってみるかい?」
そう言ってアルツールが足元から拾い上げたものは、一匹のムカデだった。先ほどまでセレンフィリティ達が戦っていた、あのムカデそのものである。
「……いらないわ。普通の身体で倒したってただの害虫駆除だし。セレアナにでもあげて頂戴」
「ちょっと冗談もほどほどにしなさいよねセレン! 大きくても小さくても、私は虫が嫌いなのーーーーーーー!!」
セレアナの叫び声はイルミンスールの森を突き抜け、穏やかな秋の空に吸い込まれていったのだった。
はじめまして。むぐらしげるです。
この度はイベント「ちっちゃくなった学園長を探せ! 魔法の森のミニミニ大冒険」にご参加いただき、またリアクションをお読みいただき、誠にありがとうございました。
今回のイベントがデビュー作の為、色々手探りの状態でシナリオガイドからリアクションまで作らせていただきました。
その為、もしシナリオの内容やいただきましたアクションの反映が、PL様方の意図していたものや期待していたものと異なる点がありましたら、申し訳ありません。
次回以降少しでも皆さんに満足していただけるイベントを作れるように精進してゆきたく思います。
今後ともよろしくお願いいたします!
■追記
こちらの不勉強のせいで、本来キャッチコピーが「ちっちゃくなった校長を探せ!」になるべきところを「ちっちゃくなった学園長を探せ!」として公開してしまいました。エリザベートはイルミンスール魔法学校の校長ですから、学園長ではおかしいですよね。以後、気を付けます。(ご指摘していただいたPL様、ありがとうございました)