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【秋のスペシャル】はーろーーーうぃーーーーーーーんっっ!!

リアクション公開中!

【秋のスペシャル】はーろーーーうぃーーーーーーーんっっ!!
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リアクション


●魔女たち、そして霊魂たちの夜

 ガールズトークに花が咲く。
 本当は、ガールズだけではなかったりするが、とにもかくにも花が咲く。
「その格好だったら、やっぱりセリフもそれっぽくしてほしいですぅ」
 カボチャのパイを頬張って、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)はえびす顔だ。
「エリザベートちゃん、口元にクリームがついてますよ〜」
 神代 明日香(かみしろ・あすか)はハンカチを取り出し、いそいそとエリザベートの口元を拭った。
 エリザベートに話を振られたアゾート・ワルプルギスは、
「……そ、それならやっぱり、『賢者の石くれなきゃイタズラしちゃうぞ?』かなっ……?」
 とおずおずと返していた。
「ふふ、魔女のイタズラって、どんなものになるんでしょう? 相手をカエルに変えちゃったり、ですかぁ?」
 ルーシェリア・クレセント(るーしぇりあ・くれせんと)はアゾートに問いかけた。
 『アゾートに問いかけた』……?
 いや、よく見るとアゾートではない。服は同じだが別人だ。
 アゾートの服装をしているが、ここにいてエリザベートたちと談笑しているのはアゾートではなく白瀬 歩夢(しらせ・あゆむ)だった。
 ここで一同の仮装を紹介しよう。
 エリザベートと明日香はお揃い、二人で小悪魔の仮装に興じていた。
 衣装のベースは黒、ショートワンピースなので、下着は『見えてもいい』ものというか衣装の一部だ。頭部にはちっちゃい角、先がハート型の尻尾を腰から生やしている。
 二人は基本的に同じ服だが、配色が違っていて目に楽しい。それで姉妹のように仲良く、腕を組んでいた。
 一方ルーシェリアは魔女の仮装だ。
 スカートはなかなか短め、ニーソックスとスカートが絶対領域を確保していた。
 さらにはお約束の三角帽子を、てん、と頭に乗せ、きっちり魔法の箒も片手に握っている。
 そして歩夢もまた魔女、といっても、アゾートの普段着にそっくりな魔女に扮していたというわけだ。
 だから皆に「アゾートちゃんそっくり!」と言われると嬉しくなってしまう。
 アゾート風の髪飾りはほうぼう探して見つけた。やはりアゾート風の三角帽子は、時間をかけて手作りしたものだ。
 今夜、残念ながらアゾートは参加していないらしい。とすればこれは、アゾートにお披露目する前の予行演習といっていい。
(「私ったら思わず、アゾートちゃんの格好を……」)
 頬を染めつつ歩夢は想像してみる。『賢者の石くれなきゃイタズラしちゃうぞ?』という彼女を。
 そんなこと言われたら……。
(「むしろイタズラされちゃいたい……私、アゾートちゃんになら何されても……」)
 ハッ、と夢から覚めたように歩夢は目を見開いた。
 しばし白昼夢を見ていたらしい。
「どうしましたかぁ?」
 ルーシェリアは心配そうな顔をして歩夢の顔をのぞき込んでいる。偶然、同じテーブルのお菓子を手にした同士だが、それからの数十分で、ルーシェリアは歩夢、それにエリザベートと明日香たちと親しくなっていた。
「……あ、いや、なんでも」
 歩夢は、そういえば、と話を切り替えた。
「このテーブルって魔女がいっぱい、かな……?」
 いわば『本業』のエリザベートや明日香、そしてコスチュームが魔女の自分とルーシェリアというわけだ。
「魔女が複数人集まって話してたりしたら、周りから見たら不気味になったりするですかねぇ……サバトって感じですぅ」
 ルーシェリアは苦笑した。これに応じて、
「サバトであって無礼講なので、どんどん食べると良いですよぅ〜」
 エリザベートはフォークを取り出し、カボチャのパイをもう一切れ、さくっと取ってぱくりと食べた。
「ああもう、エリザベートちゃん、またまた口元が汚れてますー」
 世話焼きお姉さんのように明日香がエリザベートの口元を拭ってやる。
 けれどこれが楽しいのだ。エリザベートの世話を焼くことこそ明日香の喜びなのだ。

 和気あいあいのエリザベートたち、そのすぐ近くにいながら、博季・アシュリング(ひろき・あしゅりんぐ)は会話に加わってはいなかった。
 今日は、あまり浮かれる気持ちになれなかった。
 といっても身は、ちゃんとハロウィンパーティに合わせて仮装している。
 モチーフは吸血鬼、口元に牙をのぞかせ、白いシャツの上から漆黒のマントを羽織っていた。生来の赤い目もあって雰囲気はなかなか……なのだが、心ここにあらずといった様相だ。
 なぜか、浮かない顔をしている。
 その白い顔を、博季は夜空の星に向けているのだ。
(「ハロウィン………元々は亡くなった方を偲んだり、悪霊から身を守ったりとか、そういう行事だったな。お盆に近いものがあるって聞いてるけど」)
 溜息をついてしまう。
 もし霊魂があるものならば、ハロウィンの夜たる現在、この場に霊魂が降りていてもおかしくはない。
 きっとその中には、ヒラニプラの山で命を散らしたクランジΛ(ラムダ)の霊魂もあることだろう。
 ラムダ――あの赤毛の少女がかたわらにいるような気がして、博季は心中で呼びかけた。
(「……なあ、ラムダ。君や君が命を奪った少女も、見てるのかな?
 僕が戦って、倒さざるを得なかった方や……カナンで戦った雷龍さんも……見ててくださるんだろうか」)
 この僕の姿を、見ているんだろうか。
 どんな顔をして見ているんだろうか。
 それは、哀しそうな顔なんだろうか。
 それとも……?
(「僕は、誓うよ。今度こそ、貴女たちの様な人を出したくないから……。
 こういう当たり前の日常を、当たり前に過ごす。
 誰もが持つ当たり前の権利……。それを、守りたい。
 それを手に入れられない人を、助けたい」)
 帰って来ているのなら……見ていてほしい。
 会場のあちこちから笑い声がする。
 ラムダたちの霊に博季は、もう一度だけ呼びかけた。
(「今度こそ守ってみせるよ。皆を、この笑顔を。
 だから、安らかに眠ってください。
 貴女たちの犠牲は、絶対に無駄にはしないから」)
 博季は空を見上げ続けた。