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結成、ガーディアンナイツ!

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結成、ガーディアンナイツ!

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 ブラボーチーム(一式 隼(いっしき・しゅん)リシル・フォレスター(りしる・ふぉれすたー)赤羽 美央(あかばね・みお)アリア・セレスティ(ありあ・せれすてぃ)朝倉 千歳(あさくら・ちとせ)イルマ・レスト(いるま・れすと)八月朔日 刹那(ほづみ・せつな)ユーニス・アリマプティオ(ゆーにす・ありまぷてぃお)リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)天夜見 ルナミネス(あまよみ・るなみねす)童子 華花(どうじ・はな)シルフィスティ・ロスヴァイセ(しるふぃすてぃ・ろすう゛ぁいせ))はメンバーを人質の中に潜り込ませ、中と外両方から攻めて解放を試みる。
 今は3つに分散した人質のうち西に向かったグループを先回りし、待ち伏せ中。
 人質の中に潜入すると名乗り出たのは、赤羽美央、イルマ・レスト、そしてなぜか男の一式隼だった。
「隼、まさかまた女装するのかよ?」
 そう言うのは隼のパートナー、リシル・フォレスター。
 ショートカットの元気そうな女の子である。
「ええ、その為に用意もしてきてあるので大丈夫です」
 そういうとツァンダで揃えたと思しき大き目の女物の服を上から重ね着し、隼は銀色の長い髪に褐色の肌をしたオリエンタルな印象の女に変装した。
 左のまぶたにある傷痕は前髪を垂らして隠す。
(うっ、なんかオレよりちょっと女っぽいのが腹が立つんだよな〜)
「どうしたんです、リシル?」
「えっ、ああっ、なんでもない!」
「それより、これを渡しておきます」
 と、隼は無線機をリシルに手渡す。そして自分が中の様子などタイミングをみて、知らせるのでそれに合わせてみんなで突入するようにと言った。
 リシルはそれに頷いて答えた。
「イルマ、人質になるなんて本当に大丈夫なの?」
 と、パートナーのイルマ・レストにそう声をかけるのは朝倉千歳。
 普段はとても気の強そうな顔つきをしている彼女だが、いまは心配顔になっていた。
「危険は承知しておりますわ。ですが心配は無用。外で騒ぎが起こったら内部で思いっきり暴れてやりますので」
 そういうイルマは、口元だけに笑みを作り千歳を安心させる。
 だがその腹の中ではカサブランカの騎士団への対抗心を密かに燃やしていた。
(ふんっ、カサブランカの騎士団なんかよりも早く手柄を立ててみせますわ)
「おーいっ、皆さん。敵さんたちが来ましたよ」
 と、そういうのは目立つ装備は外して村人になりすます赤羽美央。
 細い体をしているのでどこか貧しい村人という感じに見えるのか、本当に貧乏だからかはよくわからないが、その服装はよくマッチしている。
「じゃあ作戦開始よ。華花、ゴー」
 そう言いながら拳を前に突き出すのはリカイン・フェルマータのパートナー、シルフィスティ・ロスヴァイセ。
「ねえ、フィス姉さん。ハナを囮にしてその間にみんなを人質の中に紛れ込ませるなんて本当に大丈夫なの?」
 と、そう聞くのはリカイン。とても人目を惹く外見をした女性だ。
「少しは華花を信じなさい、リカイン」
(そう言うフィス姉さんが信用出来ないから問題なのよ……)
 はぁ、とため息をつくリカイン。
「大丈夫、相手だって問答無用でいきなり撃ってきたりなんかしないわよ」
「そうとは限らない、です」
 と、シルフィスティに抑揚のない声で反論したのは天夜見ルナミネス。
 ずいぶんと無表情なメガネっ娘である。
「まあまあ、ここはオラにまかせてよ!」
 と、リカインの心配を他所に華花はとても楽しそうな様子で列をなして移動させられている人質の元へ飛び出して行った。
「んっ? なんだお前?」
 と、この人質グループの護衛に当たっていた高崎が突然現れたボブカットの小さな子供――華花を見て眉をひそめる。
「うっ、うわーん、父ちゃんに付いて行って久しぶりに帰ってきたら母ちゃんがいなかった……。お願いだから母ちゃんに会わせてくれ〜!」
 華花は迫真(?)の演技を開始。思惑通りに皆の視線は大声を上げて喚く華花に集まる。
 その隙をついて人質たちの最後尾に隼とイルマ、美央は紛れ込んだ。
「……ったく、めんどいなぁ」
 それに気付いた様子もなく高崎は頭をかいて、喚き続ける華花の扱いに困っている。
「おいっ、誰かコイツをなんとかしろ!」
「へへっ、オレにまかせてくださいよ」
 高崎がそう言うとひとりの男が前に出る。この男はミスターカメレオンの部下で、高崎に少し良い所を見せてやろうと思っていた。
「なんだ、兄ちゃん? 兄ちゃんは母ちゃんじゃないぞ!」
「母ちゃんはここにはいねえよ。だからさっさと家に帰るんだな」
「いやだ! 母ちゃんに会うまでは帰らん!」
「チッ、うるせぇガキだ! なら、帰りたくなるようにしてやるよ!」
 と、男は拳を振り上げて華花を殴り飛ばそうとする。
(――ハナッ!)
 それを見ていたリカインは思わず飛び出していこうとしたが――。
「おやめなさいッ!」
 そうするより先に誰かの声が男の行動を制止させた。
 身を潜めたガーディアンナイツの面々がその声をした方が窺うと、そこにはガートルード、ウィッカー、国頭がハーレック興業の部下達を後ろに引き連れて立っていた。
「おいおい、ガートルード。屋敷の方にいたんじゃないのか?」
「なにやらこちらが騒がしいようでしたので援軍に来たのですが、ガーディアンナイツではなかったようですね」
 そう言いながらガートルードは華花を見る。
「そこをどけ!」
 と、ガートルードのパートナー・ウィッカーが拳を振り上げた状態のままの男をどけて、華花の前に立った。
「おぅ、ガキ。威勢がええな。あんな怖い兄ちゃん前にして一歩も引かないとはすごいんじゃのう」
 そしてこの少女型をした機晶姫は笑顔を浮かべなぜか広島弁風の言葉で華花を褒めると、頭をぐしぐしと乱暴に撫でる。
「じゃけど、あんまり無茶はいかん。おまえがいなくなると一番悲しむのは母ちゃんじゃけんの。今日は大人しく家に帰っときなさい」
「先生、戻りましょう」
「はい、親分」
 ガートルードに呼ばれ、ウィッカーは「ほいじゃあの」と華花に言って踵を返す。
 と、その帰りがけに華花を殴ろうとした男の前でウィッカーは足を止める。
「おい、おまえ。ガキに手を上げていいと思っとるのか? そげな事またやろうとしてみろ――死なすぞ」
 そして相手の顔を見ずにドスの利いた声でそうつぶやくと、去っていくウィッカー。
 男は顔に不満の色を表しながらも口には出さずにそんなウィッカーの背中を睨みつけた。
「よしっ、行くぞ」
 高崎がそう言うと人質はまた移動を再会した。華花は人質たちが見えなくなるとガーディアンナイツたちの元に戻る。
 リカインは帰ってきた華花を抱きしめてホッとため息をついた。
「みんな、見失わないうちに早く後を追おう」
 とそう言うのは長い黒髪を後ろでまとめた八月朔日刹那。
 刹那の言葉に皆は頷き、ブラボーチームは人質の後を追って動き出した。