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兄の仇はローレライ!?

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兄の仇はローレライ!?

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〜スキュラ〜

 パッフェル達は中からゾンビ達が現れた事に意表を突かれ戸惑っていた。
「今度は……中からか……どこまでも……狡猾です、わね」
パッフェルは星銃パワーランチャーを構えてゾンビ達に照準を合わせる。
「切が、ない」
弱音ともとれる一言を漏らすパッフェル。その耳に音が流れてくる、これはスキュラが人をおびき出すのに歌っていた歌とはまた別のもの。高 漸麗(がお・じえんり)の奏でる筑の音だった。その音はあまりに美しくそして優しい幸せの歌。
「やっと綺麗に歌えるようになったところなのに海で歌声を聞いたってだけで濡れ衣着せられたらたまらないよね。アイラちゃんも必死だったんだろうけどさ、なんにしろ、見えないものや聞こえないものにこそ警戒して見えるものだけが全てじゃない」
どこからともなく流れ出てくるスキュラの歌が船を包む、それに合わせて高漸麗の楽が不協和音を作り出す。
「高漸麗!」
高漸麗に襲いかかるゾンビを掻い潜り天 黒龍(てぃえん・へいろん)が高漸麗を庇い、ガーゴイルへと乗らせる。
「いつになく真面目のようだな」
「僕は楽師の英霊、高漸麗だ
楽が破壊をもたらすのを、見過ごす訳にはいかない」
「ああ」
同意を込めた返事を返し天黒龍はガーゴイルを操りゾンビ達の攻撃を交わしていった。
戦場に不協和音が満ちて異様な雰囲気にのみ込まれていた。スキュラもそれを感じたのか海から浮上し様子を窺う。中からゾンビを操り自分自身はまたも海から襲撃をしようと息を潜めていた。 ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)はゾンビ達との戦闘が始まるとほぼ同時に海へと入りスキュラを待っていました。そこへ予想通りと言わんばかりに姿を現したスキュラト相対する事になった。
「古来より、船を沈める怪物の伝承は挙げたらキリがないわね」
そう言って曙光銃エルドリッジを構える。
「こんな早くばれてしまうとはね感がいいのね」
スキュラがそう言い終える間にローザマリアは発砲する。しかし、スキュラには中々当たらない。絶え間なく発砲を続けるが海の中という事もあり決定打を与える事が出来ない。
「ローザマリアさん!」
 スキュラがローザマリアの攻撃に気を取られていたのを逆手に取り、ミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)はその巨大な武器アインマンラムを構えスキュラ目掛けて海の中を突撃する。
「よぉし!全速全開でやってみっかぁ!」
「他にもいたのか!?」
スキュラは海に入っていたのはローザマリアだけだと勘違いしていた事もあり虚を突かれる形になった。スキュラは必死で回避行動を取るがすでに遅く下半身のヘルハウンドで防御せざるを得なかった。
「くっ」
すぐさま残ったヘルハウンドから火の玉を吐き出しました。二人は一旦距離をとりもう一度攻撃に転じようと構えを見せました。
「同じ手は食らいません」
 スキュラはこの二人に真正面からは不利だと判断しエンドレス・ナイトメアを発動した。
 周囲を闇黒が包みこみ悪寒が二人を襲う。
「これで少し動きを止めてもらいますわ」