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狂信者と人質と誇り高きテンプルナイツ

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狂信者と人質と誇り高きテンプルナイツ

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ープロローグー

「……どうしてこんなことに」
「まさかローデリヒ様がいるなんて」
 濡れた軍服を着た先ほどの5人の女性は困惑の表情で、テーブルに着いていた。
 さらに反対側には、先ほど料理を作っていた際に出会ったらしい、ローデリヒ・エーヴェルブルグ(ろーでりひ・えーう゛ぇるぶるぐ)の知り合い騎士と言う5人が座っている。
 そして、その横に、競泳用黒ビキニに白のパーカーの水着姿で武崎 幸祐(たけざき・ゆきひろ)、白ビキニに身を包むヒルデガルド・ブリュンヒルデ(ひるでがるど・ぶりゅんひるで)
 さらには、深紅のブラジリアンという目立つ紐ビキニを着た蘇 妲己(そ・だっき)が座っていた。
 
 テーブルには、鴨のロースト椎添えや、魚の塩焼きなどといった、キャンプ地の料理にしては豪華すぎるローデリヒの手料理が並んでいた。
「で、何がどうなってこうなったんだ?」
「んー、なんか物騒な物を持ってくるからさ、川に蹴落としたのさ。そしたら友情が芽生えたのよ〜」
 質問の意味を全くとらえてない、妲己の答えに幸祐はため息をついた。
「彼女たちは妲己のご学友だそうです」
 ヒルデガルドが幸祐にぼそっと、教えてくれた。
「まあまあ、お嬢様方も冷めないうちに食べてください」
「えっ、これ全部食べても良いんですか!!」
「……全部とは言ってないぞ? というか、そこのちびっこいのさりげなくさっきから食べてただろ!」
 幸祐は半分呆れ口調でぼそりとつぶやいた。
 その間にも、10人は「おいしい!」などと言いながらどんどん食べていく。

「いやー、もうグランツ教のためにテロとかどーでもよくなってきた!」
「テロ?」
 思わず口を滑らす女騎士に、幸祐達は手を止めそちらを見た。
 女騎士も、しまったと口元に手をやっていた。
「詳しく聞かせてもらった方が良さそうね」
 いつになく真剣な表情で妲己は、手に持っていたスプーンをテーブルにおいたのだった。

「あ、お疲れ様です。人質を連行中です」
 幸祐とローデリヒを縄で縛りながら、5人の女騎士と5人の軍服少女達は、テロリスト達が至るところに配置されているグリーンパークの出口まで堂々と歩いた。
「あ−、うむ。お疲――ぐわああっ!?」
 突然後頭部におそってきたヒルデガルドと妲己のすさまじい蹴りに、男はそのまま倒れ伏せてしまった。

「本当に、そこらへんテロリストだらけねえ」
 妲己が、ジト目で少女達を見ながら言った。少女達の正体はまさに、このテロリストの一味だった。
 幸祐の「只自分達で国家神を独占して王国を支配したいだけじゃないか?」の言葉に10人はあっさり納得し、脱出を決意してしまい、今に至る。
 のだが、「御怪我はありませんか、幸祐様」などと、いつの間にか少女達は幸祐と仲が必要以上に深まってしまっていた。
「マスター……」
 不安そうにヒルデガルドは幸祐の手を横から、不安そうに握りしめる。
「あ、どうやら出口はそこのようですよ」
 少女と女騎士そして、幸広達は、どうにか外に出ることに成功するのだった。