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婚活卯月祭、開催中!!

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婚活卯月祭、開催中!!
婚活卯月祭、開催中!! 婚活卯月祭、開催中!!

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 夕闇が辺りを覆っていく中、仁科 姫月(にしな・ひめき)成田 樹彦(なりた・たつひこ)は丘の頂上で沈む夕日を眺めていた。
 二人が卯月祭に来たのは、姫月がとある雑誌で卯月祭の記事を読んだのがきっかけだった。姫月は偶然、卯月祭の記事を読んで、そこに結婚の話題が載っているのを見付けたのだ。
(結婚かぁ。まだ私たちは結婚できる年齢じゃないけど、でもそうね。私達、将来は結婚もできるのよね……)
 兄である、樹彦との結婚。それは、姫月が一年前までは諦めていた事だった。けれど、戸籍的には実の兄妹ではないと分かったことで、樹彦との結婚も子供を産むことも可能である、ということが分かったのだ。
 その事実が、姫月の決意に繋がった。卯月祭に樹彦と行って、結婚の話をしよう。まだ実際に結婚するには早いけど、でも婚約ぐらいは。そう思い、姫月は卯月祭に樹彦を誘ったのだった。

 もうすぐ日も沈む。姫月は、ごくりと唾を飲んだ。今、言わなければ。姫月は、樹彦の横顔を見た。
「ねえ、兄貴。私達、……っ!?」
 それは、突然だった。
 何が起きたのかを認識したのは、姫月は樹彦の腕の中に引き寄せられ、唇を奪われた後だった。
「っ!」
 左手の薬指に、赤い宝石のついた指輪が嵌められていたのだ。紅に輝く宝石を眺めていた姫月は、はっと一つのことに思い当たった。それは、この赤い宝石がドラゴニュートにとって大切な意味を持つものだということ――。

「結婚しよう」

 樹彦の言葉は、姫月の胸の奥に響いていた。けれど、姫月はすぐに反応することができなかった。
「この指輪は、婚約の証だ。まだ結婚はできないけど、婚約ならできるだろうから」
 樹彦は、姫月の読んでいた雑誌が気になり、読んでいく中で卯月祭の記事を見付けた。そこで、姫月が結婚の申し込みをしようとしているのだろう、と勘づいたのだ。
 姫月と樹彦が付き合った時、告白は姫月からだった。だからこそ、結婚の申し込みだけは樹彦から切り出したいという、譲れない想いがあったのだ。
「姫月には、長い間俺から話を切り出せずに随分と苦しませてしまったと思う。だから――」
 樹彦の言葉を聞いていた姫月の目尻に、涙の珠がじわりと浮かんだ。胸の奥で、堪えきれない想いが膨らんで行く。
「……ひ、姫月?」
 焦ったような樹彦の声に、姫月は涙を零しながら首を横に振った。
「――うん、いいよ。だって、ずっと望んでいたんだもん。いつか兄貴のお嫁さんになりたいって」
 泣き止んでから――といってもまだ少し涙声のまま、姫月は応えた。姫月の喉の奥にはもっと言いたいことが引っかかっていたけれど、姫月にとって、今はこれが精一杯の返事だった。

 一瞬の静寂が途絶えて、周囲から一斉に拍手と祝福の声が上がった。祝福の声だけでなく、冷やかしなど様々な声が入り乱れる。
 姫月は恥ずかしそうに辺りを見回してから、樹彦の胸に身を埋めた。そんな姫月を樹彦は愛おしそうに抱きしめる。

 そして、二人はもう一度長いキスをした。


担当マスターより

▼担当マスター

八子 棗

▼マスターコメント

 初めましての方は初めまして、そしてこんにちは。記者Yの代理人(?)八子 棗です。
 ピクニック日和の過ごしやすい季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。というか、もう暑いですね。

 今回は様々な方の関係、婚活ということで恋愛関係で発展があったかと思います。
 その中で、何か一つでも皆様の思い出に残りましたら嬉しく思います。
 それでは、また他のシナリオでお会いする機会を楽しみにしております。