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リアクション
――魔王城前
「ふふふ、ついにこの日がやってきたですぅ! 教導団を打ち破り、魔王は現実世界に侵攻するですぅ!」
魔王城のバルコニーで、魔王エリザベートは自軍の兵士達を見降ろしていた。
「魔王に与したのは正解ですぅ! こっちの軍力を持って教導団を打ち破るですぅ!」
そこまで言って、魔王は大きく息を吸い込んだ。
「全軍、敵陣目がけて突撃ですぅ!!」
羽織るマントを翻しながら魔王が叫ぶと、兵士達は一斉に声を上げて教導団の駐屯地へ向けて突撃していく。
しかし、それを見てほくそ笑む男の姿があった。
――鋭峰軍駐屯地
「ふむ、魔王は予想通りに正面から来たか」
金鋭峰は偵察兵の報告を表情を変えずに聞いていました。
今回の相手は素人の上、あの性格。
間違いなく正面からやってくるだろうと考えていたが、その通りだった。
「では、各部隊は作戦通りに動け! 奮戦に期待する!」
鋭峰が整列する兵士達に指示を出すと、彼らは雄たけびの後一斉に動き出した。
「突撃してくるのであれば、誘い出して各個に撃破。 単純な相手ならばそれで済むが……」
しかし、彼には心残りがあった。
「魔王に味方した相手、どのように来るか……」
教導団でありながら相手となった人物や、過去の戦いで味方として動いてくれた心強い存在。
敵に回った彼らの動きが一番気にかかっていた。
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