リアクション
「……という、昔々のお話じゃ」
老人はそう言いながら本を閉じた。
気になるところで話を切られて子供たちもせがむように老人の服を引っ張った。
「ええーっ!? それから、それからどうなったの!?」
「お爺様、アナザ・ダイソウトウとダイソウトウはどうなっちゃうの?」
「続きはまた明日にしよう。もう遅いから、お前たちももう寝なさい」
子供たちはむくれながらも老人から手を離し、眠るために老人の部屋を後にする。
老人は眼を細めながら子供たちに読み聞かせていた本を枯れ枝のような指で優しくなぞった。
「昔、したためた本……今となっては良い思い出か……」
ポツリと老人が呟くと、子供たちが再び部屋に入ってきた。
「まだ、おやすみなさい言ってなかった! おやすみなさい」
「おやすみなさい――ひなげしお爺様」
「ああ、おやすみなさい」
言葉を交わし、ドアが閉じると今度こそ部屋は完全に静かになった。
老人はダークサイズでの思い出を懐かしむように、自らの冒険。自分がやってくるまでに聞いた物語をしたためた本を本棚に戻し、椅子に腰かけると目を瞑って、今日までの冒険の日々を思い出しながら眠りについた。
――了――
初めまして。
今回代筆を担当しました西里田篤史と申します。
僕個人は歴代グランドアイドル決定戦をもって、蒼空のフロンティアでのシナリオ作成は終了していたのですが、今回代筆のピンチヒッターとして再び筆を執った次第です。
このダークサイズのシリーズは結構長いみたいで、こんな形の幕引きになったことは返す返すも残念でなりませんが、一番残念がっているのはご自身で執筆を行えなかった大熊マスターだと思います。
大熊マスターには監修いただいているものの、代筆での執筆ということで至らぬ点も多いかと思いますが、このシナリオに参加された皆さまとは三千界のアバターでまたお会いしたいものです。
その時は、このシナリオ以上に笑えるものを作れるように精進しておきます。
それでは、失礼いたします。