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寝苦しい夏の快眠法

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寝苦しい夏の快眠法
寝苦しい夏の快眠法 寝苦しい夏の快眠法

リアクション

 ロズの夢。

 見覚えのある平行世界の研究室に懐かしさを感じていた中
「……あなたは」
 扉が開く音がして振り向いたロズは現れた自身の製作者である老いたヒスミを迎えた。
「……無事だったのか」
 老いたヒスミ、ヒスミ老は両目を少し潤ませながら驚きと喜びが滲んだ声でロズを迎えた。
「……(見たい夢など思いつかないまま使用したはずが……なぜ……望んでいたのだろうか……この人と会いたいと……)」
 ロズはじっとヒスミ老を見つめ考える。なぜこの人が出て来る夢を見たのかと心のどこかで望んでいるのだろうかと。
「どこか具合が悪いのか? あんな事が起きたせいでお前の体の調整が出来ないままだったし」
 ヒスミ老は自分の問い掛けに返答が返って来ない事に変に思い聞き返した。何せあんな事、特殊な平行世界の襲来のせいで最終調整が出来なかったから。
「……覚えているのか。特殊な平行世界がここに来た事を」
 ロズはヒスミ老の発言に思わず愚問を口にする。ここは夢の世界ロズの好きな設定で楽しめる場所。
「あぁ、死んだと思ったら生きていた。そして周りを見たらお前がいなくなっていた……心配していたんだ。最後の調整も出来ずじまいで……どこに行っていたんだ」
 ヒスミ老は肩をすくめながら心配を口にした。
「……その事は問題無い。どこにについては後で話す(ここは好き勝手が許される夢だ。あの世界の問題を解決して理由は分からないが存在を奪われた世界が復活した夢を見ているという事だろうか)」
 答えつつロズは夢の設定を改めて確認した。
 そして改めて目の前のヒスミ老を見るや
「……あなたとこうして言葉を交わす事が出来るとは思わなかった。ずっとあなたの話を聞くばかりだったので」
 ロズは再会の喜びを口にした。水槽で聞くヒスミ老が語る思い出話、やっと直に対面と思いきやヒスミ老は命を落としロズが言うようにこれが初めての会話である。
「……そうか。ゆっくりと話でもするか」
 ヒスミ老はロズの言葉でキスミを失った事を思い出し悲しみが顔に一瞬ちらつくもすぐに引っ込めてお喋りに丁度いいテーブルと椅子がある所へと案内した。
 二人だけかと思いきや数人の来客を迎える事となった。