First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
「まさかコイツらと再戦することになるなんてね……」
リネン・エルフト(りねん・えるふと)がつぶやく。
『コントラクターズ&イコンズ』で、打ち破った像賊たちが、
再び目の前に現れたのだ。
タシガン空峡の義賊【『シャーウッドの森』空賊団】団長である、
ヘリワード・ザ・ウェイク(へりわーど・ざうぇいく)も、
憤りをあらわにする。
「ろくに操縦もできないくせに。
でも、あたしたちの相手じゃないわ」
「お願いね、フェイミィ」
リネンに、
フェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)がうなずく。
「おう。まだ懲りてないってんなら、もう一度、引導渡してやるぜ!」
ナハトグランツに跨り、
フェイミィが飛び立つ。
「こっちだ、像賊ども!
あんなわけわかんねえ犬の言いなりになった上に、
人質もいないとなにもできねえのか、この卑怯者が!」
ペガサスのナハトグランツに乗り、
以前も像賊に顔バレしているフェイミィが、思い切り挑発して見せる。
「てめえ、今度こそぶっ殺してやる!」
像賊たちが、機関銃やライフルを撃って来るのを、
フェイミィはなんとかひきつける。
「ちっ、数ばっかりは立派にいやがる!」
「がんばって、フェイミィ。なんとか持ちこたえて……!」
リネンとヘリワードが、
その隙をついて、人質たちを救出する作戦だった。
ヘリワードの部下の飛装兵たちとともに、
リネンたちは、銀行に突入する。
一方、
【空京警察特殊9課候補生】の桜月 舞香(さくらづき・まいか)も、
ワイルドペガサス・グランツに跨り、
銀行に突入した。
「ふふっ。どこ見てるの? ノロマな強盗さん☆
イコンに乗ってても女の子一人捕まえられないのかしら?
ほらほら、あたしはこっちよ♪」
天馬の乙女の力で、像賊を翻弄しながら、
舞香が飛び回る。
「まいちゃん、みんな、
敵戦力は銀行外に集中しているようです」
同じく、【空京警察特殊9課候補生】の桜月 綾乃(さくらづき・あやの)が、
所轄の警察官から得た情報を、
籠手型HCで連絡する。
「じゃあ、ここさえ突破すれば、人質のところに近づけるってことね!」
「いきますよ、ホワイトアウト!」
綾乃が視界をふさぎ、
銀行の外と内部を分断する。
「うおっ!?」
舞香が、すれ違いざま、白のエナメルハイヒールで、
生身の像賊の頭を踏みつけて、
銀行の奥へと侵入していく。
純白のミニスカチアガール衣装の下からのぞくものに、
像賊の目が釘付けになったようだった。
「アンスコだから恥ずかしくないわよ?」
とはいえ、パッと見、下着と区別つかないかもしれないが。
また、
藤林 エリス(ふじばやし・えりす)も、
魔法少女に変身し、像賊を翻弄する。
「愛と正義と平等の名の下に!
革命的魔法少女レッドスター☆えりりん!
アルティメットモード! 人民の敵は粛清よ!」
純白のミニスカドレス風の衣装を身にまとい、
アルティメットモード魔法少女コスチュームで、像賊の注目を集める。
「落ちぶれたからって犬のイヌに成り下がるなんて、
あんたたちほんとに畜生以下ね!」
「なんだと、生身の女どもがいい気になりやがって!」
「その生身の相手の力、じっくりと味わいなさい!」
エリスがさーちあんどですとろいで、
像賊たちのイコンを攻撃する。
「そんなにお札が好きなら、
あんたたちも輪転機のお札みたいにペッシャンコにしてあげるわ!」
シューティングスターを浴びせながら、エリスが、
まじかる☆くらぶを振り上げる。
「喰らいなさい!
革命の名のもとに!
暴力によって、イコンの支配を打破するのよ!」
古代シャンバラ式杖術で、
ボコボコになっていたクェイルの装甲を、
エリスがさらに叩きのめす。
「うぎゃああああああ!?」
「これが、革命的魔法少女武術!
人民の敵は粛清してやるわ!」
「ここは、あたしたちに任せて、人質の救出をお願い!」
「危なくなったら、いつでも援護するわ!」
エリスと舞香に、
リネンが大きくうなずく。
「わかったわ。私たちは、裏から向かうわよ!」
「ええ!」
戦力を温存し、人質の安全を確保するため、
リネンとヘリワードたちが、銀行の奥へと走っていく。
そして、
銀行の外では。
三船 敬一(みふね・けいいち)と
白河 淋(しらかわ・りん)、
コンスタンティヌス・ドラガセス(こんすたんてぃぬす・どらがせす)、
レギーナ・エアハルト(れぎーな・えあはると)からなる、
パワードスーツ隊、カタフラクトが展開していた。
輸送車から、
オペレーターのレギーナが、通信を行う。
「敵は生身の契約者の攻撃で不意を突かれているようです」
「よし、一気に畳み掛けるぞ。
相手はイコンだが第一世代。
……きついがまあ第二世代機相手にするよりかはマシなはずだ」
敬一が通信を受け、うなずく。
「対神スナイパーライフル、照射!」
敬一の合図で、淋とコンスタンティヌスも、一斉に攻撃する。
「うわっ!」
像賊たちの悲鳴に、敬一は理解する。
「こいつら、イコンの実戦経験はろくに積んでないな。
まあ、像賊なら、普通は民家なんかを襲うだろうから、
それで一般人は蹂躙してしまうだろうから当然か」
「どうしますか?
武装と脚部の破壊に努めれば、効率的に無力化できるのでは」
淋に、敬一がうなずく。
「ああ、接敵して、立体的な機動でとどめを刺すぞ」
「双頭の鷲の名に賭けて!!」
コンスタンティヌスも、大きくうなずいた。
パワードスーツ隊・カタフラクトが、
ワイアクローを三方向から放つ。
腕や脚をを拘束され、像賊のイコンがもがく。
「くっ、ちょこまかと!」
さらに、そこに、
鳴神 裁(なるかみ・さい)が、
ギフトの黒子アヴァターラ マーシャルアーツ(くろこあう゛ぁたーら・まーしゃるあーつ)と、
魔鎧ドール・ゴールド(どーる・ごーるど)を装着し、
さらに、奈落人の物部 九十九(もののべ・つくも)を憑依させた状態で、
パワードスーツのソレンジャイを身にまとい、現れる。
「ごにゃ〜ぽ☆」
カタフラクトに拘束されたイコンを、
ソレンジャイが、思いっきり蹴り倒す。
「ボクは風、変幻自在の風(ボク)の動きを捉えきれるかな?」
「な、早い!?」
地にイコンが倒れるのと同時に、
ソレンジャイが別のイコンに一撃を加える。
「はっはー、せっかくのイコンも
そんな腕前じゃぁアトラクションとかわらんぜよ☆」
空中で宙返りして、さらに蹴りを一撃。
それで、もうそのイコンがぐらついたところを。
「ワイアクロー発射!」
カタフラクトが3人で拘束し、そのまま引きずり倒す。
「畜生、なんなんだ、こいつら!」
「パワードスーツの分際で!」
「はっ、数少ないPS使いとして第一線張ってんだ、
今更トーシロの乗る旧式なんざこわないわ!」
ソレンジャイが蹴りをさらに放つ。
そして、ソレンジャイは、
イコンのライフルは、素早く動いてかわして見せる。
「小さい的に当てるのは大変だよね☆」
「くっ、この野郎!」
「おい、俺たちのことも忘れてもらったら困るぜ?」
敬一たちの部隊、カタフラクトも、
隙のできた像賊を追い詰めていく。
「ごにゃ〜ぽ☆」
ソレンジャイがサムズアップするのに、
敬一たちも応える。
(これで、空京警察もパワードスーツを評価してくれるといいんだがな)
敬一は、契約者でなくても使えるパワードスーツがあれば、
こうしたイコンを使った犯罪にも対応できると考えていたのだ。
「さあさあ、ボクをつかまえてごらん☆」
「このっ、さっさと叩き潰せ!」
しかし、ソレンジャイを像賊たちは捉えることができない。
「ほとんどチートに近いな。
だが、俺たちも負けてはいられないぞ」
「ええ、効率的に倒していきましょう」
「民を虐げる賊どもに後悔させてやろう!」
ソレンジャイの活躍を見て、
カタフラクトのメンバーも奮起し、
パワードスーツ隊たちは、
市街戦で、その本領を発揮するのであった。
生身やパワードスーツの相手を舐めていた像賊たちだったが、
仲間がやられていくのを見て、
次第に浮き足立っていく。
その隙に、侵入したリネンたちが、
少しずつ人質を安全な場所へと誘導していたのだった。
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last