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新ジェイダス杯第1回

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新ジェイダス杯第1回

リアクション

 

12ターン

 
 
『さあ、トップグループはついに最終コーナーにさしかかってきました。
 ここには、パラミタ大陸から連れてこられた大型海洋生物が配置されています。
 しかし、これって、地球の生態系を崩しかねないんじゃないでしょうか』
『大丈夫だ。この生き物は、ペットとして、薔薇の学舎近くの池で飼われているもので、本来はおとなしい。
 まあ、今日だけは、好きにごちそうを食べてもいいとは言ってあるが……』
『ごちそうですか……。
 さあ、はたして、そのごちそうとなってしまう選手が現れてしまうのでしょう。
 トップで、天城一輝選手が侵入していきます。
 おっと、天城一輝選手、ここで一気に勝負に出るか!?』
 シャレード・ムーンの実況通り、突如海中から姿を現したパラミタ天然伊勢エビ君の真紅の巨体を前にした天城一輝が、乗っているヴォルケーノからミサイルを発射した。信管を外されてエアバッグを巻かれたミサイルが、海面にあたって水飛沫を上げる。それをスクリーンにするかのように、水面すれすれを飛行していた真紅の小型飛空艇が突っ込んでいった。
 水飛沫を浴びると、水溶性絵の具の塗装が剥がれて、飛空艇のボディが海と同じ青に変わった。迷彩色で、飛空艇が判別しにくくなる。
 巨大なハサミを振り上げていたパラミタ天然伊勢エビ君が獲物を見失って、飛び出した目をクルクルと回転させた。
 その隙に、天城一輝がバーストダッシュを発動させた。小型飛空艇が水上バイクのように海面すれすれを跳ね飛びながら急スピードで飛んでいく。まだ天城一輝を見つけられないパラミタ天然伊勢エビ君のすれすれを猛スピードですり抜けて、そのまま天城一輝がトップに立った。
『天城一輝選手、みごとにパラミタ天然伊勢エビ君……でいいんですか、あれの名前?』
『うむ。問題ない』
 シャレード・ムーンのささやきに、ジェイダス・観世院が自信を持ってうなずく。
『ええと、パラミタ天然伊勢エビ君をみごとにやり過ごしました。
 さあ、一つ遅れた他の選手たちも、伊勢エビエリアにむかって急ぎます。
 先頭は、綺雲菜織選手、続いてはカレン・クレスティア選手と神代明日香選手がならんでいます。
 やや遅れて、ハーリー・デビットソン選手、それを追いかける緋桜ケイ選手。この両選手も、たびたび激しい順位争いを繰り広げております。
 やや離れた場所では、秋月葵選手と皆川陽選手がならんだ。この戦いも見物となってまいりました。
 ラストは、南鮪選手に先行された笹野朔夜選手です。さあ、走るのが速いのははたしてどちらの選手か』
 
    ★    ★    ★
 
『それでは、順位表です。そろそろ終盤。このままの順位で決定してしまうのでしょうか。それとも、また一波乱も二波乱もあるか?』
 
1  天城一輝
2 ▼綺雲菜織 彩音・サテライト
3  カレン・クレスティア
  △神代明日香
5  ハーリー・デビットソン
6  緋桜ケイ 悠久ノカナタ
7  秋月葵 魔装書アル・アジフ
   皆川陽 テディ・アルタヴィスタ
9 △南鮪
10▼笹野朔夜