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リアクション
とある六月の日、ジュンコ・シラー(じゅんこ・しらー)はマリア・フローレンス(まりあ・ふろーれんす)を呼び出した。
「突然呼び出して、どうしたの?」
「マリアに、私の正直な気持ちを聞いてもらいたいのですわ」
ジュンコはそう言ってマリアを真っ直ぐに見据えると、口を開いた。
「私が今までにどのような試練にあっても、それを乗り越えて幸せな日々を生きる事ができたのは、マリアが一緒に立ち向かってくれたからですわ。
今度は、私と生涯を共に歩みたいというマリアの願いを叶える事で、マリアを幸せにしたいと思っておりますの」
ですから、とジュンコは言葉を続ける。
「結婚しましょう」
ジュンコのプロポーズはシンプルだったが、マリアの心には真っ直ぐ響いた。
「でもそれだけが理由ではなくて、愛するマリアと生涯を共に歩みたいということでもありますのよ」
そう、ジュンコは付け足して微笑んだ。
「私もジュンコに、今の気持ちを聞いて欲しいの」
マリアはそう言って、微笑んだ。
「私が試練にあった時に、ジュンコはいつも一緒に立ち向かってくれたわ。そしてたくさんの幸せをくれたの。
ジュンコと生涯をともに歩むことで、少しずつでも恩返しができれば嬉しい……そう、思っているの」
ジュンコと同じように、マリアは言葉を続ける。
「私も、ジュンコと同じ気持ちでいるの。それに私も、愛するジュンコと生涯を共に歩みたい」
そう言って、マリアはジュンコのプロポーズを喜んで受けたのだった。
それからしばらくして、二人は小さな教会で結婚式を挙げることとなった。
純白のマーメイドラインウエディングドレスを来たジュンコと、純白のAラインウエディングドレスを着たマリアは、二人ともとても美しく、目を引いた。
ドレスを着た二人は並んで神父の前に立ち、愛についての説教を聞いた。
そして、ジュンコとマリアは結婚の誓約を結ぶ時がきた。
「ジュンコさん。その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、共に生きる事を誓いますか?」
神父の言葉に、ジュンコは大きく頷いた。
「誓います」
「マリアさん。その健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、共に生きる事を誓いますか?」
今度は神父がマリアに問うた。マリアも、ジュンコと同じように微笑んで頷く。
「誓います」
親しい人たちに見守られる中、ジュンコとマリアは誓約を結んだ。これから二人は、夫婦として未来を共に生きて行くこととなるのだ。
一通りの式を無事に終え、二人は教会の外に出た。
参列者からの祝福のフラワーシャワーを浴びて、ジュンコとマリアは幸せそうに微笑み合う。
ジュンコとマリアは腕を組んで皆の前を歩いていく。その道の途中、ジュンコはブーケを高く投げ上げた。
ブーケは二人を祝福する声が響く6月の空を舞った。ジュンコたちの背後から、歓声が挙がる。
二人は誰かに幸せを運んで、そしてまた歩き出したのだった。
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