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お月見の祭り

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お月見の祭り
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「宇宙一の月うさぎの餅を分けてくれよ」
 シャウラ・エピゼシー(しゃうら・えぴぜしー)金元 ななな(かねもと・ななな)が、たいむちゃんの元にやってきた。
「恋人同士ね?」
「「ビンゴ」」
 シャウラとなななは、顔を見合わせて笑い合う。
 シャウラは、なななを楽しませられることをしたい、と考えて、なななをこのお月見の祭りに誘った。
「ゼーさんゼーさん! M76星雲からの電波が、こんなに!」
 ぴょこぴょこと毛を揺らすなななを、シャウラは愛おしそうに見つめる。
「ゼーさんとお月様を眺めてるのって、なんでこんなに楽しくて暖かいんだろうねー」
 なななも、シャウラと一緒に過ごす時間が楽しくて仕方ないというように、満面の笑みを浮かべた。

 シャウラとなななは、うさぎのストラップやぬいぐるみが置いてある売店にやってきた。
「何か、一緒に持ちたいものって言われたら、どれを選ぶ?」
「えー、ちょっと待って!」
 なななは、あれこれと近くの物を一通り物色した後、うさぎのマークの刻まれた指輪を指差した。
「宇宙刑事専用指輪をペアで」
 そう言って、シャウラが指輪を二つ差し出した時、
「ポムクルさんたちも欲しいのだー」
 シャウラの鞄から、ポムクルさんたちがわらわらと顔を出した。
「……いつのまに鞄に!?」
「宇宙刑事ポムクルさんも欲しいの?」
「ほしいのだー」
 なななはすっかりポムクルさんたちと話し込んでいる。
「そういや、ポムクルさんたちも宇宙刑事だったな。それなら、欲しくもなるよな」
 シャウラはなななの楽しそうな様子を見て、ポムクルさんたちの分の指輪も渡した。
「可愛い宇宙刑事仲間が増えたな」
 シャウラから指輪をもらったポムクルさんたちは、嬉しそうに指輪を掲げていた。
 ポムクルさんたちにとっては、指輪ではなく腕輪や冠になっているのだが。

 竹林の東屋で二人きりになると、シャウラは月うさぎの餅を半分に割った。
「静かだねー、電波も遮られる物がないしー」
 なななとシャウラは月うさぎの餅を食べ終えて、一息ついた。
「あのさ、ななな……今度地球から親がくるんだ」
 シャウラが、そう切り出した。
「会ってやってくれないか? ……いや、会わせろってうるさくてさー」
 照れ隠しのように苦笑するシャウラ。
「おつきあいしてくれてる宇宙一大切な女性だって紹介するつもりなのさ」
「うん! 是非会いたいな!」
「ありがと」
 シャウラはほっとしたような表情で、軽く額にキスをした。
「らぶらぶなのだー」
「おっとポムクルたちはあっちで遊んでてくれよ」
 冷やかすなよ、囃し立てるなよ? とシャウラが念を押すが、遠くからポムクルさんたちは「ひゅーひゅーなのだー」と口々に騒いでいる。
「ゼーさんとラブラブだって」
「ま、気にすんなよ。本当のことだろ?」
 そう言ってシャウラは、なななともう一度ちゃんとしたキスをした。