波羅蜜多実業高等学校へ

葦原明倫館

校長室

空京大学へ

【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』

リアクション公開中!

【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』
【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』 【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』 【5周年記念】スペシャル番組『パラミタ大陸』

リアクション



柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)の一日】

 恭也の朝は少し遅めに始まる。
 斬る、焼く等の調理しかしない簡単な朝食をぱぱっと用意し、ささっと食べる。
 それが終われば自分の装備の点検をする。
 ぼーっとしながらも、手さばきは見事。……やる気があるのかないのか、謎である。

 昼は恋人であるアイリ・ファンブロウ(あいり・ふぁんぶろう)とパトロールに出かける。
「あーだりぃ……」
「ちゃんとパロトールしますよ! ほらほら!」
「してるしてる。このかっぴらいた目が全部網羅してるぜー」
「半開きじゃないですか!」
 そんなやりとりをしながらのパトロール。
 端から見れば恋人同士がイチャついているようにしか見えない。
「ほら、ちゃんと、目を開けて下さいっ!」
「いてててっ! わかったわかった、だから手を離せぇ!」
 いや、誰の目から見てもイチャついているようにしか見えない。
 だがそれは昼までだ。

 夜になり、アイリと別れることになる恭也。
「まったく……明日はちゃんとやりますよ」
「へぇへぇ」
 アイリの姿が完全に見えなくなるまで見送った恭也。
 と、恭也の目つきが変わる。
 我々もあまり見たことがないがよく耳にする、“戦闘狂”という単語。
 それを、目の前にいる恭也から容易に感じ取ることが出来た。
「さぁて、潰すとしますか」
 突如として機敏に動き始める恭也に、カメラが追いつくことは出来ない。
 完全に彼を見失ったの束の間、どこからか男性の悲鳴が聞こえる。
 慌てて声がした方に向かうと、ゴロツキのような男たちが重なり山になっていた。
「……、そういやこれ、アイリも見るんだっけか。ミスったなー」
 その言葉を残して、恭也は空へと消えた。我々が撮影できたのは、そこまでである。

 これが柊 恭也の一日――