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【ざんすか内乱】ふっかつのしゃんばら【最終話/全3話】

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【ざんすか内乱】ふっかつのしゃんばら【最終話/全3話】

リアクション

■□■3■□■「アーデルハイト……何度でも殺してくれるわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ひょあああああああああ!!」
恐ろしげな声をあげながら、地獄の天使の翼を出し、レイス2体を連れ、呪術師の仮面を被った
カレン・クレスティア(かれん・くれすてぃあ)がたしがんに突っ込んでくる。
「今、ちょうどネクロマンシーを学んでいるからいろいろ試したい儀式があるんだ。
 イルミンスールでやると大ババ様に怒られるし、
 実験台もいないから、今ここで試させろ〜」
悪の魔女風にたしがんを脅すカレンは、くうきょうを救うのが目的だったが、
やってるうちにノリノリになってくる。
「これは数万年前の粘土板!
 そしてこっちは邪神像!
 そして、これが、きっと他の物も出るだろうと地祇の宝箱を開け続けたのに、
 結局それしか出なかったと言う、怨念のこもった観光地の絵葉書だー!」
よくわからない文字の刻まれた粘土板と、
鬼の形相をした出来の悪いフィギュア、
そして観光地の絵葉書を、たしがんの周りに配置する。
たしがんを抱えて、カレンはけれん味たっぷりに言う。
「地祇は不老不死なんだってね〜。
 だったら生命吸収の儀式で君の力を吸い取れば、ボクが不老不死になれるんだ!」
ジュレール・リーヴェンディ(じゅれーる・りーべんでぃ)も、
たしがんを捕まえる手伝いをする。
(まあ、これで怖がって反省してくれればよいのだがな)
「フフフフフ。
 なかなか面白いじゃないか」
しかし、たしがんは逆に喜んでしまった。
「ええー!?
 ほら、絵葉書、怖くないの!?
 絵葉書だよ!!」
「カレン、地祇の宝箱を開け続けてがっかりした気持ちはわかるが、
 絵葉書は怖くはないだろう」
たしがんに絵葉書を突きつけるカレンに、ジュレは突っ込みを入れる。

そうしている間に、ジュリエット・デスリンク(じゅりえっと・ですりんく)は、
ヴぁいしゃりーに接近する。
「本来なら、新王国の首都にはヴァイシャリー、
 女王の座にはラズィーヤ様こそがふさわしいのですわよ。
 桜井校長? ああ、宦官長でも務めていただきましょう。
 それをミルザムだのつぁんだだのくうきょうだのが云々するとは全く生意気ですわね!
 アムリアナ様復活?
 まあ、それはそれというものですわ!
 微力ながらヴぁいしゃりー様に助太刀いたします」
「まあ、またしてもお嬢様キャラですのね。
 先日のドリル娘といい、わたくしとキャラが被るような者が来すぎですわ」
「わたくしとキャラが被る?
 まあ、ヴぁいしゃりー様ともあろうお方がなんと情けないご発言を。
 命令されるまでもなく意地悪を働くエピゴーネンの取り巻きがいてこそ、
 本物のお嬢様キャラが引き立つというものではございませんか」
「本物のお嬢様キャラ?
 そうですわ!
 わたくしこそが地祇の中の貴族!
 真のお嬢様、ヴぁいしゃりーですわよ!
 おーほっほっほっほ!」
ジュリエットにおだてられ、ヴぁいしゃりーは笑う。
「ですからここは勝手にお気持ちを忖度(そんたく)して群小地祇どもにトラップを仕掛けて参りますわ。
 といっても『トラッパー』で大規模な落とし穴を掘るだけですけれど」
シャンバラ人のジュスティーヌ・デスリンク(じゅすてぃーぬ・ですりんく)は眉をひそめる。
「お姉様!
 お姉様はくうきょうさんが可哀想だとは思われませんの?
 ああ、可哀想なくうきょうさん」
ヴァイシャリー湖畔の逢引スポットの地祇の岸辺 湖畔(きしべ・こはん)を指し示し、
ジュリエットは言う。
「では、くうきょうと湖畔のどちらが大切ですの?
 ヴぁいしゃりー様が力をつければ、
 近所の地祇であり、わたくしのパートナーである湖畔が力をつけることは必然!
 もし、ヴぁいしゃりー様が敗れれば、ともに地祇界を追われるかもしれなくてよ!」
「それは……そういう問題ではありませんわ!」
(あやうくお姉様の詭弁にひっかかるところでしたわ)
ジュリエットのでまかせに、ジュスティーヌは何とか平常心を保つ。
湖畔は、ヴぁいしゃりーに一礼する。
「ヴぁいしゃりー様、お懐かしい……」
「誰ですの、あなた?」
「え、ボクのこと覚えてない?
 そんなぁ、つれないよ。
 ボクはヴぁいしゃりー様が【蒼フロ倫】とか【蒼フロ倫】とか【蒼フロ倫】とか
 やらかしたことを全部覚えてるのになぁ」
「ちょ!?
 どうしてそのようなこと!?」
湖畔の発言はでまかせであったが、いかにもヴぁいしゃりーのやりそうなことであり、
実際にやったことであったらしい。
「あ、思い出してくれた?
 ボクはヴァイシャリー湖の味方だから、口外しないよ大丈夫だよ。
 じゃ、昔の【蒼フロ倫】な話で連中をちょっとからかってくるね」
英霊アンドレ・マッセナ(あんどれ・まっせな)も言う。
「別にどっちが勝とうと知ったことじゃないじゃん!
 でも、ジュリエットの落とし穴作戦は面白そうだから乗ってみるじゃん!
 憤った地祇たちが突進して穴の中へどかどか落っこちる様子を想像するだけで楽しいじゃん!」
アンドレも一緒にトラッパーで落とし穴を仕掛けたのであった。
「落とし穴の向こう側から、
 湖畔が群小地祇どもの過去のスキャンダルを声高に呼び立てれば、
 単純な群小地祇どもは見境なく突進してきて見え見えの穴におっこちた上に、
 昔の諍いを思い出して仲間割れすることでしょう。
 そうそう、ジュスティーヌ。
 くうきょうの居場所を捜索している方々に連絡してもよろしくてよ」
「え、よろしいんですの?
 やはりお姉様にも惻隠の情が残っておられたのですわね……。
 本当によろしいのですわね? では早速携帯で連絡を入れさせてもらいますわ」
(勿論構わないわよ。だって、その連絡したルート上に落とし穴を仕掛けるのですもの)
ジュスティーヌを見て、ジュリエットはほくそ笑む。
「なんだか知りませんけれども、
 心強い味方ができましたわ!
 ざんすかども、見てらっしゃい!
 シャンバラを統べるのはこのわたくしよ!
 おーほっほっほっほ!」
ヴぁいしゃりーは高笑う。

かくして、ざんすか達が走ってきたところに、湖畔は、
適当な捏造過去を「暴露」する。
「あの時、ざんすかは【蒼フロ倫】な結果、【蒼フロ倫】にされたし、
 つぁんだも悪事がバレて【蒼フロ倫】な目にあったし、
 ひらにぃは【蒼フロ倫】だし、
 きまくは存在そのものが【蒼フロ倫】だよね?」
「どうして知ってるざんす!?」
「うわああああ! そんな過去を知ってる奴は消してやる!」
「オマエ、コロス」
「ひ、ひどいだよー!」
湖畔の言ったことはでまかせだったのだが、
ざんすかもつぁんだもひらにぃきまくも、頭に血が上って、落とし穴に突っ込んでくる。
「ぎゃあああ! こんな目にあうのもつぁんだのせいざんす!」
「どうして僕が! ざんすかが悪いんだろ!」
「オマエ、コロス」
「うわあ、ひらにぃ、ここで、ドリルを振り回さないでけろー」
「おーほっほっほっほ!
 やはり、最後はこのわたくしが勝利するのですわ……がごっ!?」
ヴぁいしゃりーは落とし穴の中でケンカするざんすかを見下ろしていたが、
頭に金タライが激突する。
「どなたを生け贄にしてどなたを強化したいのか、申し上げておりませんでしたっけ?」
藤原 優梨子(ふじわら・ゆりこ)が仕掛けた金タライであった。
「ユー達、全員、許さないざんす!」
落とし穴から這い上がったざんすかは、
ジュリエット、ジュスティーヌ、アンドレ、湖畔、優梨子をお星様にした。
「きゃああああああ!?
 わたくしはあきらめませんわよ!」
「ああ、必ずや悪は滅びると決まっているのですわ……」
「しかたないじゃん、お星様になって地祇達の泥沼の争いを見てやるのもオツじゃん!」
「ざんすかは【蒼フロ倫】なこともあったんだよー」
「ウボァーッ」
ざんすかは向き直ると、ウィリアム・吉田(うぃりあむ・よしだ)ヨーゼフ・八七(よーぜふ・やしち)も、
ついでにぶっ飛ばした。
「なんだかムカつくのがおさまらないから殴らせるざんす!」
「なんでワタシー!!」
「……」
ウィリアムは理不尽な扱いに抗議し、ヨーゼフはとうとう一言も発しないままお星様になった。
「むー、ボクの悪の魔女作戦が通用しないとは!
 やるね、たしがん!
 そういえば、くうきょうは汚染されてるんだよね?
 お湯で拭いてきれいにしてあげるよ。
 ついでにたしがんもね」
カレンは、火術と氷術でお湯を作り、くうきょうとたしがんの服を脱がせて拭き始めた。
「きゃー、きもちいいー」
「やめたまえ、破廉恥だろう」
くうきょうは裸を恥かしがったりはしなかったが、
たしがんは抵抗して嫌がる。
剣の花嫁のアストライト・グロリアフル(あすとらいと・ぐろりあふる)が、どさくさにまぎれて
クライス・クリンプト(くらいす・くりんぷと)からゴスロリ衣装を取り返して着替えたのを見て言う。
「うひゃっほう、ゴスロリ女装腐男子なんてレアキャラ発見!
 なあなあニーチャン、いやネーチャンのほうがいいか?
 女装のコツとかあったら教えてもらえねーかな?
 なかなか一人じゃ上手くいかなくてさ……」
「どちらでも呼びたいように呼ぶがいいよ。僕は僕なのだから。
 僕に教えを請うのはなかなか感心だね」
「あと、やっぱりそういう格好してるってことは男×男派だったりすんのか?
 両方普通、片方女装、両方女装……。
 もしかして片方は普通にネーチャンで「おねーさま」とか言っちゃうクチ?」
「好きになったら関係ないね。なんでもありだよ」
「おお、スゲー!」
たしがんの言葉に、アストライトは感心する。
「……あのね、それはチャートで9を出した人向けの行動でしょ?
 だいたいくうきょう君を助けようって時に
 たしがん君と仲良くしようってのはどういうつもりなのかしら。
 というわけで……反省なさい!」
リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)は、
くうきょう救出のためたしがんがあきらめないようならざんすかラリアットでお星様にしようとしていたが、
なぜか、アストライトをざんすかとの間で打ち合うというのが始まってしまった。
「やるわね、ざんすか!」
「ユーもなかなかざんす!」
壮絶なラリーが続く。
英霊中原 鞆絵(なかはら・ともえ)は、その様子をしばらく見守った後、言う。
「リカさん、それ以上やったらアストライトさんがおかしくなってしまいますよ。
 それに今は別の目的があるのでしょう?」
「ハッ、そういえば!」
ズタボロになったアストライトを放り出し、リカインは我に返る。
地祇空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)は、
笑顔を浮かべたままたしがんに近づく。
「いけませんねぇ、黒魔術なんて人目をはばかってこその所業」
光術をたしがんに向けつつ、狐樹廊は言う。
「それにまがりなりにも自らが属する地域を冠する大先輩、
 それを地祇きっての実力者、『2010年5月27日1時14分、キャラクター検索調べ』である、
 手前が見捨てたとあっては二度と彼の地の敷居をまたげないというもの。
 それに足長おじさんとか光源氏と申されましたか、
 今から手前色に染めていくのもなかなか味なものだとは思いませんか?
 嫌ですね、もちろん冗談です。ええ、合体するときは是非ともお近くで見守らせていただきますとも」
くうきょうを背にかばいつつ、狐樹廊は言う。
「フフフ、かっこいい声だね。
 37レベルとかいうのも、なかなかじゃないか」
たしがんは余裕を失わない。
そこに、
青 野武(せい・やぶ)と、
守護天使黒 金烏(こく・きんう)
英霊シラノ・ド・ベルジュラック(しらの・どべるじゅらっく)
機晶姫青 ノニ・十八号(せい・のにじゅうはちごう)が現れた。
「再び叡智の光を示す為に!
 くうきょう救出作戦成就の為に!
 ザンスカールよ、我輩は帰ってきた!!」
野武は解説を開始する。
「我輩もただ星になっていた訳ではぬわぁい!
 この時間を利用して、十八号重武装バージョンを密かに開発しておったのだ!
 名付けて『SY−03α“電動ビーム”』であーる!
 SPについては心配無用!
 十八号はSPリチャージを持っておる故、
 マスターシナリオ講座第7回準拠で倍付け、
 ポッド2連射+レーザーライフル弾幕援護+SPリチャージを用いてもさらに2連射が可能であーる!
 ……全弾一斉掃射が可能でないのはちと哀しいが、そこはまだα版ということで。
 装甲が薄いとな? 合体が前提であるから、他者に任せておけばよい!
 念には念を入れ、我輩も弾幕で援護につく。
 黒、シラノ、支援を頼む。
 のゎあに、当たらなければどうということはない!」
(野武……使い古された六連ミサイルポッド連装ネタの上に、
 そんなにメタ発言とどこかで聞いたような発言を繰り返して……
 きっと亜宇宙で一時的な酸素欠乏症に……)
そう思いつつも、金烏は補佐を行う。
「任務了解。闇黒ギロチンによる敵迎撃モードに入ります。
 十八号SY−03モードへの直撃・至近攻撃は全て迎撃するであります。
 こんなこともあろうかと、ミサイルポッドの補充弾体を大量に準備しておいたのであります。
 SPがある限り何度でも次弾装填可能でありますぞ。
 なにしろ購買で通常に手に入るアイテムですからな。
 ……これを置いている購買もいかがなものかとは思いましたが」
「さすがは青。
 素晴らしい……この高火力!
 まさに【秋葉原四十八星華】の精神が形となったようだ!
 ……しかしその“電動ビーム”というネーミングセンスはいかがなものかと」
シラノは突っ込みを入れつつ、要請に従い、護衛を行う。
「このシラノ・ド・ベルジュラックが、命という名の盾となろう!
 この槍と盾にかけて、ミサイルポッドと弾薬庫には指一本触れさせぬぞ!」
「やあ。お父さん、この装備、ものすごく重いですよ。
 ええと、今回は合体に参加した上でレーザーライフルで弾幕を張りながら、
 六連ミサイルポッドを多連攻撃すればいいんですね?
 ……でも、ミサイルを全部撃ったらSPが足りなくなりませんか?
 ……あと、装甲が薄くないですか?
 これで直撃を食らったら誘爆フラグですよ?
 当らなければ平気?
 そうですか、ちゃんと考えてあるのですね。流石はお父さん」
十八号は、重武装になって動きが鈍くなりつつも、「お父さん」こと野武に従う。
「こらこら、シリアスシナリオで同じことを試みて、
 不採用になっても知らんからな?」
ミレイユ・グリシャム(みれいゆ・ぐりしゃむ)とともに、追いついてきたアーデルハイトが突っ込みを入れる。
「アーデルハイト……何度でも殺してくれるわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ぎゃあああああああああああああ!?」
そこに、メニエス・レイン(めにえす・れいん)が突っ込んできて、
思いっきりアーデルハイトを野球のバットで撲殺した。
「いまや、野球のバットがトレンドらしいじゃない……。
 【イルミン一の凶悪犯】と呼ばれたあたしにこそふさわしいわ!」
メニエスは続ける。
「空京とか滅べばいいのよ! あんな地球文化に侵略された町は!
 空京なんて早くスフィアも真っ黒にして地祇もろとも滅んでしまえばいいのよ!
 グランドシナリオで7に投票したしね。
 もちろん『7』よ! 闇よ!
 それに、これ以上神子が増えてもあたしは困るのよ、早く生贄の儀式をしてもらわなくちゃ」
吸血鬼ミストラル・フォーセット(みすとらる・ふぉーせっと)も、メニエスをかばいながらヴぁいしゃりーを煽る。
「今からこの儀式でヴぁいしゃりー様は貴様らなど比べ物にならないくらい強くなるのだ!
 邪魔をすると後で後悔しますわ」
ヴぁいしゃりーはきょとんとしていたが、
すぐに調子に乗る。
「おーほほほほほ!
 わたくしの新たな従者よ!
 邪魔なざんすかどもを蹴散らしておしまい!」
「せっかくネクロマンサーになったっていうのに、
 アンデッドは普通の「ペット」と同じ扱いで、連れて歩くしかできなくて、
 召喚できないっていうじゃないの!
 そのせいで、ゾンビやグールの臭いが服や髪にうつっちゃったわ!
 どうしてくれるのよ!」
「誰に向かってキレておるのじゃ、そう言うなら禁忌の魔法になど手を出すのはやめ……ガフッ!?」
復活したアーデルハイトを、またしてもメニエスは撲殺した。
「よし、十八号よ、メニエスを倒すのだ!」
「わかりました、お父さん」
野武は十八号にミサイルで攻撃させる。
「ぬぉわはははは、圧倒的ではないか我が軍は」
その結果、メニエスの連れてきたアンデッドを倒すことはできたが。
「ぎゃああああああああああ!?」
アーデルハイトも殺してしまった。
メニエスは、ミサイルを喰らっても喰らっても、ゾンビのように立ち上がる。
「これが、痛みを知らぬ我が躯の力よ……!」
「メニエス様から離れなさい!」
十八号と金烏とシラノに向かって、ミストラルは爆炎波を放つ。
「おぎょろごあああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
しかし、喰らったのはメニエスであり、炎熱攻撃に極端に弱くなっていたせいで、火だるまになった。
「きゃあああああああ!?
 メニエス様ー!?
 182パーセントで燃えていらっしゃいます!!」
ミストラルが絶叫する。
メニエスメニエスメニエスメニエスメニエス
メニエエエエエエェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェス!!」
復活したアーデルハイトが、激怒して走ってくる。
ざんすかも、火だるまになって走り回るメニエスの前に躍り出る。
「アーデルハイトが名前にリンク貼りまくることで怒りを表現してやがるざんす!
 ミーも許さないざんす!」
「いいかげんにしやがれざんす!!」するのじゃ!!」
ざんすかとアーデルハイトに、メニエスとミストラルは同時にぶっ飛ばされる。
「ぎょわおおおおおおおおおおお!?」
「メニエス様ー!?」
火だるまのメニエスは、十八号に突っ込んで、誘爆を発生させた。
「フラグが回収されましたよ、お父さん」
「ぬぉわはははははははは!
 失敗は成功の母!
 自爆は男のロマンよ!」
「メニエスさんの身体がどうなっているかも興味深くはありますな」
「またしても星に……次こそは月へと至ってみせますぞー!」
メニエスとミストラルとともに、十八号、野武、金烏、シラノも一緒にお星様になるのだった。

そんな中、神代 明日香(かみしろ・あすか)が、ざんすかにつかつか近寄る。
「アーデルハイト様が何度でもぶっ飛ばされるのは全然構わないのですけど、
 2度も続けてエリザベートちゃんが追って行ってしまったじゃいないですか〜ぷんぷんぷん。
 道のりチャートで何出しても遺跡までご一緒できない仕様だったのも含めて許しませんよ〜」
「そんなの知るかざんす!
 だいたい、チャート作ったのはしゃんばらだいこうやざんす!」
魔道書ノルニル 『運命の書』(のるにる・うんめいのしょ)が、それを見て機転を利かせる。
「明日香さん、エリザベート様こちらにいますよ」
ノルンはさらに誰かに向かって言う。
「前回忘却の槍で串刺しと言っていますが
 物理的な槍だと本当に刺さった時にグロいので光条兵器の槍を準備されています。
 物理的な槍だと間違って刺さった時に凄惨な描写になってしまうので
 魔法の槍に変更するためという名の通訳ミスです。すいません」
「なんの話してやがるざんす!?」
「エリザベートちゃーん」
明日香はエリザベートに駆け寄り、ノルンはざんすかに言う。
「いくら地祇の皆さんが合体できるからといって、
 身体ばかり大きくなってはだめです。
 人との付き合い方、あしらい方を覚えないといけませんよ」
「それそのままユーのパートナーに言うざんす!」
明日香の投げた光条兵器の槍が、ざんすかをかすめて地面に刺さる。
「エリザベートちゃんは本当にかわいいですねー」
明日香はエリザベートの方しか見ていない。
「アスカ、エグいですぅ」
エリザベートも思わずつぶやく。
「バカにしやがって許さないざんす!」
「お、おい、合体の前に死ぬのはヤバいよ」
明日香にビビッているつぁんだにもなだめられ、ざんすかは引き下がらせられる。

「で、ヒーローショー会場はここでよいのか?」
アーシュ・タルト(あーしゅ・たると)は、
パートナーの魔道書ナーサリー・ライムズ 『マザー・グース』(なーさりーらいむず・まざーぐーす)が楽しみにしている、
「地祇合体しゃんばら」とかいうヒーローショーが行われると思っており、
「ヒーローショーが嫌で逃げ出した」ヴぁいしゃりーを捕まえに来たのだった。
「レッド:ざんすか
 ブルー:つぁんだ
 ピンク:ヴぁいしゃりー
 イエロー:きまく
 グリーン:ひらにぃ
 ブラック:たしがん
 ……という感じなのであろう。
 ピンクはヒロインなのだから、いないと困るぞ」
アーシュはじたばた暴れるヴぁいしゃりーをざんすかの前に連れてくる。
「ざんすかー、
 わるいやつらをラリアットでやっつけちゃってー!」
『マザー・グース』は無邪気な笑顔で言う。
「ええい、放しなさいっ!」
ヴぁいしゃりーはアーシュに抵抗する。
「僕を捕らえるとは、さすがだね。フフフフフ」
たしがんは、狐樹廊に捕まっていた。
「手前が察するに、たしがん殿は六都市の地祇の中では三番目くらいの弱さでしょう。
 つぁんだ殿とヴぁいしゃりー殿は対して違いないでしょうから、
 その次に弱いたしがん殿の実力もたかが知れているでしょうとも」
「ど、どうしてそれを知っていますの!?」
狐樹廊の言葉に、ヴぁいしゃりーが驚く。
「知れたことです。野心の強さと実際の強さが反比例するのでしょう?
 つぁんだ殿とヴぁいしゃりー殿は、
 明らかに一番野心が強く、
 貴族としてお金に執着しないヴぁいしゃりー殿のほうが、
 つぁんだ殿より少しだけ強いというようなものでしょう」
「な、なんてこと言うんだ! そ、そんなはずないじゃないか!」
事実を指摘され、つぁんだが狼狽する。
こうして、アーシュと狐樹廊により、ヴぁいしゃりーとたしがんは合体の儀式に連行された。
「わーい、ざんすかのショーがはじまるー!」
『マザー・グース』は、アーシュの手にちょこんと座ってわくわくして儀式を待つ。
『マザー・グース』は、アーシュの3歳のときの姿の、手のひらサイズの女の子であった。
「そういえば、気になってたんだが」
七尾 蒼也(ななお・そうや)は、ざんすかにたずねる。
「ざんすかは、誰にスフィアを渡したんだ?」
ざんすかは答える。
「ふさわしい相手を探す前に、
 マホロバの黄泉之防人が死んでしまったので、
 6都市の地祇は誰にもスフィアを渡してないけど、
 その後は、古王国末の混乱期に、
 ミーはつぁんだ達にぶっ殺されたり、
 シャンバラが滅んだりして、スフィアがどうなったかなんてわからないざんす!」
「さあ、早く儀式を開始するのである!」
「しゃんばらを復活させるじゃた」
しゃんばらだいこうやとじゃたが言い、遺跡で儀式が開始されるのであった。