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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編

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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編
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■□■11■□■ 3本の槍

宮殿にて。

現在・桐生 円(きりゅう・まどか)は、
未来の自分に現在・ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)に槍を持っていくように言われた。
「あっ歩ちゃんも一緒にいく? 表に槍置いてあるから持っていけって」
「うん。でも、槍って?」
現在・七瀬 歩(ななせ・あゆむ)は、
現在・円とともに外に行き、「槍」を発見する。
「3ぼんのやり?
このいかす車はランサー的な乗用車だね」
「ハイメガハイパーランサー……強化光条兵器?」
「あ、このデッキブラシはコリマ・クリスタルの塊だ。
きっとつおいよ」
「えっと、3本の槍……?
あ、あたし聞いたことあるよ。
1本の槍だと簡単に折れちゃうけど、
3本の槍を束ねたら折れないんだって。
でも、車とかどうするんだろ?
これを馬代わりにしてランスで突撃かなぁ?
リンさん、昔は自分専用の馬ほしいって言ってたし。
さすがは未来の円ちゃんだなぁ」
現在・歩は感心している。
「とりあえず、ランサー的な乗用車に乗って校長のところまで行こうかな。
ちゃんとシートベルトはつけようねー」
「うん」
「はっしーん、ぶおんぶおん、
免許ないけど大丈夫だよね、コメディだし」
「え、ちょっと、円ちゃん!?」
「ドリフトドリフトー!
きゅりゅんきゅるん」
「きゃああああああああああ!?」
「あ、あんなところに現在のロザリンが。
ロザリーンなにしてんのー?」
未来の自分に一度敗北した現在・ロザリンドは、ボロボロになってさまよっていた。
現在・円は、車を急停止させようとしたが、泥沼だったので車が横転した。
「だ、大丈夫ですか、歩さん!?」
「うーん、目が回るよー……」
「ロザリン、ひどーい。ボクの心配はー?
ほら、やりだよやりー」
「車じゃないですか!」
現在・ロザリンドは、車を殴りつけて現在・円にツッコミを入れる。
「じゃあ、この普通の槍は?
未来のボクはこっちのデッキブラシの方が強いっていってたよ」
「デッキブラシですか?
槍さえあれば……。
槍さえあれば、未来の私とも互角に戦えるはずです!」
現在・ロザリンドは、デッキブラシをランスのように構える。
「違ーう!」
そこに、現在・歩がすごい剣幕で迫る。
「だいたい、リンさんパラディンじゃないですか!
デッキブラシは数少ないメイドのアイデンティティなんですから、勝手に奪わないでください!」
「え? じゃあ……」
現在・ロザリンドに、現在・円は笑顔で車を指し示す。
「……ハイメガハイパーランサーにします」
現在・ロザリンドはハイメガハイパーランサーを手にした。
「じゃあ、このランサー的な車で駆けつけよう!」
「ええっ、またそれ乗るの?」
「というか、動くんですか、これ……」
「ぶおんぶおーん」

★☆★

現在・円、歩、ロザリンドの3人が無理やり車で泥沼にたどり着くと、
未来・ロザリンドが勝ち誇っていた。
「ふふふ、いろいろな勢力がつぶしあってくれたようですね。
そして静香様は私の物。
完璧な作戦ですわ。
おーほっほっほっほっほっほっほ!!
皆の者、アレの用意を!!」
未来・ロザリンドの命令で、泥沼からイコンが発進する。
「あ、あれは?」
現在・歩が息をのむ。
「宦官ダム!
静香様の姿を模したイコンですわ!」
「さ、桜井校長の姿!?
アレが相手では戦えない!」
「落ち着いて、リンさん!
どうみてもハリボテだよ!」
「ハリボテではありませんわ!
毛糸のパンツもすべて私が作りこんだのです!」
「毛糸のパンツですって!?
さ、桜井校長の……許せません、未来の私!!」

★☆★

「お待たせいたしました」
そこに、未来・円が優雅に現れる。
未来・円は万が一の事を考えて、対エリュシュオン用イコン部隊の待機をさせ、
エリュシュオンの動向を逐一チェックさせていたのだった。
(静香様が神であったから
他国が攻め込んでこない今の状況がありましたのに
またエリュシュオンとひと悶着起きるかもしれませんね)
気休めとは思うものの、一応、未来・円は手を打ったのだった。
「あら、ロザリンドさん、うらやましいですね。
その豊満な肉体、でも少し不自然かと思いますよ。
この前はあんなにわたくしと一緒で貧相でしたのに。
あら、もしかしてパットですか?
パットは見苦しいですよ。
まぁ、解ってて言ってますけど。ふふっ」
「ま、円さんにパットのことがばれました!?」
「えええっ、未来のリンさん、
パットなの!?」
「未来のロザリン、パットだったのかー」
「パ、パットだったんですか、未来の私……!?」
傷口に塩をすり込まれた未来・ロザリンドは、やけになって命令した。
「知られたからにはここにいる者達……校長以外を抹殺!
ロボ、自爆しなさい!!」

宦官ダムは自爆し、沼地にいた者達は全員ぶっ飛ばされるのであった。