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リアクション
セシル様ご到着
静香が着物を着替えている頃、飛空挺を乗り継いでセシル・ラーカンツがお見合い会場に到着した。
ジェイダスと薔薇の学舎の生徒も一緒である。
セシルが飛空挺を降りたその時である。
一人の少女が飛び蹴りをセシルに向かって放ったのだ。
その時とっさに間に入った生徒がいた。
薔薇学のテディ・アルタヴィスタ(てでぃ・あるたう゛ぃすた)だ。
「テディ大丈夫!」
パートナーの皆川 陽(みなかわ・よう)が駆け寄り。
足は震えていたけども間に入って二人を護る。
そして、蹴りを放った少女の顔を見る。
その少女は蒼学の小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)で、はじかれるとすぐに逃げ出す。
「本人達の納得してないお見合いなんて絶対だめなんだから〜」
と、言い残して。
そんな空気の中、陽がテディの痛みを心配するが。
「こんなの大丈夫。なんたって僕は陽のパートナーだからねっ。それより陽、格好よかったよ僕達の前に立ってさ」
「そんなの無我夢中で」
「惚れ直しちゃったなあ僕」
「心配してるのに冗談ばっかり」
(「本気なんだけどなぁ」)
テディの心。陽知らず。
「君たち護ってくれてありがとう。やっぱり、このお見合い反対している人も多いのかな?」
「大丈夫問題ないよ。セシル殿。このお見合い順調に終わるよう私達で協力するからね」
ジェイダスが若干華奢なセシルの肩を叩く。
教導団の生徒達がセシルを案内している間に、鋭峰とジェイダスは話し込み始めた。。
「金校長、貴殿に任せて正解だったな」
「いや、何。私の知識が少しでも役立つなら、それは喜びとなろうものだよ。それで、あの話は本当なんだね」
「ああ、そうだ。彼がお見合いを受けた理由がそれだからな。ラズィーヤ殿も大層喜ばれている」
「何のお話であります?」
一人の少女がジェイダス達に近づいた。
蒼空学園のスカサハ・オイフェウス(すかさは・おいふぇうす)だ。
後ろから、鬼崎 朔(きざき・さく)も走ってくる。
「スカサハ、朔様にこのお見合いの真意を聞けと言われたであります」
「スカサハ……もっと穏便に」
「ほう、お嬢さん達。私から情報が得られるとお思いか?」
「先程私の元にも一人来たな。多分仲間だろう」
ジェイダスが極上のスマイルを向け、鋭峰が先程あったことを伝える。
「他の校長にも聞きに言っているのかな?」
「蒼空学園にも向かったと聞いているであります」
「スカサハ!」
「環菜の所か。あいつは何も話さないだろうな」
「ジェイダス様、静香様は確かおと……」
「それ以上は言う必要は無いのだよ」
ジェイダスが朔の口を塞ぐ。
「お前達も、推理するよりことの経過を楽しみに待っていたほうが楽しいと思う。以上だ」
そう言い残してジェイダスも旅館内に入って行った。
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