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魔女のお宅のハロウィン

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魔女のお宅のハロウィン
魔女のお宅のハロウィン 魔女のお宅のハロウィン 魔女のお宅のハロウィン

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魔女の姿の遠野 歌菜(とおの・かな)は、
魔王の姿の月崎 羽純(つきざき・はすみ)に、飲み物の入ったグラスを手渡した。
「じゃあ。乾杯しよ、羽純くん!
ハッピーハロウィン!」
「ああ、ありがとう。ハッピーハロウィン」

飲み物を飲み乾した瞬間、歌菜は20代後半のセクシーな魔女の姿に。
一方、羽純は16歳くらいの姿に若返っていた。

「歌菜……これってまさか」
「ふふふ、羽純くんは魔女の魔法にかけられてしまったんだよ」
驚く羽純に、歌菜はいたずらっぽく笑みを浮かべる。
「まったく……」

そこに、子どもになった理知と翔が走ってくる。
「とりっくおあとりーと!」
「いたずらがいやならお菓子をくれ」

「わあ、かわいい魔女さんと狼男さん。
お菓子をどうぞ」
「ありがとー!
でも、せっかくだからいたずらもしたいよね」
「おいおい、理知?」
歌菜にお菓子をもらう2人だが、
理知の発言に、翔が突っ込む。

「だいじょーぶ。
お菓子くれた人にはいたずらしないから。
翔くん、髭があった方がイゲンがあるよきっと」
「うわっ!?」
理知が水性ペンで翔の顔に髭を描く。
「理知、おまえな……」
「えへへ」
髭を描かれた翔はジト目で理知を見ていたが、
ふっと笑みを浮かべると。

「じゃあ、俺のいたずら」
「きゃっ?」

翔はフェイントで理知の頬にキスをしたのだった。

「おどろいたか?」
「もう、翔くんたら!」

理知は口ではそう言いつつ、笑いながら、
翔の手を取り、2人は一緒に走って行った。

「微笑ましいカップルね。
私たちもせっかくだし、楽しみましょう?」
歌菜は、羽純に振り返って、
ちょっと前かがみになり、露出の多いドレスの胸を強調する。
「坊や、おねーさんがいろいろおしえてあ・げ・る」

その様子に、羽純は吹き出す。

「な、なんでそこで笑うの!?」
「ごめん、歌菜らしくないから、つい。
無理しすぎだろ」

「もうっ」
「笑って悪かった。
俺は、そのままの歌菜が好きだけど、大人な歌菜も好きだ」
頬を膨らませる歌菜に、羽純は言う。

歌菜は目を丸くする。
「えっ」
「一緒に踊って頂けますか? 綺麗なお姉さん」

「う、うん。
あ、えっと、その、もちろん、いいわよ」
無理して大人ぶろうとする歌菜に羽純は微笑を浮かべる。

ダンスのステップを踏みながら、
背が小さくなって、目線が近くなった羽純の顔を見つめ、
歌菜は胸が高鳴るのを感じる。
(結局、リードされちゃってる。
なんだか、いつもと同じなような?
でも、羽純くん、少し幼くても素敵だな)

「歌菜、綺麗だよ。
なんだか、将来が楽しみになった」
そっと、羽純がささやき、歌菜はどきりとする。
「ほんとに?」
「ああ。実はさっきもドキッとしたんだ」
2人は寄り添い、ダンスを踊る。
この幸せが、いつまでも続くことを願い、そして、確信しながら。