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闇世界…ドッペルゲンガーの森

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第13章 優しき守り人

「廃病院や廃校舎の時みたいに、誰かが何かの目的でここに人を集めているのだろうか?」
 攫われた人々を助けようと、神和 綺人(かんなぎ・あやと)は考え込みながらクリスタルを探す。
 殺気看破の探知能力のおかげでなんとか無傷で進めた。
「あの犯人の協力者がしかけた可能性もありますよ」
 クリス・ローゼン(くりす・ろーぜん)が彼の傍らで呟く。
「被害者たちとオメガさんは同じ扱いなのかな」
「同じ扱い・・・ですか?」
 クリスは首を傾げて聞く。
「そうじゃないとしたら何の目的だろう」
「ここって何か夢に出来そうな感じですよね」
「―・・・夢?」
「なんとなくそう思っただけです。実際にこんなの夢でてきたとしたら悪夢ですよね。1人で寂しい時なんかとくに・・・」
「悪夢・・・・・・」
 彼女の言葉に綺人は足を止めた。
「どうしたんですか」
「もしも悪夢が実体化したら・・・」
「アヤ・・・?」
 真剣な顔で考え込む彼の顔を、心配そうに覗き込む。
「皆さんを助けるために早く探しましょう」
「そうだね」
 クリスタル探しを再開するため、彼らは再び歩き始めた。
「さっきから同じような道だな・・・。あっ、あった!見つけたよクリス!」
 両手を大きく振ってパートナーを呼ぶ。
「これがクリスタルですか。綺麗ですね・・・。冷たいと思ったんですけど、とても暖かいです」
 クリスがそっと触れてみると、暖かい不思議な感じがした。
「壊しますね」
 ソニックブレードの剣圧を飛ばし、クリスタルを破壊する。
「何でしょう・・・体が・・・・・・」
 破壊したとたん、クリスたちの姿が薄くなっていく。
「クリス、手を・・・僕の手を掴んで!」
「アヤ!」
 よからぬことが起こってしまうと思った綺人は、クリスと逸れてしまわないように手をつなぐ。
 眩い光に包まれ目を閉じてしまう。
「う・・・ん・・・・・・」
 目を開けるとオメガの屋敷、玄関のところで倒れていた。
 連れられた生徒たちも無事に戻ることができ、オメガが引き込まれた鏡は生徒たちの手によって破壊された。



「壊すことでまじないの力が消えたんでしょうか?どっちにしろ、ろくでもない呪いのような感じですね」
 幸が調べてみると普通の鏡だった。
「怪我していしますね、大丈夫ですぅ?」
 氷の牢に閉じ込められた時に、痛んでしまったオメガの肌を明日香がヒールで治す。
「わたくしは大丈夫です。それより・・・」
「彼女ならもう心配いりません、ちゃんと治してげました」
 眠っているヴァーナーを心配そうに見る魔女に微笑みかけて明日香は彼女の無事を伝える。
 重症を負った生徒は、メイベルたちが治してあげた。
「ミニたいふうにお礼を言ってやるだオメガ。この子たちが助けを呼んだのだからな」
「分かりましたわ。ありがとうミーミちゃん、ミニミニちゃん」
 綾香に言われ、オメガはミニたいふうたちにお礼を言う。
「ねぇ緋音ちゃん、もしかしてオメガさんって誰かに呪いをかけられて出られないかもしれないです・・・」
「そうかもしれませんね。契約しないと出られないって、誰かの悪意を感じます」
「出られないようにして何かに利用しようと企んでいるかもしれないですっ!」
「だとしたらまたしかけてくるかもしれませんね」
「私たちが犯人からお守りするです!」
 ぎゅっと拳を握って、来るならこいっという意気込んだ。
 攫われた生徒たちは全員無事に戻り、イルミンスールの校舎に平穏が戻った。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

おはようございます、按条境一です。
無事に事件が解決した時刻はきっと明け方でしょう・・・。
沢山のお友達が助けに来てくれて、オメガさんも大変感謝しています。

今回も一部の方に称号をお送りさせていただきました。

では、また別のシナリオでお会いできる時を楽しみにお待ちしております。