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クリスマス…雪景色の町で過ごすひととき…

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第13章 大切の人に送るイブのプレゼント

「向こうにまだプレゼントをあげていない子がいますよ。行きましょう、アレンくん」
 フリルのついたカチューシャを頭につけな直して、風船を持っている子供のところへ行く。
「意外とこの園内広いんだよね。ふぅ、運ぶこっちは大変だよ」
 アレンは白い袋を背負い、由宇の後をついて行く。
「あれ・・・どこにいったのかな。あ、あっちか」
 彼女が着ている服の赤いリボンについてる鈴の音色を頼りに、人ごみの中から探す。
「アレンくん、早くプレゼントをこっちにくださいです!」
 大きく片手を振って彼を呼ぶ。
「ふぅ、やっと追いついたよ」
「はわわっ、置いて行っちゃいましたか!?ごめんなさいですっ」
「いいよ。もう1度置いてかれなければね」
「はぅう、すみませんです」
「女の子だからこれなんかいいんじゃないか?」
「そうですね!」
 配る前に、事前に中身を知っている2人は子供に何をあげたら喜ばれるか考えて渡す。
「ご来場ありがとうございます♪プレゼントですよー」
「ありがとぅ、お姉ちゃん!お人形が入ってる〜、わぁ〜いっわぁ〜い♪ママー、姉ちゃんたちにお人形もらったよぉ〜」
 少女はプレゼントを抱きしめて母親のところへ走っていく。
「ぼくもたちにもちょーだいっ」
 それを見た幼い少年たちが由宇の傍へ駆け寄る。
「は〜い。順番に渡してあげますからね。アレンくん!」
「分かってるよ。(玩具がいいかな・・・)」
「トナカイだー」
「ほんとだぁ、トナカイがいるぅ」
「あっ、ちょっと引っ張らないでよ」
 何をあげようか袋の中を探して屈むと、やんちゃな少年たちに角の部分を引っ張られてしまう。
「こらこらぁ、いたずらはいけませんよー。わる〜い子のところには、クランプスが来ちゃうんですよ」
 由宇はメッと叱るように少年たちを見下ろす。
「やだぁ、クランプスこわぁい」
「連れて行かれるのやだぁ」
「じゃあトナカイさんにちゃんと謝るんです」
「ごめんなさぁい」
「ぼくもぉ、ごめんなさぁいトナカイさん」
 いたずらっこな少年たちが、しょぼぉんとした顔でアレンに謝る。
「あははっ、素直に謝ってくれればそれでいいよ。由宇、この箱を子供たちにあげて」
「はいです!よい子さんならこうしてプレゼントがもらえるんですよ♪」
 アレンから箱を受け取り、子供たちに渡してやる。
「なんだろぉ?わぁ〜い、ミニカーだ!」
「お家に帰ったら競争させよー」
 きゃっきゃとはしゃぎミニカーを持って走っていった。
「ふぅ・・・これで全部渡し終わりましたね」
「うん。着替えて帰ろうか」
 スタッフルームへ行き、別々のところで着替えた。
「お待たせしましたっ」
 先に着替えて外で待っているアレンの傍へ走る。
「サンタさんからのプレゼント、どうぞなのですよー!」
 由宇はスタッフルームへ戻る前に園内のショップで買ったマフラーをアレンに渡す。
「でも・・・今月キツイはずじゃ・・・」
「これ、お給料ちょっと多くもらいましたし、いつもお世話になってるお礼なのです・・・」
 頬を真っ赤に染めながら彼を見上げる。
 それを選ぶために時間がかかってしまい、彼を外で待たせてしまったのだ。
「そうなんだ・・・じゃあ、もらっておこうかな。今日は特に冷えるし」
 アレンはそう言うと、彼女から受け取ったマフラーを首巻く。
 しかし実は、彼の方はそれほど待っていたわけじゃない。
 むしろ数秒送れて彼女が外に出ただけで、ほぼ同時に外へ出たような感じだ。
「俺も・・・由宇にあげたいものがあるんだ」
「え・・・、なんです?」
「ネックレスなんだけど・・・」
 “このキャラ物のアクセサリー。由宇によく似合いそうだ”と、ショップで選んでいた。
「雪の聖霊です?色合いがキレイです〜」
「首にかけてあげるよ」
「はい♪」
「どうかな?」
「とっても気に入りました!ありがとうです、アレンくん♪」
 もらったネックレスを首にかけてもらい、嬉しそうに微笑みかけた。