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奪われた妖刀!

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奪われた妖刀!

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★エピローグ



 ――タシガン空峡――

「オレと又吉が殿を務める! だからお前らは撤退しろ!」
 ボルドがやられて、加夜を振り切った武尊がやってきた。
 残りの空賊を無事に逃がすためにそうしたのだが、武尊の言葉に反応する空賊はもはや空に存在しなかった。
 生き残った空賊達は皆、眼下、眼下、眼下の太平洋で海水浴に行っているのだ。
 となれば、空賊に加担した自分達の方が危うい。
「又吉、頼む!」
「おっと、それ以上近寄るんじゃねぇ。近寄ればこの埼玉県民に紐なしバンジーやらせんぞ!!」
 追撃の形になる前に、又吉は最後の手段を用いた。
 登山用ザイルで縛った埼玉県民を飛空挺からぶら下げた。
 だが、それをするには、あまりにもタイミングが悪すぎた。
「イヤアアッ!」
 シズルが気合いの掛声と共に、真っすぐ又吉に向かってきたのだ。
「は、話が違う!」
 学生達は人命を優先するとばかり思っていたが、それは様々な前提が噛み合って初めて効果を発揮するのだ。
 ザイルを切り取り、埼玉県民を救出すると、刀を又吉に向けた。
「まだやりますか!?」
 ぞろりと揃った空賊退治の契約者達を見て、さすがの又吉も観念するように首を振った。



 ――ツェンダ――

 大型飛空挺は、タシガンでの戦いを終えて戻ってきた。
 契約者が思い思いに飛空挺を降りていき、その中でシズルに声をかけるものがいた。
「私の造りたいものは使い手がいて、その使い手しか最大限に発揮できない武器なの。もしシズルさんが興味を持ったら声を掛けてね。私の鍛冶師の腕がその域に達して、シズルさんがタイ捨流を極めていたら、きっとすごいものがね」
 緋雨はそうシズルに声をかけた。
 それはシズルの心を落ち着かせるに十分なものだった。
 まずは、己なのだ。
 己が成長して初めて、次に進めるのだ。

 最後に、誰もいなくなった飛空挺の中で、シズルは妖刀那雫を手にとった。
 柄に手をかけ、力を込めようとして……止めた。
 今はこれでいいのだ。
 唾を返したシズルが笑っているのを、影からフェンリルはそっと見ていた。



 ――太平洋――

「頭ぁぁぁぁ、もう……無理でぇぇぇぇす……」
「諦めるな馬鹿野郎! ここでサメの餌になりたいのかッ!」
 ボルド空賊団。
 彼らはしぶとく太平洋で生きていた。
 脱出時にはパラシュートはもちろん使ったし、何より賊をするくらいだから肉体的にも精神的にもたくましい。
「あのネエチャンは、ネエチャンは……クソオオオッ!」
 負けた悔しさを晴らすように、ボルドはクロールからバタフライに変えてひたすら泳ぎ続けた。
 いずれまた訪れる再戦の日に向けて、まずは今一度頭を冷やして、再び上がるのだ。
 そう、誰もが夢見る、

 ――あの空へ。



(お終い)



担当マスターより

▼担当マスター

せく

▼マスターコメント

皆様、お疲れ様でした。
今回で4作目と相成りました、せくです。

まずは、再び遅延公開となり、大変申し訳ありませんでした。
前回スケジュールをきっちりと言った矢先にこのようなことになり、どのような顔をして謝罪すればいいのか……。
本当に申し訳ありませんでした。

今シナリオからは、名前の前へのクラス、種族を記載せねばならない状況以外、全て削除させていただきました。
読みづらさ等、感じられていたかと思います。
大変失礼しました。
また、添削しすぎて掻い摘みすぎなのかなと個人的に思い、個々文章量が今までより多少ですが多めとなっております。
この部分はまだ4作目ということもあり、私なりに試行錯誤の状態なので、ご理解頂けたら幸いです。

それでは、皆様に楽しんでいただけますよう願いながら、これをマスターコメントとして、この項を埋めさせていただきます。

また会える日を心からお待ちしています。
それでは、失礼します。

3月8日:一部修正を加え、リアクションを再提出させて頂きました。