葦原明倫館へ

空京大学

校長室

天御柱学院へ

立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

リアクション公開中!

立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

リアクション

 ぼろぼろの舞台。
 たった二匹を除いた全ての強い怪人を倒し、とうとうショーのクライマックス到来。

『ふははは、戻って来たぞ、スカイレンジャー。今度は前のようにはいかんぞ』

 レオング将軍の声が響いたかと思うと舞台にどす黒い紫の霧が立ちこめ始めた。

「声!? レオング将軍の声だよ」
「霧が出て来てますわ」
 春美とアデリーヌが慌て色のある声で司会をする。

「……これが第二形態か。さて出番だな」
 エヴァルトは、霧が晴れるのと同時に舞台に立った。

「ようやく、現れたか。レオング将軍!」

 エヴァルトが颯爽と登場。

『貴様、ただ一人で我に勝てると思っておるのか』

 たった一人舞台上に立っているエヴァルトを嘲った。

「仲間はじきにここに集結するだろう! それまでは俺が相手だ!」
 散り散りになって他の怪人を相手にしていたヒーロー達の戦いは終わり、こちらに急いで向かっている。
 仲間が集まるまでの間、観客を楽しませるために戦闘開始。

「では、行くぞ! スカイアーマー、招来!」

 スカイブルーのスーツの上にパラミティールアーマーをまとってこちらも防御力を強化する。
 これぐらいならば、後の公演で何とか再現できるだろうし、何より子供達が喜んでいるので問題は無い。
 実際、クレームを口にする子供誰一人としておらずただ興奮ばかり。

「すげぇ!!」
「すごーい、これからが反撃だよ!!」
 演出に大興奮のウルトとノーン。

「一気に倒しちゃえ!!」
「頑張って勝って!!」
 沙織とローズも声高く応援し、ショーであることを疑わせないよう頑張る。

「アームド・ブルーッ!」

 改めてスカイブルー登場。

『我に従う者どもよ!!』

 レオング将軍の呼び声と共に足元周辺が揺らめいたかと思うと紫色の影がいくつも現れ、実体を成す。

「第二形態になったレオング将軍がいかなる力を持っていようと声援があれば負けはせぬ」
 ルファンはそう言い、子供達の声援を集めた。

「紫のしもべだ。影なのにすごく強いんだ」
「そうなの!? ガンバレーッ!!!」

 スカイレンジャーファンのウルトの言葉にノーンはいっそう声を張り上げた。

「最後の戦いが始まるぜ!」
 ウォーレンの呼びかけと共にエヴァルトは影に立ち向かい始めた。
 
「とぅ!!」
 戦闘開始。
 舞台裏での言葉通り、分析家のブルーが格闘技でワイルドに戦うという意外性を演出した。
 『歴戦の武術』を用い、アウトボクサー的に戦う。それだけではなく、蹴り技やプロレス技も取り入れて観客が飽きないショーを演出。

「ワイルドブルー、倒す倒す。これで最後だぜ!!」

 エヴァルトの動きに合わせてウォーレンが勢い良く司会をし、カンナのテンポの良い音楽も重なり、子供達の歓声がショーを盛り上げる。

『これぐらいで倒されるようでは我の好敵手ではない』

 呼び出した影を全て打ち倒されたというのに全く動揺が見られない。むしろ喜んでいる。
 そして、今度こそレオング将軍対ブルーの戦いになる。

「今度はこちらが貴様の力量を計ってやる」
 エヴァルトは、レオング将軍が何かする前に攻めた。
 攻めて攻めて攻めるが、加減はしているので怪人は倒れない。

『弱い弱い、こんなものかぁ』

 レオング将軍の激しい攻撃。プロジェクター暴走に加え、第二形態になったことによって攻撃力がかなり倍増している。

「くっ、まだだ」
 エヴァルトは、『歴戦の防御術』や『龍鱗化』できっちり防御をしながら粘る。
 最後は全員でとどめを決めるのが最高のショーだと思うので。

「ようやく、仲間が集結じゃ」
「ここから反撃だよ〜♪」
 ルファンと春美の言葉と共に次々と他の場所で戦っていたヒーロー達が駆けつけて来た。