空京大学

リアクション

幕間：悪意の足跡

「つまりはそういうことか？」
　夜刀神も気づいたのだろう。懐から街の紙片を取り出すと皆に見るように促した。そこには噴水広場を中心に前方後円墳のような形をした街の見取り図があった。円の中心には噴水広場が位置している。分校は台形の位置だ。
「いま私たちがいるのはここですね」
　クエスティーナが円の中心を指さした。
「そして葛城とコルセアはこことここを調べていたと」
　サイアスが北門と東門に指を当てる。
　同じように各々が調べたところを示し、仮面をしている人物の分布が出来上がった。
　そこには街の東側だけに仮面をしている人が多いという事実が浮かび上がっていた。
「子供たちの話だと仮面を配ってる人がいたって……」
「言ってましたよ。準備期間中から配ってたみたいです」
　クエスティーナの言葉にホリイが応える。
「そいつらも怪しいな。もしかしたら手引きした奴が配っているのかもしれん」
　夜刀神の言葉に皆が頷いた。
　一同はその場を離れると各々が仮面を配っている人物を探して街の雑踏に紛れて行った。
　すでに空は夜色に染まり、街の喧騒はより大きく広がっていた。