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死んではいけない温泉旅館一泊二日

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死んではいけない温泉旅館一泊二日

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9、エピローグ 〜またお越しくださいませ〜


 終了日 午前6時12分。
 旅館は崩壊した。
 いや、正しくは崩壊させられたのだった。

「ふう……なんとか間に合いました」
 粘着剤によって固定されていたはずの唯斗は、一人旅館の外で火汗をかいていた。
 というのも、この爆弾を仕掛けたのは唯斗自身だった。
 時限式の爆弾を仕掛けたは良かったのだが、先の託の仕返しにより動けなくなったため、唯斗自身が爆弾の餌食になるところだった。
 そこを爆発する寸前にどうにか脱出してきたところだった。

「なるほど、最後は派手にかましたものだ」
 感心を込めた言葉と共に、旅館の残骸から埃をたてて馬場校長が現れた。
 やはりその現れ方は、さながら某ロボットが残骸から出てくるようなシーンを思い出させる。
「まあ、全員やはり最後は油断したようですね」
 ぞろぞろと生徒たちが残骸から這い出て、この惨状に驚きながらも、起き上がってくる。
 
「こ、これ本当に大丈夫なの?」
「ぬかりはない。壊した本人たちと協力して直す」
「えっ」
 馬場校長の言葉に唯斗は目を丸くして驚いた。
 まるで、聞いてないぞと言わないばかりの驚き方だった。

「諸君、めざめはどうだ。見給え、空を良い朝だ」
「で、誰の勝ちなんだこれは」
 頭を押さえながら海は立ち上がる。
「今回の訓練、とても有意義なものだった。最後の最後で全員風船は割れてしまったが、わしは満足だ。よって――」
「全員に温泉旅行をプレゼントしようとおもう!」
 馬場校長の言葉に全員が歓声を上げた。
 疲れたという声や、この疲れや傷をいやすために今すぐ温泉へ行こうなどという言葉が上がる。
「さあ、解散だ! 温泉旅行に行きたい奴は勝手に行くといい!」

「で、その温泉ってどこなんだ」
「うむ、あそこだ」
 馬場校長の指さす方は。はるか山奥。雪山のほうを指さしていた。
「遥か極寒マイナス30度を誇る雪山である。加えて、道中は危険な崖も多い。まさに諸君の次なる特訓にはうってつけの場所であろう」
「はああああああああああああああああああっ!?」
 生徒たちからは大きなブーイングと非難の嵐が起こった。

 この日、そのまま温泉へといった人は誰一人いなかったという。

担当マスターより

▼担当マスター

朱坂理樹

▼マスターコメント

 お疲れ様でした! 当シナリオへのご参加ありがとうございました!
 いやー、まさか旅館が倒壊するなんて私自身、予想にもしておりませんでした。
 しかしながら、今回の特訓は皆様の成長にきっと役だったのではないか。
 そう思い……願っております。
 それでは、また皆様にお会いできますことを心から楽しみにしております。