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砦に侵入するは女体化男子!?

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砦に侵入するは女体化男子!?

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 廊下をただただ突き進んでいた竜斗。
 表情も険しく、余裕が全く見られない。

 付き辺りを曲がった時、ばったりと見回りの下っ端にかち合う。

「おい! 俺の大事な家族はどこにやった! ことによっては、容赦はしないぞ!」

 胸座を掴み、脅す竜斗。
 下っ端は息ができないのか次第に青白くなっていく。

「主殿! お気持ちは分かりますが今は落ち着いてくだされ! あのお二人ならばきっと無事です!」

 それに気付いたミリーネが竜斗をなだめる。

「怒りで割れを忘れてしまっては勝てる戦いも負けてしまいます。大切なご家族を助け出す為にはまず冷静になってくだされ!」

そう言われ、少し頭が冷えた竜斗は、下っ端に改めて麗とユリナの場所を吐かせた。

「ユリナ! 麗! 今すぐ助けてやるからな!」

 吐かせた場所へ走っていく竜斗とミリーネ。
 ただし、下っ端は気絶させて放置されていた。



◇          ◇          ◇




 騒動の裏で隠密に行動するリリンキッシュ・ヴィルチュア(りりんきっしゅ・びるちゅあ)アンネリース・オッフェンバッハ(あんねりーす・おっふぇんばっは)
 リリンキッシュは従者の新人類を、アンネリースは力仕事要員として超人猿を連れてきた。

「物資を調達するため、アンネ様と共に別所に立ち寄ってましたら……摩耶様……ッ!! 盗賊共……皆殺すべし、慈悲は無……ひゃふぅ!?」
「落ち着いて下さいませ、リリン様。冷静になることが大事です」

 殺気を全身から漲らせるリリンを、耳や首筋に息を吹き付けることで落ち着かせるアンネリース。

「……あ、熱くなりすぎました……。ともあれ救助に参ります……!」

 隠密行動と子守唄を駆使して奥へと進んで行った。



◇          ◇          ◇




 装備も引っぺがされて丸腰になったソフィア・クレメント(そふぃあ・くれめんと)が、現在の戦闘力や敵勢力等々を加味して自身のコンピューターで勝算を計算した結果、ほぼ不可能の数値が出た為、この場から機晶姫としての機能をフル活用し、電子戦でフェリクスに情報を提供していた。


バチィ!!


 支援をバレないようにしていたが、モヒカンのブサメンがソフィアの太ももを撫でてきた時、電撃をプレゼントした。

「どうせならイケメンに迫られたいですわ。それに、できれば剛太郎ではなくイケメンに助けられたいところでも……」

 そこへ外部陽動の隙を見て侵入していた竜斗とミリーネが部屋に入って来る。
 下っ端に吐かせた情報は間違いなく、そこには麗とユリナがいた。

「麗! ユリナ!!」
「お父さん!」
「竜斗さん」
「無事でよかった……」

 麗とユリナをまとめて抱きしめる竜斗。
 それに安心したのか麗は泣きだしてしまう。

「ね、大丈夫だったでしょう? ちゃんと竜斗さんは来てくれましたよ」
「うん……」

 優しく頭を撫でるユリナに、麗の涙はさらに流れるのであった。