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正体不明の魔術師と同化現象

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正体不明の魔術師と同化現象

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 再度一段落。
「これからどうしますか。まだ撮影者は来ていませんから先に魔術師を救って何も無いとは限りませんし、魔物を倒しましたから吸収の恐れはありませんが、このままというのは」
 舞花が少々思案する顔で皆に言った。視線は事切れたグリフォンに向けられている。
「困った事になったね」
 ノーンは困り顔でうなずいた。
「だな。いくら危険と言ってもこのままっつーわけにもいかねぇだろ。魔物からの解放だけはしとくか? この場所の装置破壊は今の段階では危ねぇだろうし」
 唯斗は肩をすくめ、これからの事を提案。
「確かに撮影者がいない今の段階で装置を壊して魔術師の束縛を解くには危険ですね。何をするか分かりませんから」
 ザカコは警戒の目をグリフォンの中にいる魔術師に向けた。
 その時、グラキエスに一本の連絡が入った。
「……ん」
 相手は撮影者警護に加わっているポチの助からだった。
 急いでグラキエスは出て連絡内容を確認した。
「連絡の内容は何だ?」
 ウルディカが連絡を終えたのを見計らい訊ねた。
「この付近に撮影者がいるらしい。もう少ししたらこちらに来ると」
 グラキエスが連絡の内容を皆に伝えた。ちなみにグリフォンを討伐し終えた事も相手に伝えた。
「それじゃ、すぐに来るんだね。良かった」
「ようやくでありますな」
 美羽と吹雪は一安心。
「それなら連絡を入れておいた方がよさそうですね」
 ザカコはアーデルハイトに連絡を入れ、グリフォン討伐完了と撮影者がもうじき来る事を伝えた。そこでアーデルハイトはこちらに向かっている旨を伝えた。
 連絡を終えるなり
「エリザベート校長達もこちらに向かっているそうです」
 ザカコは簡潔に連絡内容を皆に伝えた。
「全員揃ってからになりそうですわね」
「来たらさっさと終わらせねぇとな。まだ街は酷い有様のはずだからな」
 リーブラとシリウス。
 しばらくして
 撮影者を連れた北都達とフレンディス達が現れた。
「撮影者さんを連れて来ましたよ」
「お、どうやら片付いたみたいだな」
 フレンディスは皆に撮影者の事を伝え、白銀は爆心地で事切れたグリフォンに視線を向けた。
「先程、終わったところです。エリザベート校長もすぐに来ます」
 ザカコが代表して撮影者護衛組に伝えた。
「いいタイミングに来たな。これからどうやって中にいる魔術師を助けるか決める所だった」
 唯斗が先程まで皆で考えを巡らせていた事を話した。
「……中にという事はまだ……」
 ベルクは唯斗の言葉に思わずグリフォンに視線を向ける。
「そのまだでありますよ!」
 吹雪が即答した。
「これからどうするつもりなんだ?」
 白銀が肝心な事を問いただした。
「中から救出するか、それ以外の方法を選ぶかで話していた所だ」
「……装置を解除してくれれば……自ら脱出するはず」
 唯斗が答えるとすぐに撮影者が衰弱による疲れが明白な様子でこの先の提案をした。
「そうか。それなら犬、科学の力とやらを披露出来る嬉しい出番だ」
 聞くなりジブリールはからかい気味にポチの助に言った。ポチの助の反応見たさにまたやっている。
「生意気ターバンに言われる必要は無いのですよ」
 ポチの助は不機嫌そうに言い返し、『機晶脳化』で装置の解除に取り掛かった。
 その時、装置破壊組も合流し、ポチの助を手伝い始めた。
 解除する間、
「……解除をして魔術師が力を取り戻したら何か特殊な力が魔術師と撮影者の間に流れ出すかもしれない可能性や彼が何かする可能性は?」
 北都がふと気掛かりな事が思いつき、撮影者に確認を入れた。
「……無いとは言い切れない……これは強引に魔術師が起こしたもので本人は魔力そのもの……何かを引き寄せてもおかしくない」
 撮影者は衰弱のためかゆっくりと口を動かした。
「……もう少しですから頑張って下さい」
 フレンディスは必死に撮影者を励ます。
 そして、他の者達は念のためにと臨戦態勢を取る。
 何とか無事に装置の解除は終わり、
「ご主人様、解除しましたよ」
 ポチの助は無事フレンディス達の元に戻って来た。
「お疲れ様です、ポチ」
「当然の事なのですよ。この僕は優秀な知識溢れるハイテク忍犬ですからね」
 労うフレンディスに嬉しそうにしながらも誇らしげな顔のポチの助。
「あとは力を取り戻すのを待つだけか」
「あぁ、何も起こらなければいいが」
 グラキエスとベルクは魔術師の様子を伺う。