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爆弾魔と博士と恐怖のゲーム

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 ルカルカや美羽達を始め、数人の契約者達が佐々木 夕の元へと駆けつけていた。
 ルカルカと平助によれば、もうすぐ輸送班が来るらしかった。

「どうして――どうして、ペーパ、お前まで俺を裏切る!!
お前だって、あの発明品を作ったときから『マッドサイエンティスト』だと蔑まれ、空京を恨んだだろ!」
 夕は突然わめき、怒鳴った。
「ふっ、マッドサイエンティスト……か。最高の響きじゃないか。だが、俺は別にそれを恨んだことはない。
なあ、夕。発明品は誰かに認められることが全てじゃないんだ」
「誰にも使って貰えない。そんなのただの自己満足じゃ――」
「愚かだな、佐々木 夕! 俺は『世界征服』を目指す者、そこに自己満足以外何も必要無い!」
「――狂ってやがる」
「なんとでも言え」
 それ以上夕は何も喋ることはなかった。

 ペーパは「さて」と、小さな箱をどこからか取り出した。
 それは先ほど、夕が持っていた者だった。
「助手、プロジェクトエックスを発動するぞ」
「解析完了、ハッキング中……」
「何をするつもりだ!?」
 また何かをするつもりなのかと、平助達は身構える。

「佐々木 夕の発明品をハッキング完了。ソフトウェアをプロジェクトXに書き換え完了しました」
「ふっ、ご苦労」
 ペーパは箱のボタンを押した。

「空京中に居る者達よよく聞け!! この度の爆弾、そして全ての事件は俺様
ペーパ・ドクが行った!! そう、俺こそが空京の制覇者!!」
「何を言ってるんだ……?」
 夕は呆然とペーパを眺める。
 それは、夕が行ってきた犯罪の数々を全て、ペーパがやったことにする言葉だった。
 だが、恐怖心が誰にもない今、その言葉を信じる人は居ないはず。

「はい……ペーパ様」
 だが、夕の周りにいた契約者、それどころか平助までがその言葉を信じていた。
「……恐怖心もなしに、みんなを征服したのか!?」
 夕がやり遂げようとしても、決してやり遂げられなかったことを
この男、ペーパはやり遂げているのだ。

「さあ、世界中の女性達よ、俺に跪け。俺に惚れろぉおおおおおおおおっ!!」
 ペーパは大きな声で叫んだ。