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リアクション
パラミタ大陸・各所
数日後。
セルフィッシュジーン・ウォーカーたちのなかにある、零のDNAがアポトーシス(細胞死)を起こした。
痛みや苦しみはなく、死に顔はみんな穏やかであったという。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
陽一が、理子といっしょに子供を見送っていた。
悲しげに我が子を弔う陽一へ、理子が努めて明るく言う。
「そんなに悲しまないで。……きっと、いつかまた会えるから」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
デスストーカーとペルセポネも、自分たちのセルフィッシュジーン・ウォーカーを弔った。
ペルセポネがふたりになって二倍美味しいなどと考えていた浮気なデスストーカーも、今は篤実である。
「少し、寂しくなりますね」
俯きながら言うペルセポネに、デスストーカーは自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
「――安心してください。これからは、ペルセポネ様を二倍愛していきますから」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
コハクは、やさしく娘を抱きしめた。
「心配しないで。僕たちはただ、出会うのが少し早すぎただけだから――」
父親ゆずりの翼と、母親ゆずりのキュートさを持つ、ヴァルキリーの少女。再び会う約束をかわしたコハクは、別れ際にこう告げた。
「おかえりなさい」
そして、子供は、未来に還る。
やがてその“未来”が、“今”に変わったら。
まだ見ぬ時間のなかで待ち続けた少女から、コハクに向かってこう告げることだろう。
「おかえりなさい」
と――。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ディシプリンシスターズの七人目になった、夜炎鏡のセルフィッシュジーン・ウォーカーは、別の時空で姉だったという、純やタマとも再会した。
しかし、せっかく時空を越えて姉妹と再会したというのに、戻ってきた夜炎鏡は不満そうだった。気になった牡丹・ラスダーが理由を尋ねると、彼女は口を尖らせて答える。
「姉のやつら、ちゃっかり新しい名前をもらってやがった」
思わず牡丹は笑みを漏らした。夜炎鏡が不満そうだったのは、新しい名前を羨んでいたからなのだ。
さっそく牡丹は、ディシプリンシスターズの殉血に濡れし断頭台(ギロチン)とか、肉蝕む振り子の刃(スロースライシング)とかにちなんだ名前を考案する。
「とびっきり中二病っぽいのにしてくれ!」
という夜炎鏡の要望に答え、レナリィ・クエーサーやディシプリンシスターズと会議した結果。
ようやく名前が決まった。
エターナルナイトメア・インフェルノ・ミラージュ。
夜炎鏡は、すごく嬉しそうだった。
「ありがとな! ――あたいはこれを、戒名にさせてもらうよ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
セルフィッシュジーン・ウォーカーは全員死んだ。
子供たちのパートナーロストの心配もなくなったため、零の処遇に対して、風森 巽が提案する。
「もう一度、シャンバラの法律できちんと裁くべきじゃないだろうか」
彼の発言により、改めて正式な裁判が開かれることとなった。
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