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【蒼フロ3周年記念】蒼空・零 ~1946年~

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【蒼フロ3周年記念】蒼空・零 ~1946年~

リアクション

 そのころ及川翠とミリア・アンドレッティは、新宿は新竜組の本拠地目指してひた走っていた。
 情報を集めるのに手間取り当日夜までかかったとはいえ、二人は事件の概要をほぼ把握している。
 風のように走る。のんびりしていたら手遅れになるかもしれない。急ぎたかった。
 もうじき、新竜組本部で大きな戦いになるだろう。これを援護しなければ、世界の歴史が狂う可能性が高い。
「待って……!」
 だが途上、翠は呼び止められた。
 普通の声なら聞こえなかったかもしれない。しかしそれは脳に直接響くような声であり、彼女の両肩をグイとつかみ、立ち止まらせるほどの力があった。けっして大きな声ではないというのに。
「こんばんは」
 暗がりの中、青白い光の柱が立っているように見えた。誰だろう、その中心点に一人の少女が立っている。
 目の錯覚か。翠が二、三度まばたきすると青い光は消えていた。
 だが少女はそこにおり、そしてまた、
「……翠ちゃん、ミリアさん、お久しぶりです〜」
 スノゥ・ホワイトノートの姿もあった。
「……あれっ? あっ、スノゥさんなの! ……でも、もう一人って、誰なの?」
 そんな翠にミリアが言い添えた。
「もしかして……スノゥさんの……?」
 いずれの問いにもティナ・ファインタックは答えなかった。
「今は時間がないわ。詳しい説明は、後にしてもらっていい?」
「まずは新宿に急ぐですぅ〜!」
 悪い予感がするとスノウは言った。
 何か規格外のものが迫っている――そんな風に思えてならないのだという。